ハンバーガーの作法
料理といってもジャンルがある。
フレンチ、イタリアン、ジャンク、中華、和食などなど……。
今回はどれにしようかと悩んでいると、私の目の前にパン屋が目に入った。パン屋に寄ってみると、結構美味しそうなパンがたくさん。
「そうだなぁ。パンを使うか」
パンを使うといっても結構ある。
シチューを作ってパンにつけて食べるとか、硬いパンを買って器にしてシチューを注ぐ、サンドイッチなどなど。
「お、これバンズに丁度いい大きさじゃん! すいません! これくださいな!」
私はもろもろパンを購入し、今度は八百屋などに寄って行く。必要な食材を買い足し、私は罪子が待つ噴水広場へと向かった。
罪子を見つけ駆け寄っていく。
「お待た〜」
「待っておりませんわ〜! では、料理をしに向かいましょお〜!」
私は罪と罰の拠点に向かっていく。
罪と罰の拠点は始まりの街郊外付近にあるようだ。というのも、一番お金がかからなかったからここらしい。
見た目はボロ小屋で、人が住めるのか?とも思うが拠点にする分には問題ないのかもしれない。
「お邪魔しまーす」
「いらっしゃいませ〜!」
「拠点の提供ありがとね。お礼にオリジナル料理を振舞おうかな」
「やったぁ! じゅんぺーさんの料理美味しそうで好きなんです〜!」
私はキッチンを借りる。
レタスやトマト、パンなどを買ってきてあるので、作る料理はまず決まった。
トマトをつぶし、グチュグチュとした物体にする。そのトマトをフライパンに入れて加熱。塩、砂糖、コンソメ、酒などを加えてトマトソースを作る。
それと並行して魔猪の肉を包丁で叩きミンチにして、ハンバーグのような大きさに捏ねる。
魔鶏の卵の卵黄に少しだけ炒った甘玉ねぎを加えて、スパイスを加える。
ボール投げのようにパンパンと肉だねをキャッチしてはまた投げて空気を抜く。
トマトソースの方がグツグツと言い始めたので火を止め、熱を覚ます。
そして、今度はフライパンにその肉だねを乗っけて強火で焼く。
じんわりやったら中まで火が通るが、少し焦がしたい。
「ふおお……美味しそう……」
「見てるとお腹減ってきますわ〜……」
『何作ろうとしてるんだ? ハンバーグ?』
『煮込みハンバーグか?』
さあ、どうでしょう。
肉に焼き目がつき、私は盛り付けの準備をする。買ってきたパンを二つに切り、レタスを乗せる。マスタードを少しだけ塗りたくり、熱々のパティをのせた。そして、その上からトマトソースをかけてパンを乗せて挟む。そして、ピックを刺して。
「トマトソースのハンバーガー上がり」
「ハンバーガー!」
「た、食べていいんですわよね!?」
「どうぞ?」
「い、いただきます!」
私の分も作ったから一緒に食べる。
ハンバーガーの作法は綺麗に食べることじゃない。手掴みで、豪快にかぶり付くのがハンバーガーの作法。
私は大きな口を開け、かぶりついた。
「ん、トマトソースが上手くいった。肉もジューシーだ。この肉脂すごいからくどいのが嫌ならもう少しトマトソースをサッパリさせた方がいいかな」
「美味しい〜……」
「美味いですわ〜!」
ただ、レタスのシャキシャキ感、甘玉ねぎの甘さ、トマトのちょっとの酸味と甘さが合わさってとても美味しい。マスタードも隠れながらいい味してる気がする。
「料理のいいところは結構強いバフかかるとこなんだけど効果は何出たんだ?」
私はステータスを確認してみる。
じゅんぺー特製バーガーのバフは攻撃力UP、魔力UPらしい。なるほど。
「バフもそろそろ研究してかないとなー」




