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マドカとシシオ

 配信を終えて、二人はログアウトしていった。

 私はとりあえずギルド掲示板というものを覗く。チーム掲示板というのはチーム内で情報を共有できる掲示板で、質問だったりこういう敵がいたよ、なんていうことを言い合う場。

 ギルドを作るメリットとしてはこれが一番でかいだろう。情報はゲームでも大事。


「やってるねぇ。結構質問してる人もいるし優しく答える人が多い」


 民度はまだよさそうだ。

 ここにいるメンバー全員が私の配信を見てくれていると思うと少し感慨深いものがある。ちょっとお礼でも考えたほうがいいのだろうか。

 お礼といってもお礼できるようなものはたくさん持ってないんだがな……。


「ギルドに入る利点は今のところこれとギルドストアと呼ばれるものぐらいかな……」


 ギルドストア。

 ギルドメンバーがギルメンに物を売ることができるシステム。いらないものだったりいらない素材、余った素材を売ることができて、ほしい人と売買契約を結べるシステム。

 値段は自由に設定できるので、最低でもこの値段で売りたい!っていうようにできるし、この値段で買いたい!ってのもできる。


 ニャルラトホテプのギルドストアにも素材などがたくさん売られているし、レアドロップもある。というか、全体的に安くない?

 

「おーおー。こういう治安の良さは私好きだねぇ」


 たまにはこうやって巡回しないとな。

 まぁ、多分わかっているんだろう。値段を吊り上げても買ってもらえないと。現実でもそういうものだ。値段決めってそういうのを考えないといけないから難しいよねぇ。


 私がギルド掲示板などを見ていると。


「あ、じゅんぺーさんだ! やっほー!」

「んあ? あ、いつかの……マドカ、だっけ」

「そーだよー! じゅんぺーさんも来てたんだ! この街に!」


 と、機関車から降りてこちらに向かってくるマドカ。その後ろにはなにやら髪をポニーテールにしている長身の女性。

 着流しを着て、いかにも侍という感じの風貌だった。


「マドカ殿。そんなにいでもよいのではありませんか」

「いいじゃん、シシオ」

「シシオ?」

「あ、紹介するね! 私のギルド、モンスターバスターズのサブリーダーにしてメインウエポン! 剣士のシシオ!」

「拙者、名をシシオと申すもの。以後、お見知りおきを」

「あ、私じゅんぺー」


 この人はロールプレイング勢、か。


「じゅんぺー殿。マドカ殿とはどういった知り合いで?」

「ガチャ屋で仲良くなった」

「ほほう、福引屋で……」


 ガチャ=福引なのね。

 マドカはどうやらこの街にクエストで来たようだった。そして、クエストを成功させると新たなエリアが解放されるらしい。

 隣の国……。海を越えた先にある東の国と呼ばれる場所を目指しているようだ。東の国は日本のような文化が栄えているようで、シシオが行きたいらしい。


「それでどういったクエストなの?」

「えーと、まずはこの街にいる船職人のトーマスって人に会うの!」

「トーマス……」

「そこからまたクエスト続くみたい! 地道にやってくよー」

「そうなんだ。暇だから私も手伝おうか?」

「いいの!? 助かる! じゃ、さっそくいこ!」


 と、私の手を引っ張るマドカ。

 シシオは微笑みながらゆっくりと後ろをついてきていた。










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黒猫は眠らない
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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