表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
187/229

どうあがいても絶望

 クリスマスが終わると一気に年末。

 大晦日。クリスマス以降、初めてのメディア露出だ。というのも、瀬野の告白事件がなぜかテレビのニュースでも大々的に報道され、おめでたいですねぇとかニュースキャスターに言われた。そもそも瀬野和人、じゅんぺーがSNSでトレンド入りするぐらいだったし。


「はい、というわけで大晦日年越しゲーム配信するよー。みんな聞きたいことは山ほどあるだろうけど……一応最初に行っておくと別れてないし現在進行形で付き合ってまーす」

『オメ』

『おめでとうございます!』

『¥50,000 これでうまいものでも』

『¥50,000 今日はおめでたスパチャ荒らししてやるぜ! 幸せになれよ!』

「たんどりーさんクリスマス非リア同好会さんありがとう」


 何て名前だよ。もうクリスマスすぎてますよ。


「ま、今はゲームだよ! 大晦日年越し! どこの街でもカウントダウンしてるっぽいねぇ! まだ年が明けるまで2時間あるし? 刀でも練習しておこうか!」

『めっちゃウキウキしてる』

『嬉しかったんだな……』

『すげー、かっけー彼氏できてうれしいんだな……』

「……今の私そんな浮かれてる?」


 そう聞くとコメント欄が浮かれてるという言葉であふれかえっていた。そこまでか。まだクリスマスの余韻から抜け切れていないようだ。

 私は自分の顔をたたき、配信に集中することにする。

 ああ、でも。


「たまーに、あの瀬野も配信に参加するときあると思う。私の彼氏になったんだから動画出演OKってことにする」

『まぁ、ちょくちょく出てたし……』

『いまさら』


 まぁ、それはそう。


『今日は出ないの?』

「今日? 今日は仕事。年明けるまで原稿を書き溜めておくとか言ってたね。あ、内容は秘密。私は一応彼女権限でストーリーは読ませてもらったけど! ネタばれはクリエイターにとっては死罪だから絶対言わないよん」

『ちぇっ』

『¥12,000 これでなんとか』

「じゃあ少しだけ。主人公がとてもかわいかった」

『ネタばれになってなくて草』


 そりゃネタばれしたら私がゼノに殺されるわい。殺されるぐらい殴られそうだけどそれもそれでまたちょっといいと思ってる自分がいる。

 マゾヒストだから暴力沙汰好むに決まってるじゃん……。彼氏から受ける暴力は……なおさら性癖にぶっ刺さるじゃん……。


「ゼノって性格的にDVしないんだよなぁーーーーー」

『そこで幻滅するな』

『なぜDVされたいんすかね……』

『この人絶対夫はDVするものとか思ってるだろ』


 きついいい方とかはするけど暴力振るわないタチなんだよなぁーーーーー。

 そうなると、私の欲求は溜まっていくばかりなんですけど。ゼノが発散してくれないなら私はそういうお店に行かなくちゃならないんですけど。


「最近、なんかすごく欲求不満なんだよね……。抽選会の時も危うく暴走しちゃうとこだった」

『乗り込まれたとき?』

「うん。なんとか理性が勝利したけど……。あのまま殴られたり切られたりしてもよかったなって……。絶対気持ちよかったよアレ……」


 最近、たまりにたまってるんだよな。


「……年明けと同時に」

『おい何考えてる』

『早まるな』

『誰かこの変態を止めろ!』

『¥5,000 これで止まれ!』

『¥10,000 頼む止まってくれ!』

「なんでみんなそんなひどいこと言うの!? そんなひどいこと言われて傷ついちゃった……。私には生きる価値なんてない……。だからもう死ぬしかないじゃない!」

『どうあがいても絶望で草』

『引き留めても死ぬ、止めなくても死ぬ』

『すべての道はローマに通ず』

『死神と手をつないでデートする女』


 新年あけましておめでと死をするしかない!











新作、描いてみました。

コメディ系の異世界ものになる予定、です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


黒猫は眠らない
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ