いい雰囲気だったのにナー
満足。
この痛み……。生きていることを実感できたよ……。ただ、防御力がそこまでないので本当に死にかけているけどね!
「んふぅ……」
私は双剣を石のゴーレムに突き刺し、石のゴーレムを倒した。
『草』
『快楽を得てから殺すってもうこれ猟奇的殺人鬼だろ』
『草』
『草』
『やってることがナチュラルにサイコパス』
気持ちよかったです。体力が限界じゃ無ければもっと受けたかった……。
罪子、罰目は少しドンびいているような気がする。
「さ、いこうか!」
「えぇ……」
「今の見ていけるわけがありませんわ!」
『そりゃそうだ』
『だから変態に近づくなとあれほど……』
『これが大手の力……? これが大手のやり方か……?』
『※この人が特殊なだけです』
『この人がナチュラルサイコパスなだけです』
ナチュラルサイコパスっていう言い方何気にひどい。
私たちは歩いていると採掘場所についたようだった。宝石のような青い結晶があり、それにツルハシを振り下ろすと鉱石が採取できるという仕組みで、場所によって取れる鉱石が違うようだ。
私は勢いよく振り下ろすと、バルカン鉱石というものが手に入る。
「えーんやーこーらー」
「おふざけ満々ですわね……」
「これが大手の……」
「それ流行らせようとしてるんですの?」
『これが大手の……』
『これが大手の……』
コメント欄がその言葉だけで埋まっていた。
『ちょ、Twitterでトレンドになってて草』
『まじ?』
『じゅんぺーと、これが大手のがトレンド入りしてるwww』
まじですか。
『初見です! チャンネル登録させていただきました!』
『初見です! よろしくお願いします!』
『いつも配信見てます! これからも頑張ってください!』
「お、おお……」
「これが大手の力ですわ……」
と、感涙の涙を流していた。
「こんだけの人数来てくれたのは初めて……」
「じゅんぺーさん、ありがとうございまひた……」
「私は何もしてないけど。あ、ツルハシ壊れた」
ツルハシが壊れてしまった。
採取はもう終わりかな。私は壊れたツルハシを放り投げて捨てる。
『じゅんぺーってルックスだけは芸能人みたいにいいから簡単に騙せるよな』
『神はなぜこの変態に才能と見た目を与えてしまったのか』
私が来ていることによるおかげか、ものすごく見に来ている人が多い。スパチャもバンバン投げられていた。
応援としてとかもろもろの理由で。
「これからもコラボしていただけると嬉しいです!」
「おう」
「少し、配信を休憩いたしましょう。さすがに疲れましたわ……。一時落としますわ」
そういって、配信が切られる。
「……あのぉ、じゅんぺーさん」
「なんだい?」
「な、なぜ本当に私たちのような木っ端とコラボなんか……。あなたほどの有名な配信者であればもっと違う……それこそめっちゃ登録者が多いVTuberとかとコラボできますよね……」
「あー、あー」
「なぜ私たちとコラボしてくれたんですか? 本当に罪子のDMで許可してくれたんですか……?」
「したした。本当に暇だったからだよ。そんな深く考えるなって。利用できるもんは利用しときなよ。VTuberとして売れたいんでしょ? 一番手っ取り早いのは私みたいな有名な人とコラボするのが一番の近道だってことだよ。私はそういう理由だと思ってコラボ受けたんだから」
「……ありがとうございます」
「いえいえー。こういうこと話したかったから配信一度切ったんでしょ? 罪子さん」
「……はい。こうやって配信していると本当になぜ受けてくれたかわかんなくて」
「わかんないことをわかんないままにしておかないのはいいことだね!」
私は二人に向き直る。
「私は別に君たちが有名になる踏み台になっても構わない。むしろリアルで踏み台になっても構わない」
『あの、配信切れてません』
『草』
『いい雰囲気だったのにナー』
と、コメントが流れてきた。
罪子はあっ!?と声を上げる。
『途中までものすごくいいこと言ってたのに』
『最後で台無しだよ!』
『じゅんぺーのマゾヒストは役作りとかキャラじゃなくマジで素なん?』
「おう。素。たまにSMクラブにいくくらいにはマゾです」
『草』
『草』
『wwwwwww』
罪子と罰目は恥ずかしそうにすいませんと平謝り。
「配信してるとたまに切り忘れるよね。視聴者もあえて黙ってたんだろうし?」
『でも二人が裏でもいい子ってのは知れた』
『こういうのって裏で悪口いってる人多いよね』
切り忘れたことによる二人の株が上がっていた。