幕間:ララ
シズクは隠しているつもりなんだろうけど、私はずっと気づいていた。
生まれつき、何か特別な秘密を抱えていること。
私たちがまだ子供だった頃から魔法を使えたこと。
そして、あの日。両親を失ったあの事件で、私を守るために攻撃魔法を使ったことも。
帝都の魔法協会へ「事情聴取」のために行くって言った日も、本当は違うって分かっていた。だって、本当に事情聴取するだけなら、行くべきは私の方でしょう?あの日、話し合われたのはきっと、貴方の攻撃魔法をどう処分するかだった。
ずっと、シズクは私を守るために優しい嘘をついてきた。自分の気持ちを隠して、私の隣に立ち続けてくれた。
ねぇ気づいてる?
貴方はいつもどこか、つまらなそうな顔をしていた。仕方ないよね。だって貴方の心はいつも魔法に向いていて、その最先端は攻撃魔法にあるんだもの。
普通なら、あれほど魔法を愛している人が攻撃魔法を覚えないはずがない。でも貴方は絶対に覚えようとしなかった。
きっと、それは私のため。
魔法に出会った日、目を輝かせた私を見て、貴方は覚えたい気持ちをずっと押さえて、私の隣で歩幅を合わせてくれたんだと思う。
あの日、私のために攻撃魔法を放ったとき。「ごめん」って笑って、私を安心させてくれたよね。その時は両親のことで心がいっぱいで気づけなかったけど、後から思ったの。
あれは、私のせいで貴方が誓いを破ってしまったことへの謝罪だったんだって。
本当はずっと謝りたかった。私のせいでごめんって。でも、貴方がずっと隠してるから、私も何も言えないままでいた。だから、ごめんの代わりにこれを言わせて。
「おめでとう、シズク。やっと攻撃魔法が使えるね。」
おめでとうって。
「うん!そうだ、ララも一緒にやろうよ。ララもすぐに習得できると思うんだ!」
その笑顔は、今まで見たこともないくらい眩しかった。
やっと…やっと貴方は思う存分、魔法に向き合えるようになったんだね。
「うん、頑張るよ。」
だから私も胸を張って、もう一度、貴方の隣に立つんだ。




