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魔術戦刻  作者: 桜澤 那水咲
天王帝国編
32/34

天王帝国4

メグは意味深に刀を見つめ、少し眺めると鞘に納めた。

刀を腰に差して、それはメグの所有物になった。


「さぁ~、話はここまで。これで文句ないわね。そろそろ山を下りるわよ。」


メグはそのまま進もうとするが、ミズハはそれを焦って呼び止める。


「ちょっと待って、メッセージって言うのはどうゆうことなの?」


「それは私にはわからないわ。以心伝心って言うのかしら、言葉ではなく心の繋がりや思いを込める。いい意味でも、悪い意味でも、その答えを知っているのはその相手だけってことよ。用心しないといけないのは、これが呪いや追跡、爆弾にならないかってことよ。だから今のあなたにはこれは持たせれない。」


もしかしたらメグが刀を回収した理由は、これだったのかもしれない。

会話が終了すると二人は黙々と歩き始める。

獣道ではないが、程よく歩きにくい地面をゆっくり進んでいく。

そのままメグの後ろ姿を追い続けて、しばらくすると街並みが見えてくる。

歩き疲れたのもあって、ミズハは息を吐く。


「ふぅ、やっと見えてきた。」


まだ、山を降りきってはないが、ゴールが近くにあると自然と落ち着く。


「そうね。後もう少しで着くわ。その前に、その目を何とかしないとね。」


その言葉を聞いて効力が切れていたことを思い出す。今から人通りの多い場所を歩くことになる、用心しなければいけない。メグは自分の目をさして合図する。


「とりあえず布で隠す?」


持っていた黒布を取り出すが、ミズハが止める。


「待って、目薬あるから大丈夫。」


「目薬?」


それを見てミズハは思い出す。


(そうか、普通の人間は混血種なんて見ないから、知らないのか。)


持っていたビンを取り出して、1滴ぽたりと落とす。

それを見て、メグは納得した。これで両目がそろう。


「なるほどね。今時便利な物があるのね。これなら安心ね。」


「まぁ、これが次も手に入ればだけどね。」


この薬瓶はミズハが家を出る前に母から新しく渡されたものだ。つもり襲撃を受ける前の物になる。


「確かに、そんな薬どこで入手したのかしらね。」


「わからない。母が渡してくれてた物だから。」


考えてみれば、出元なんて考えたこともなかった。


「なんかいろいろ謎が深いわね。後どれぐらい持ちそうなの?そんな代物普通に売ってあるはずがないものね。」


「1滴入れたらだいたい1日は持つから、この量だと後1ヵ月持つか持たないかぐらいだと思う。」


「そう、一度闇市で探してみるわ。」


(前から思ってたけど、この人って何者なんだ。今のところ悪い人ではなさそうだけど、竜人のカインと仲が良かったり、刀の分析とか、闇市とか。どう見たって表の人じゃないよね。)


なんとも中身がつかめないメグを見てミズハは疑問を膨らませた。



 

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