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魔術戦刻  作者: 桜澤 那水咲
師匠と弟子
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魔術の基礎

あれから、数日経ちミズハの筋肉痛は少しずつ緩和されていった。

やはり、カインとミズハでは元々のスペックが違うため、ミズハの体が追いつかないのは仕方のないことだった。


初めは痛む体を無理矢理動かしていたが、カインがそれに勘付くと、すぐに止められた。

ミズハとしては、従うつもりも無かったがカインの威圧に引いてしまい、この三日間は何もしない日々続いた。


「厳しいのか、厳しくないのか分からない奴だ。」


呆れたようにミズハは呟いた。体の限界が来たことにミズハは苛立ちを覚えていた。


(こんな弱い人間では直ぐに死んでしまう。ましてや、竜人など倒せるはずもない。)


そう頭をよぎったのだ。胸中では焦りを感じていた。


「思事ができるまでには回復したか?」


座っていたミズハの後ろから声が聞こえ、沈んだ顔を上げる。


「なんの用よ。」


声の主が分かっているため、振り向く事なくそのまま苦い声で会話をする。

だがカインは気にする事なく話し始める.


「肉体が回復したなら、訓練の続きを再開するぞ。」


「……やる。」


まだ体は少し痛むが、これ以上休む訳にも行かなかった。いつも通りの黒土の場所でお互いに向かい合わせで立った。

今日もいつも通りの訓練かと思えば、カインは違う言葉を発した。


「ここ数ヶ月、お前と修行をしたが、出会った頃とは違って成長し続けている。それは評価に値することだ。」


カインと出会って数ヶ月、おそらく、三、四ヶ月ぐらいになるだろう。一日は短いと思っていたが、もうそれ程時が立っていたとは考えられなかった。


「体の鍛え方、竜人の倒し方、外の世界について、お前は十分知識を得ただろう。唯一足りないのは実践のみだ。そこで、基礎を卒業したお前には次の段階に行ってもらう。」


「次の段階?」


(どういう事?)


意味深な言葉にミズハは顔を斜めにした。


「お前には今から実践的な魔術を学んでもらう。それが終われば、お前に教える事はもう無い。その時点で訓練は終了し、俺を殺せたら殺せばいい、そのチャンスをもう一度与えてやる。」


その言葉にミズハは驚愕した。

つまり、これが最後の訓練という事になるのであろう。


「あんたってやっぱりイカれてるよね。」


「当たり前だ、竜人とはそう言う生き物だ。」


会話が終了すると、カインは背後から何かを取り出した。それは、カインにしては珍しい物を持っていた。


「それは、本?」


見るからに普通の本では無さそうだ。分厚い厚みに、表面は模様が刻まれ、いかにも時代を感じる代物だ。


「これは魔術の術式が掛けられた本だ。この本を使えば、お前の魔法属性が分かる。それを今からやってもらう。」



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