エピローグ
「どーもどーも! じゅんぺーちゃんです! また、今日も配信していくぜ!」:
私はいつものようにカメラの前に立ち、視聴者にあいさつをする。
今の季節は5月。そろそろあの新作が発売される時期だった。一応、あれからもファンタジーフロンティアは遊んでいたし、配信もしたが、あれのような敵は出なかった。
一応天使のワールドクエストもまだまだ続くようなのだが、新作が始まってしまうので途中で鞍替えしようということ。
まぁ、まだあのゲーム発売して一年ぐらいだし、まだエンディングは迎えないだろうから今後は配信せずに自分一人でエンディング配信までやるとは思うけど。
「今日はゲームじゃなくて、リアル回。今日はね、大事な報告があります」
私はいつものように挨拶はしたが、いつもの格好はしていない。
白いドレスを着て、手にはブーケを持っている。
「もうこの格好で大体察しついてると思うけど、私は瀬野と結婚しますよっと」
「そんな軽くでいいのか?」
「いいんだよ。結婚ってまだスタート地点なんだから」
独身生活の物語は終わり、今度は結婚生活が始まる。
お互い、惚れているからな。プロポーズで断られたらとか考えることもなかった。断られてもちょっと私としてはないがしろに扱われてる感じがして嬉しかったと思うが。
「とまぁ、結婚報告はいいんだよ。こっからが本題」
私は以前サンキチたちに語っていたことを思い出す。
そう、私は言ったのだ。結婚したらか、新作が発売したら、配信活動を少しの間休止すると。なにかやらかしたわけでもないが、無期限で休養させてもらう。
「私は、無期限で活動を休止します。少し結婚生活を謳歌させてねってことで。もちろん、やめるつもりはないし、ゲームだってやるよ? でも、しばらくは配信しないかな」
「僕もそういうこと言えればいいが、漫画家は活動休止は基本的に不可能だ」
「だろうね。週刊連載持ってるからなおさら休めないもんね」
表舞台から少し消えるのは私だけ。
私自身、配信を休んだことはない。配信を通して、視聴者にいろいろと刻み込んできた。私のことを。
だからこそ、重大な報告なのだ。
「私自身、たくさんの人に見られて、たくさんの人に絡まれ……関われたのとてもうれしかったです。炎上騒動とかもあったけど、たくさんの人が見てくれたからこそ、今の私がいます。400万人のひとがみてくれているのに、活動を休止するというのは視聴者を裏切ってしまう行為かもしれませんが、少しの間だけ、私に休みをください。私は配信者としてではなく、一人の人間として、一人の女の子として、一人の変態として幸せをつかみたいんです」
「変態は余計じゃないか?」
「変態も私の個性だしね。否定はしないんだよ」
むしろ変態であることが私の証明だといえるわけで。
「んで、ミツキとウヅキについて。ミツキとウヅキも、しばらく活動を休止するか、二人が独立してやるかの二つだとは思います。ですが、ミツキは退院できたにせよ、今年受験生なので、どちらにせよ今年は動画出演はほとんどさせる予定はありませんでした。それは二人も了承済みです」
二人、受験生なんだよな今年。
二人とも、東京の大学に行くと意気込んで猛勉強しているようだ。さすがにその意気込みを買うしかないだろう。
「ではみなさん、短くなりましたが、また会う日まで! どうせすぐ帰ってきそうなもんだけどね! ばいばい!」
おしまいです。
欲望で始まって欲望で終わりました。読んでいただきありがとうございます。
じゅんぺーちゃんが強すぎてラスボスをどうするか悩んでましたが、こういう風になりました。でもじゅんぺーちゃん強すぎて呆気ないようになりました……。
次回作も多分すぐに投稿するか、投稿されていると思うのでそちらもぜひよろしくお願い申し上げます。
次回作も自分の好きなように描きます。
番外編とかたまに投稿するかもしれません。その時はよろしくお願いします。




