表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔術戦刻  作者: 桜澤 那水咲
シユリ島襲撃事件
3/34

森の中

緑がだんだん深くなっていき、道を残して周りは、木で覆い尽くされていく。

軽く息を切らしながら、地面に埋まった石の上を歩き、森を登っていく。


そのまま、草をかき分けて目的の場所に辿り着く。

少し高台にある秘密基地は、海が綺麗に見える場所だった。


「はぁ、はぁ、やっと、辿り着いた。」


息を上げながら、膝に手をあてる。

汗を拭い取っていると、大きな葉っぱを垂らした二枚の間から女の子の声がした。


「ああ!!やっときた!!リリずっと待ってたんだよ。」


元気いっぱいに三つ編みをした少女、リリが葉の間から飛び出してくる。

そのままミズハにダイブし、飛びついた。

その勢いを交わしきれず、そのまま倒れ込む。


「それは俺もなんだけどなぁー、リリ。…それにしても遅かったな。」


後から出てきたのは男の子のユウトだった。

怒るかと思えば、ユウトはミズハとリリの姿を見て笑っていた。

やはり二人共ずいぶん先にたどり着いていたようだ。


「ははっ、ごめん、ごめん。寝坊しちゃって…」


ミズハは、軽く笑いながら、指で顔をかいた。


「まぁ、朝が弱いミズハには仕方ないよね。」


「だな。」


二人は納得したように共感しながら頷いた。

確かにミズハは、朝は二人に比べたら弱い方だった。


「それより、今日はなにする。鬼ごっこ?かくれんぼ?」


リリが提案しながら首を傾げた。

すると、ミズハはテンションを上げながら答えた。


「じゃあ、まずは鬼ごっこにしよう!」


「じゃあ〜、鬼はリリがする〜」


リリは勢いよく挙手をすると、ミズハとユウトは距離をとった。リリのターゲットはミズハなのか、ユウトなのかと二人して焦り出す。


「リリー、スタートしていいよぉ。」


「わかった。」


ミズハの一声で鬼ごっこはスタートする。

そのままリリは、全力疾走で向かってくる。さぁ、どうなるのかと考えながら走る。


「待て〜!ミズハー」


「ぎゃぁー!!やめてよリリ!!」


狙われたのは、ミズハだった。緊張感が頂点まで到達し、獣に追われるかのように、必死になる。


(ヤバいヤバい)


追われるミズハにすでに余裕は無かった。

そんな中、ミズハが追いかけられてる間に、ユウトは真反対に走っていく。


「もう、ユウトに逃げられるよ!」


それでもいいの?と問いかけるようにリリを誘導しようとする。


「ユウトは足が速いから、ミズハからでいいの!」


作成は失敗した。

リリはイタズラをする顔でミズハを追い回した。

その度にミズハは悲鳴をあげた。


三十分後、ようやく鬼ごっこは終わり三人で座り込む。

リリとユウトはともかくミズハだけ疲れ切っていた。


「もぉー、なんでいっつもミズハばっかり!今日こそは、ユウトに行くと思ってたのにぃ〜」


「ミズハ遅すぎ〜ハハハ!」


「そりぁー、ミズハの体力が無いからだ。」


「ぷぅー、でも最近は少し早くなったもん。」


二人に笑われる中、ミズハ自身は納得出来ない顔でムッとした。鬼ごっこは好きだが、運動が得意でないミズハはいつも勝てないでいる。

その後もミズハの愚痴は続き、リリが更に煽るを繰り返していた。


それから少し休憩をして、ユウトが立ち上がる。


「で、次はなにする?」


「なら次は、かくれんぼ!これなら勝てる!」


「急に元気になったねぇ〜。」


さっきまでの疲れはどこへいったのか、ミズハはやる気満々に提案する。何故なら、この遊びには自信があったからだ。


「確かに、ミズハは隠れるのは得意だもんな。」


「なら、次はかくれんぼね。」


二人が賛成し、次はかくれんぼに決定した。

今回の鬼はユウトだ。


「なら、始めるぞぉ〜」



そして、午前中は遊び周り、その後も三人で、地面を走り回った。それは、いつもと変わらない楽しい時間だった。

だが、さっきまでの晴れた天気から、急激に黒い雲が流れ、一瞬で天気は崩れていった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ