ノワール遺跡探検
ノワール遺跡。
ここはかつて文明が築かれていたが、衰退し、歴史的価値が高くなったが魔物が湧き出るようになってから誰も近寄らないという。
ノワール遺跡の最深部には誰も足を踏み入れたことがなく、最深部に魔物が出るようになった元凶があると言われているらしい。
ノワール遺跡、多分ここはのちのち来ることになりそうだ。奥に行けば行くほど強くなるのなら。
「ヘキガマンは一階から地下三階まで出現するって言ってたな。この遺跡でかそうだし、すげえ宝とか隠されてるんだろうな」
トレジャーハンターになりたいというのもわかる気がする。こういう未開拓の遺跡には宝という名の浪漫がある。
いいねぇ。宝とか見つけたら即座に売ろうか。金になる。ただでさえ金欠だしな。
私は遺跡へと足を踏み入れたのだった。
遺跡内部にはヒカリゴケが生えており、ヒカリゴケのヒカリが遺跡内部を照らしている。
明るさは心許ないが見えないよりはマシ。
「さてさて、さっそくお出ましかな」
私の目の前には人型の石板が動いている姿があった。絵が描かれており、エジプトのピラミッド内部に描かれていそうな絵が石板に描かれていた。
「あれがヘキガマンだね」
私は双剣を構え、石板の背後から突き刺した。
柔らかい。石ではなさそうだ。粘土かこれ。ぐにゃっとした感触。
ヘキガマンにはダメージはあるが、そこまで効いていない。
「魔法の方が仕留めやすいという感じかねー。ま、剣での攻撃も効かないわけじゃなさそうだし、ゴリ押させてもらうかな!」
私は双剣で何度も切り付け倒す。
アイテムをドロップした。アイテムは古びた石板のカケラというもの。
絵の具じゃない、か。絵の具はもしかしてレアドロップだったりするのかな?
「こりゃ何度も戦わないといけないかな」
私は双剣をしまい、遺跡の中を歩く。
歩いていると緑色の宝箱が壁際に設置されていた。私は双剣を構え、宝箱に近寄る。
いつでも戦えるように……。こういう警戒はダンジョン内においては必須。
「さて、吉と出るか凶と出るか……」
私は宝箱に手をかける。
動かない。
私は開けてみる。
中にはコインのようなものが入っていた。鑑定してみると《オタカラ:ノワール文明のコイン》と表示される。
当たり前かな。
こういうのはミミックだったりする可能性があるから警戒してあけないといけない。
絵の具とかドロップしてたらいいけど、まだドロップしてないし痛みはお預けかな……。
「さて、ノワール文明のコインは後で売り払うとして……。ヘキガマンは湧いてるかな」
バサバサと聞こえるのは多分コウモリの魔物だろう。遺跡系には付き物だ。
私は双剣を構えて、戻った先にいたコウモリの魔物を倒す。
「今度はこっちいくかな」
私は違う道を歩いていくと、また分岐する道についた。
右には階段があり、下へ向かう階段だ。左は何もなさそうだが、いくしかないかな?
私はとりあえず左の道を走って向かう。すると、遺跡が崩れており、空が見えるようになっていた。
「さすがに風化してるから崩れたのかな」
と、私はなにやら祭壇のようなものを見つける。
階段があり、火を灯す灯篭みたいなのがあった。私は祭壇を登ってみる。
祭壇の床にはなにか絵が描かれていた。ナスカの地上絵みたいな感じで。
描かれているのは多分、黒猫かな。バステト女神のことを描いてたりしないかな。
まあ、めぼしいのはそれくらいで、何もない。魔物だったり宝箱だったりあるかなって思ってたんだけど……。
くまなく探してみて何もなかったら下に向かうか……。
私はとりあえず瓦礫を退けてみよう。




