空へ旅立とう!
魔素リンをパルツェのところにもっていく。
パルツェはレンチを手にして、飛行機の機体を作っていた。魔素リンを持ってきたと声を上げると、やっとだああああ!といううるさい声が聞こえる。
「機体も今完成したし! あとはソレをエンジンに注ぐだけ! 私の設計にミスがなければ……これで飛べるはずだよおおおおおおお!」
「そりゃよかった。じゃ、魔素リンいれるよ」
「ここが燃料注ぎ口ね! 溢れないように気を付けて!」
私は持ってきた魔素リンを注ぎ入れる。
満タンに入れて、パルツェとともに、飛んでみることになった。飛行機は5人まで乗れるように設計したらしく、今回は私がパルツェの後ろに座って飛ぶことになった。
席に座ると、ベルトを締めるように言われた。天蓋なんてないので、落下防止用だろう。落ちてもいいんだよ私は?
ま、素直に従っておこう。
「じゃ! 飛ぶよ! 私の夢を乗せた飛行機……。発進だぁ!」
パルツェは飛行機を走らせ始めた。
飛ぶためにはまず滑走が必要であり、徐々に浮いてくる仕組みなのだとか。ここは現実世界と同じだな。
ヘリコプターのような羽はついてないから滑走がどうしても必要になってくる。
この滑走は思い切り私たちにGがかかる。
「浮き始めた! 順調順調!」
機体が浮き始め、そしてついには。
「そ、空だぁああああああ! 空についたよおおおおおお! 安定して飛行してる! エンジンの調子も悪くないよおおおおお! やったぁあああああああ! 成功だぁああああああ!」
と、上空で、パルツェがものすごく喜んでいた。
この鉄の機体は上空でバランスを崩すこともなく飛んでいた。雲を突き抜け、太陽に照らされながらパルツェは操縦桿から手を離し、私と手を取り合う。
よかった。
「って、あれなんだ?」
「ふぇ?」
雲の上を飛行すること数分。
目の前に見えたのはなんと浮かぶ大地。山の上にあるとかそういうのじゃなく、本当に浮かんでいる。
思わず私たちは見とれてしまった。少しだけ近寄ってもらうと魔物もいるようで、その空に浮かぶ大地を闊歩している。
「空に島がある……?」
「不思議だねぇ! でも危ないから今は行かないよ! ここで壊されちゃったら私たち帰れなくなっちゃうしメンテナンス道具だけはもっていきたいの!」
「そうだね。わかった」
パルツェは旋回し、再びパルツェの整備場に戻ることになった。
大地に再び降り立ち、パルツェは感動のあまりうれしくて泣いているようだった。
「ありがどぉおおおおお! じゅんぺーちゃんのおかげで私の夢が叶ったよぉおおおおおお! じゅんぺーちゃんならたくさん乗せてあげるがらねぇえええええ!」
「私以外は?」
「お金はとるけど乗せるよおおおおおお! じゅんぺーちゃんは無料でいいよおおおおお!」
「ありがとう」
《ワールドクエスト:人類の夢 をクリアしました》
《空島が解放されました》
《天界にもいけるようになりました》




