結果発表!
かけっこの勝者は。
「僕の勝ち……だ。クソ、素早さのステータスも必要だな。違う役職についてもいいかもしれないな……。クソ」
「あぁ~負けた。悔しいぜ」
オヤカタは笑いながら悔しいといっていた。
そして、ゴールした直後、私たちの目の前にモニターが現れる。気が付くと終了時間になっていた。ゴールしたのは本当にぎりぎりだったようで、なんとかゴール出来たという感じだな……。
そして、モニターの中に映された映像には開幕の時にも映っていた男が現れた。
『皆さん! イベント終了ー! ゴール出来た方も、出来なかった方も! これにておしまい! 結果発表の時間です! なお、この結果発表はサーバーごとで行われ、優勝者はサーバー一つにつきひとペア! このサーバーの勝者を……。いや、まずはレースの勝利者! 見事一着で到着したペアを発表だ!』
ドラムロールが鳴らされる。
いいから早く話してくれ。私たちじゃないことは分かってるんだから。
『マテンロー、エッフェルトイペア! おめでとぉー! 一着でついたボーナスとしてポイントが贈呈! 二着、三着のペアにもそれぞれ贈呈だー!』
マテンローと、エッフェルトイペア……。
マテンローはそういえば載っていたな。プレイヤーランキングに。9位だった。
『それでは? お待ちかね! イベント勝利者を発表する……の前に! 今回、印象に残った出来事をハイライトとして少しだけ! 本格的なハイライトは後日公式のYeyTubeにて配信されるのでお楽しみに! まずは印象的だったのは……じゅんぺー、ゼノペア、あーんど、メルル、オヤカタペア!』
「私たち!?」
『なんとあの巨人を討伐しちまったー! しかもー? この裏切りと妨害が絶えないレースで、お互い裏切ることもなく! 最後はかけっこでゴールしたじゃありませんか! ものすごく人として素晴らしい!』
「いやぁ、照れるなぁ」
「そんなこと言っていいのかよ……。もうちょっと炎上を気を付けてだな……」
そんな感じで、印象に残ったペアの話をしていく。
『ごほん。まぁ、これだけにしておきましょう。時間をかけすぎても私が上から怒られるだけなのでね! ではでは! 気を取り直して……今回、総ポイント数が最も多かったペアは……ワサビあーんどカラシペアだー! 5万2100ポイントー!』
「おっほあ!? マジっすか!? やったっすね先輩!」
「そうね……。あなたの言うことを聞いて正解だったわ」
と、隣で喜んでいるペアがいる。
こいつらがワサビとカラシか。たしかにワサビっぽい緑色の髪色をした女の子と黄色い髪をした女の子だ。名前通り。
「おめでとう」
私は祝福の言葉を投げかける。
「いやー! ありがとっす! ポイント集めて節約してきたのが勝利の秘訣っすね!」
「おかげでぎりぎりだったけれど。えと……あなたは……」
「じゅんぺー」
「じゅんぺーさん。ありがとうございます。おめでとうと言ってもらえてうれしいです」
「あっはっは。ま、このサーバーは何かと治安悪いやつらばっかだから苦労したでしょ」
「はい……」
ものすごく苦労したと顔に出ている。
『第2位はー? 4万3000ポイント獲得! ハルカゼとコガラシペア! またまた女の子ペア!? 女の子強いねー!』
「押忍! 一位じゃなかったのは悔しいですが! 健闘できました!」
「皆さん! ありがとうございましたー! イベント楽しかったでーす!」
また隣にいる女の子ペアだった。
なに、上位勢はぎりぎりに来るの?
そして、第3位も発表されたが、今度は遠いところで男性ペアだったようだ。3位以下はリストで表示してくれるらしい。
私たちは2万1450ポイントで7位。まぁ、巨人討伐しただけだからな。
参加賞だけをもらい、イベントを終えた。
「あー、疲れた!」
ヘッドギアを外し、私はベッドに寝そべったのだった。




