表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
166/229

空島へ行くぞ!

 捕らえていたうぃっちに、ムッタローはぷんすかとお怒りのようだった。


「ったく! せっかく生態を観察していたのに……! それを殺すだなんて! 言語道断ですよ!」

「悪かったって! でも、あれ弱かったよ?」

「強いか弱いかじゃありません! 生物というのは命を必死に抱えて生きているのです! その生命自体が尊いのですよ!」

「うーん。そうかなぁ?」


 ムッタロー。多分何を言っても無駄だと思う。

 これの脳内は多分戦うことしかない。話していてわかったが、結構な戦闘中毒者バトルジャンキーだ。私も戦うのは好きだが、ここまで戦闘一辺倒ではない。

 多分逃げるという選択肢もないぐらいの中毒者ジャンキーだ。

 私もないっちゃないけど。別の意味で。


「この世は弱肉強食でしょ? 強いやつほど尊い!」

「生命に強弱はあれど生命を持つものは尊いのですよ!」

「この変態たちの会話になんで私も参加しているんだろう」


 強いか弱いかだなんてどうでもいいんだよ。

 痛いか痛くないかによるだろうに。そもそも尊いのは攻撃性の高いやつ、だ。残虐性があるともっといいかな?

 痛めつけられて、矜持も粉みじんにされて、踏みにじられるのが一番クるぞ。あれはいい。罵倒されるのはいいが、そういう尊くないやつはありきたりな罵倒しかしてこないからなー。


「まぁ、その会話は今はどうでもいいよ! それよりさ! あなたたち二人! 空島に興味はない?」

「空島?」

「誰かが解放したみたいなんだよ! 魔物がいるかもしれないから戦いに行きたくてさ! 情報とか少し調べてたけど、空島って架空っていわれててお伽話みたいな感じなんだよね! 見たこともない情報もない魔物と戦いたくてさぁ! 今空島に行かせてくれるパルツェっていうNPCのところにいくつもりだったんだよー!」

「情報もない魔物? 獣とかもいるのでしょうね? 私はアンデッドは観察対象外なのですが」

「いると思う! 多分!」

「ならばいきます。最初はみんなで動物を観察しましょうね」


 え、何この行く流れ。

 私もこの変態たちと一緒にいくの? 空島に観光とかじゃなくて、ただただバトルしたいから向かうの? それはそれでおかしくない?


 いや、まぁたしかにぎりぎりまで近づいたことあるし、目視で確認できたけど魔物の姿は。


「そうと決まればいこう! だからほどいて!」

「……私何も言ってないのに行く前提?」

「強制! あなたは強制だもんに!」

「……わかった」


 有無を言わしてくれないの強引で良き。これでバトルジャンキーではなく、サディスティックだったらいいのに。

 やっぱり一番私を満足させてくれたのは酔っぱらった美春ちゃんだけだネ。ものすごく満足したよ美春ちゃんのドSは……。


「その、もうちょっと強めに……。できれば馬鹿とか愚図とか鈍間とか罵って……命令してほしいです……」

「え? じゃ、じゃあ馬鹿な愚図! 行くぞおおおおお!」

「仰せのままに……」


 ああ、罵られるのって素敵!












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


黒猫は眠らない
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ