入学阻止 その1 周辺調査
まずすべきことは、ここが何処で周りに何があるかの確認だ。
この際使えるものは全て使うべきだ。
(何とかしなければ、あのピヨピヨに…私は…)
考えただけで体が震え、腕を抱きしめる。まるで猫のようだ。
ミズハはリビングルームを出ると、忍び足でゆっくり玄関に近づいていく。
「抜き足、差し足、忍び足…トトトト」
警戒しきった猫のように踵を上げて移動する。
壁に背中をくっつけて、壁と一体化する。
(みよ、これで私は、壁となったのだ。フフフ)
そんな意味わからないことを言い、扉前までたどり着く。
ドアノブをつかむ前に、部屋の確認をする。
「天井、頭上よし、横よし、扉よし。」
簡単な確認をして、ドアノブをもって押す。
だが、ガチャガチャと音がなって動かない。
(ああ、そっか。鍵かかってんだ。)
ミズハは、すぐ下にあった鍵の部分を捻ってガチャリと音が鳴る。
ようやく開いたと思って外に出る。
(よし、脱走スタート!!)
のはずが
「バシャン!!」
ミズハは外に一歩でた瞬間、頭上から冷たい何かが降ってきたのだ。
驚きながら、言葉を失い、下を向いたままポタポタと、浴びたものを眺める。
ふと手について物をみて、頭を触る。
「青い液体…マジかよ。」
頭をあげて、確認すると、濃い青色の液体を頭にかぶっていた。
今この瞬間にメグの不気味な笑顔が頭にちらつく。
「あんにゃろう」
顔をイラつかせながら、次は頭上の出元を睨みつける。
ドア上には、小さなバケツと紐があった。扉を開けた瞬間に落ちる仕組みになっている。
「実際にみると、更に腹立たしい。」
これを用意していたということは、メグはミズハが家を出ることを読んでいたことになる。
つまり、警告、脱走防止、嫌がらせのどれかになるだろう。
(いや、嫌がらせだろう。)
液体はかかったが、これだけで外に出ない理由にはならない。
本気で出さないつもりなら、物理的に家から出れないはずだ。
だが、そこまではするつもりはないと言うこと。
しかし、外に出ようとしたことだけは、必ずわかる仕組みになる。
「つまり、警告ってことかよ。」
入学阻止するのに、一日で時間が足りるわけがない。早くて数日で策を練らないと阻止できない。
帰ってきたときに、必ず外出の理由も聞かれるだろう。その時メグの返答次第で更に身動きができない可能性もある。
「めんどくさ」
ミズハは、時間を気にして、取り合えず外に走り出す。このままでは、あっという間に夜になってしまう。とりあえず動きにくい、とりあえず走りにくい、とりあえず顔をぬぐう。
三大トラブルである。
さっき来た所は、人が多すぎるため、一旦人気が少ない逆方向に行くことにする。
といっても住宅街になるが、そのまま走り続ける。




