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初顔出し

 漫画家のゼノと話していると。


「じゅんぺー! 今日、ボクも配信に入れてくれー!」


 と、元気よくやってきたのはルシフェル……もとい、朝倉 美春。

 髪型をショートカットに変えたのか、結構ボーイッシュな見た目になっていた。


「ん? 誰、この人」

「それは僕のセリフだが……。まぁいい。僕はゼノだ。よろしく頼むよ」

「ボクはルシフェル。よろしくね」


 お互い握手を交わす。


「じゅんぺー、ボクも今日配信に出ていーい?」

「いいけど……今日は結構な大人数だな」

「そーなの?」

「僕も参加させてもらうことにしたからね」

「顔出し大丈夫なの?」

「かまわない。君のほうこそ大丈夫か?」

「ボクはテレビで慣れてるし大丈夫大丈夫」

「テレビ……?」


 ゼノはテレビで慣れているという単語に引っかかったようだ。


「あ、これアイドルの朝倉 美春。二回くらい配信に出てもらってるんだけど」

「なるほど。あの有名アイドルの……。その時は僕は原稿に追われていたんだろう。記憶がないね」

「原稿……?」

「あ、こっちはX Planの作者の瀬野 和人」

「あー、知ってる! あの漫画の……へぇー」


 お互いがお互い一応はすごい人なんだよな。


「今日は瀬野先生と狩りにいくの?」

「いや、黄金郷を探す」

「黄金郷!? なにそれ! すっごい面白そう!」

「昨日の配信で言っていたのだが見ていないのか?」

「昨日は収録と被ってたし見れてなかったんだよね。今日も配信するっていうツイートだけ見てさ、今日も配信に出たいなって思ってきたんだけど」

「アイドルは忙しいねぇ」


 さすが有名アイドル。漫画と違って描き溜めもできないからな。いや、漫画も普通は描き溜めなんてしないと思うけど。

 今日の配信はすごい豪華になるな。超売れっ子漫画家と超売れっ子アイドル。二人が配信に出るんだから……。


「今日の午後からだから、まだ少し時間あるし、あの二人もログインしてないからまだできないね。豪華ゲストがでるってことだけツイートしておこ」

「期待を高めるねぇ。その期待に添える豪華さかはボクにあるか微妙だけれどね」

「謙遜も過ぎれば失礼だが……。二回出ているのなら目新しさはたしかに欠けているだろう」

「そう! いつものって感じになったらそれこそ飽きられそうだしなー」

「ルシフェルだけはもう配信参加するって呟いたけど」


 ルシフェルはもう参加することを隠す必要もない。

 豪華なほうはゼノのほうだ。ゼノって私の記憶だと顔出しは初めてのはず。インタビューとかの動画も探したが見つからなかった過去がある。

 

「ゼノ、これ初顔出しでしょ? この場でいいの?」

「構わないよ。僕が望んだ配信だからね。よく初だってわかったと褒めてあげようか」

「そりゃインタビュー動画とかサイトに上がってないし、あったとしても仮面で素顔を隠してるし」

「古参のファンか。たしかにそれで初顔出しと行きつくのも無理はない。テレビ出演も断っているからね。僕の顔を知らない人はたくさんいるだろう」


 ゼノは嬉しそうに笑っている。


「僕もまぁ……こういう顔出しをいずれはしないとと思っていたからね。僕が望んだというのもあるが、この場がちょうどいい」

「ならいいけど」


 ともあれ、あとは配信を待つのみ、だな。










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黒猫は眠らない
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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