ディストピアのような
かいっほう!
私は家に帰ってきて即、ログイン。
私はゲームが大好きで、ゲーマーであるので何日間もゲームができないのはやはりきついのだ。ゲームに束縛されるのも一種の被虐行為だといえるだろう。
私はログインして、とりあえずログインできなかった三日間の情報を頭に入れることにする。
どうやら、悪質PKプレイヤーがBANされたということがあったらしい。
運営もPKは見過ごせないようで、快適に私たちにプレイしてほしいのだという。PKを主にする人たちからはものっそい呪詛のような文句がTwitterで呟かれ、炎上もしているようだ。
「悪いことはしないことに限る! だね。とりあえず……新たなエリアも解放されてるみたいだしそっちにいってみるか」
王都より少し先にある街。
技術都市メイカー。情報によれば、技術が発達した街だそうだ。機関車を開発した職人が住む街でもあり、どこの街よりも技術が発達しているのだとか。
そして、近辺には悪の博士が開発したとされる機械仕掛けの魔物が多く住むらしい。機械仕掛けねぇ。アンドロイドとかいるのだろうか。
とりあえず私はメイカーにいってみることにしよう。
私は機関車に乗り込み、メイカーまで向かう。
窓の外の景色は次第に変わっていき、青空だった空が徐々に曇りはじめ、暗い暗雲が立ち込めているようだった。
窓から身を乗り出し街のほうを見ると、煙突から黒い煙がでている。煙突がたくさんあるので環境破壊もいいところだな。
技術の発達と同時に環境は破壊されていくものではあるのだが。それを実際目の当たりにするとなかなかえげつない。
メイカーの駅に着き、私は大地に降り立つ。
床は舗装されており、コンクリートのようなもので地面が覆われている。石造りでもなんでもなく、ただの無骨なコンクリート。
道行くNPCたちはみなマスクをつけている。大気汚染もあるらしい。
「うへぇ……」
ここはまるで物を作るためだけに、技術を発達させるためだけに作られたような感じがする。
環境なんてそんなもの知らず、環境汚染は産業革命の尊い犠牲となったという感じかな。人間ってのはどこまでたってもエゴイスト。
そんなエゴイストがたまらなく好きなんだけれどね。
「からくりアーム? からくりレッグ?」
私は街を歩き、何か売っている店を見つける。
からくりアームと呼ばれるもの。手の形をしており、それを人間に装着すれば腕が増えたかのように操作できるらしい。
結構なお値段がする。が、腕を増やすと効率も段違い!っていう感じに売り出している。
まぁ、こういうのって効率も求めるようになるよね……。
「なかなか面白い場所じゃん。こんなディストピアみたいな街私は大好きだな」
世界が終わっている気がして。




