表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
201/229

出世したなぁ

 私はゼノをそのまま寝かせておいて家に帰ってくる。

 そして少しスマホをいじり、ゲームの情報を確認していた。まだ私はファンタジーフロンティアにお熱状態なのでゲームを乗り換えるということはしないが、新発売のゲームはゲーマーとしては一応確認しておくべきだし。


 すると、ファンタジーフロンティアがトレンドに上がっている。


「なんか発表でもあったか? まさかサ終? いやないない。一年もたってないだろ」


 まぁ、クソゲーすぎて一年もたたずにサ終したゲームもあるんだが……。

 私はトレンドの欄にあるファンタジーフロンティアをタップし、ツイート内容を見てみると、どうやら新たなイベントが来るようだ。

 今度の題材は鬼ごっこ。

 特別なフィールドで、絶対に倒せない鬼が出現するようだ。その鬼から時間いっぱいまで逃げきることが条件なのだという。


「鬼ごっこ+かくれんぼみたいなもんかな?」


 イベントの鬼ごっこの鬼役はゲーム実況者に頼むようだ。私には依頼が来てないため違う人なのだろう。

 鬼役と書かれたツイートには、有名な実況者の名前が連なっているが、目にしたのは。


「罪と罰……。すごいな。出世したなぁ」


 罪と罰の名前があった。

 賽河原 罪子、賽河原 罰目の二人の名前が鬼として公式から発表されている。ほかは有名なVTuberの名前だが、個人運営のVでは本当に出世してるなぁ。

 一回、面白半分でコラボしてこんなに出世するとは私も思わなんだ……。


「結構な人数の実況者が鬼になるんだねぇ。全力で逃げなきゃいけないねこれは」


 AIに勝つのは割と簡単な時があるが、人の脳となるといろいろと変わる。しかも、仕様的に倒せないようなので殺して逃げるというのはまず不可能。

 鬼に殺されたら負けとかリアル鬼ごっこかな? まぁ、和平ってそんなよくいる苗字じゃないから全国の和平さんを殺しなさいとかはないと思うが。


 とりあえず、私は罪子に電話をかけてみる。

 すると、すぐにつながった。


「おいーす」

「じゅんぺーさん? なんか御用でも……」

「いや、今度イベントで鬼務めるって見てさ。おめでとって」

「あ、ありがとうございます!」

「初めてそういう運営に呼ばれたんでしょ? 緊張しないで私を殺しに来てね」

「え、あ、はい! 同じサーバーになれば……」

「待ってるよ。私も全力で抗うから……えげつなく殺して、ね?」


 全力で抗ってなお殺される。

 そんなの興奮するシチュだ。想像してみてもちょっと興奮してきてやばい。絶対に勝てない相手に嬲られ蹂躙される。

 許しを乞うても許してもらえず、ただただ蹂躙される。


 そんな私を想像してみて思わず。


「んあっ……。超たまんない……!」


 よだれが出てきた。


「あ、あのー、じゅんぺーさん?」

「ふぁ? あ、ああ、いや、なんでもない……。じゃ、楽しみに待ってるから、ねっ」


 私は電話を切る。

 ああ、私はどんなふうに殺されるんだろうか。剣で刺殺? 切り殺される? それとも馬鹿でかいハンマーで撲殺、毒でじんわり殺す毒殺。

 さまざまな殺し方がある。どれでもいいな……! 痛ければ痛いほどいい。


「興奮して夜も眠れなくなりそうだぜ!」


 あああああああ、考えただけで興奮してきたぁ!










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


黒猫は眠らない
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ