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禁断症状

 私は指定された時間に指定された場所にやってきた。

 賽河原が私を見つけると手を振ってここだと合図を出してきた。


「初めまして。コラボ依頼、お受けしていただきありがとうございます。私は賽河原 罪子と申します。本日は何卒……」

「そんな堅苦しくなくていーっすよ! 私、大体テキトーなんで! 今日は楽しんでいきましょー!」

「は、はい!」


 ガチガチに緊張している。


「そろそろ配信の時間じゃない?」

「そ、そうですね。では、その、一人を待たせているので……」

「わかった。行こうか」


 私たちはとりあえず噴水広場の方に移動した。

 噴水広場の前には特徴的な顔の子たちが並んでいる。バーチャルの体を元にして作ったのだとすぐにわかった。


「もう! 遅いよ罪子!」

「すいませんですわ〜!」

「まさかのですわ系」


 お嬢様キャラなのお前。

 お嬢様……。ふむ。たしかに女王様にはぴったりの見た目を……なんでもないです。


「改めまして! VTuberグループの〜? 罪と罰、でーす! 私が賽河原 罰目(ばつめ)で!」

「私が罪子ですわ」

「ねぇねぇ、今日はゲストいるってほんとう!? コラボっちゃう!?」

「ええ。お願いしますわ」


 というので、私は二人の後ろに立つ。


「……えっ」

「あら、イメージと違った? すまんすまん」

「ちょっと待って。なんでじゅんぺーさん連れてきてんの? え、超有名な配信者……こんな登録者少ない私たちとコラボする相手ってこんな大手の?」

「快く引き受けてくださったのですわ」

「ちょちょーい! いや、失礼な話だけど、私たちって相手されないような戦闘力だよ!? なんで!?」

「暇だから? とりあえず、私も共同ホストにしてコメント見させてちょーだいな」

「あ、はい!」


 私の視界の片隅にコメントが表示される。


「おわっ!? 急に人増えた!?」

『変態が来たと聞いて』

『変態とコラボしようとするとは勇気あるな』

「おいおい。褒めるなよ」


 変態って褒められすぎだろ。


『罪と罰さんって意外と人脈広いんですね……』

「意外とってなに!?」

『よくあの有名なじゅんぺーさんがコラボしようと……』

『そっくりさんとかじゃね?』

『言っちゃ悪いけど罪と罰さんってマイナーだから大手の配信者が来るわけ』

「私はじゅんぺーだぞ。好きなものは罵られること」

『ホンモノ(迫真)』


 どうやら罪と罰と私がコラボというのは信じられてないようだ。

 私の視聴者もたくさん来てるみたいで、私の視聴者はホンモノと言い続けている。


「今日は何と戦うのかなー? 私、たーのーしーみー!」

「きょ、今日は装備を整えるために素材集めをしようとっ!」

「いいね。労働しますかぁ!」


 私はとりあえず罪と罰に連れられてマッキンローのよこあなという洞窟にやってくる。

 もちろん魔物はいるが、レベル上げがてら片手間に倒していく。


「ああ、攻撃受けたい……。死にたい……。けど、今はコラボ中だから……」

『末期症状現れてんぞー』

『快楽を我慢している変態の図』


 人は快楽を我慢すると禁断症状が出るものです。


「ここんとこ痛みを摂取してないから私はもう限界かもしれない」

「魔物ですわ!」

「なに、魔物だと!?」

『おい、罪と罰! そいつを近づけさせんなああああああ!!!』

『やめろ!』

『おい、馬鹿!』

「な、なんか荒れてる?」


 モンスターは攻撃を仕掛けてきた。

 岩のような手で私たちを殴ろうとしていた。私は二人を突き飛ばし、攻撃を受ける。


「あっ//」

「じゅ、じゅんぺーさん!」

「ぐふっ……。この痛みいい……! もっと……! もっとよこせ!」


 さいっこう……。









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黒猫は眠らない
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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