女子高生三人
いろいろあって、やっとログインすることができた。
私の誘拐事件はネットニュースにもなり、武勇伝の一つにもなった。
「押忍! このコガラシ! 恩人であるじゅんぺーさんのためにも頑張るっす!」
「カラシちゃん参上っすー! いやぁ、じゅんぺーさんは有名人ですねぇ」
「ちょっと……。じゅんぺーさんの都合も考えずに押しかけて……」
と、ログインしたら誘拐の時に助けた女子高生がいた。
イベントの時に一緒だったコガラシ、カラシ、ワサビの三人。そして、今日はミツキ、ウヅキも一緒にいる。
ミツキとウヅキの結果も聞きたかったから呼んだのだが。
「えっと、誰です?」
「知らない女の子がたくさんだべ……」
「私はカラシっす! じゅんぺーさんにはお世話になりました!」
「ワサビ。よろしく頼むわ」
「押忍! 自分はコガラシというっす! よろしくおねがいしゃーす!」
三人の雰囲気にミツキが気圧されている。
「見たところ、私たちと同年代っぽいっすねぇー。何年っすか?」
「えっと……私たちが高校三年生で……」
「カラシちゃんは高二でっす!」
「自分は高一っす! 一番年下っす!」
ワサビが高三、カラシが高二、コガラシが高一ね……。
「お二人の名前もお伺いしてよろしいっすか! 今日はじゅんぺーさんのもとでいろいろ学びに来たんで! 先輩方の名前も知りたいっす!」
「そうそう! 仲良くなるためにもねぇー」
「え、えっと……。私はウヅキで……こっちがミツキ」
「ウヅキちゃんとミツキちゃんね。うん。覚えた」
コミュ能力すげえー。
ウヅキはぐいぐいと距離を詰めてくるカラシにも笑顔で対応している。が、ミツキはやっぱり人見知りもするほうなのか、少しもじもじしている。
まぁ……知らない人がいきなりこのテンションは怖いよな。
「それで! じゅんぺーさんは高校何年生なのでありますか!」
「私は普通に成人だけど」
「なんと! おいくつで!」
「24」
「うそ、みえなー……。若すぎっしょ! 超美人!」
「でもマゾヒストなのよね……」
ワサビちゃんだけは私のことを知っているようだ。
マゾヒストというのがワサビちゃんの中では気に食わないらしい。
「それでじゅんぺーさん……。呼び出した理由はなんですか?」
「きっとイベントの結果を知りたいんだべ……?」
「そう。どうだった?」
「ふっふっふ。聞いて驚いてくださいね。なんとですね! 一位です! ミツキが慎重にいったおかげで楽々一位でした!」
「ウヅキがきちんとポイントを考えて使ったからだべ……」
「おおー、おめでとう!」
そこまでいい結果行くとは正直思っていなかったよ。
私はトップ3にも入ってないしちょっとダサい……。まぁ、それはそれでいいんだけどね。私たちよりも下なんですかって見下されるのも悪くない……。
「あー! じゅんぺー! おーい!」
と、手を振っているのはゴーグルをつけた女の子。
ああ、忘れていた。NPCのパルツェだ。
「NPCっすね? なんかクエストでも受けてるんすか?」
「あー、受けてる」
私はみんなにそう説明してパルツェ二近寄る。
「そろそろ魔素リン採りに行こうよ! っていっても、私は妖鋼石を加工するからいけないんだけどさ! 途中まで送るよ!」
「わかった。んじゃ、いくか」
私は目的地であるグラビエナ砂漠国を目指すことにした。
設定ミスってたので直しました