鷲掴み
刀という武器も割と慣れてきた。
第二の武器にしてもいいかなというくらいにはとても扱いやすい。軽くて、双剣より射程がある。ただ、双剣と動きも違ってくるのが難点かな。
双剣の場合はものすごく動く。けど、この刀は動くけど、最小限の動きで受け流す感じ。
「これ、しばらく使おうかなー? となると、ものすごくいい刀が欲しい!」
となると、向かうのはまた東の国だ。
東の国は日本モチーフだし、そういう刀を扱う武士たちが多いし、きっといい刀もあるだろう。私はキンシをまずは呼び出したのだった。
キンシがぼふんと目の前に現れると、罪と罰はものすごく驚いていた。
「え、何なんですのこの魔物……」
「古代種キンシ。仲間にした」
「え、ま、また古代種……?」
「でも可愛いですわぁ。フクロウモチーフですわね。羽根なんかもものすごくふわふわで……ぐー」
「罪子!?」
「こいつ、睡眠の状態異常使うから。私はマスターとして平気になったけどほかの奴は効果あるのか。触れるだけで眠るって相当すごいな……」
私はキンシの背にのった。
「私はこれから東の国に向かうけど二人はどうする? ついてくる?」
「こ、ここまできたら行きたいのですけれど……。でも乗ったら眠りますよね?」
「その点に関しては大丈夫。どうする?」
「じゃ、じゃあ行きます!」
ということで、二人も行くようだ。
私はキンシに二人をつかむように指示を出すと、キンシは飛び上がり、足で二人をむんずとつかんだ。
「え、こんな運び方ですかぁ!?」
「そこは眠らないから!」
「ひええええええ!?」
キンシは大きく飛び上がり、そして、東の国めがけて羽ばたいていったのだった。
下では罰目がものすごく悲鳴を上げている。いいな。私もそんな運び方されたいぜ。気持ちよさそうだしな……。
「むにゃむにゃ……。あれ、ここはど……うきゃああああああ!?」
「目覚めた?」
「な、なんなんですのこの状況! なんで足に捕まれて飛んでるんですの!?」
「二人を連れていくのはその方法しかなくて。絶景でしょ?」
「普通に怖いいいいいいい!!!」
「弁護士を呼んでくださいませ……。絶対に訴えますわ……」
二人はものすごく叫んでいた。
なんだよ。つかまれてこうやって強引に連れていかれるシチュはなかなかいいだろうが。爪が食い込んだりしたらもう最高。
物扱いされてるみたいで興奮しない?
「あ、東の国が最早見えてきた」
「早くついてくださいませ~!」
「し、じぬぅ~!」
「いや、キンシは手放したりしませんしこっから落下死はしないと思うけど」
「高所恐怖症なんですよぅ!」
「私はそうじゃありませんがシチュエーション的に嫌ですわ! なんか誘拐されたお姫様みたいな感じがしますわ!」
「あら、そう? ま、あともう少しの辛抱だから我慢してねぇ」
あと東の国まで5分といったところか。