走ってばっかり!
第三の街、第四の街と突っ切り、進んでいく。
第四の街を過ぎたあたりから、少し周りの環境に変化が訪れていた。というのも、第四の街があるのは火山地帯なようで、溶岩が山から流れている。
「火山……。火山を突っ切っていけというのか」
「気を付けたほうがいい。地面がもろい場所がありそうだ」
「まぁ、この溶岩だからな……。地面が溶けて穴になっている場所もあるだろう。走る場所を見極めて走ったほうがいい。いやだったら俺が代わってやる。それでミスっても俺の責任だ」
「いや、ここは私が運転するよ。そういうスリル、大好き♡」
マゾヒストの私にスリルを与えてくれるなんてわかってるじゃない。
私はハンドルを握りしめる。そして、ゆっくりとアクセルを吹かす。が、少々問題が発生。というのも……。
「やべ、燃料切れそう」
「補給してなかったな……」
「ガガーン! え、じゃあもしかして……」
「またバギー乗り捨てじゃい! それか押していく」
いやぁ、またですね。また乗り物乗り捨て系ですわ。
全員がため息をつく。
「これは完全に私のミス! すまん!」
私はバギーから降りる。
すると、地面に穴が開いた。私はその穴の中に落ちていったのだった。
「地形ダメージはないにせよ私はどこまで落ちるんだ」
炎龍の効果で地形ダメージはない。が、落下ダメージはもちろんある。
私が踏んだ穴はとても深く、私はそのまま落下していくと溶岩の中に落ちたのだった。私は溶岩に浮かび顔を出す。
炎龍の効果で溶岩、効かないんだな……。なんというか、普通の水の中にいるような感覚。だがしかし、ゆっくり流されていた。
地底を流れるマグマに身をゆだねる。
すると、その時だった。私はどこか広い空間に出た。マグマだまりのようだ。そのマグマだまりの真ん中に流されると、大地が揺れる。そして、そのマグマは思いっきりせりあがっていく。
あ、もしかしてこの現象って。
「噴火だ! やっべえ!」
私はマグマとともに宙に打ち出される。
溶岩が火口から流れ出し、土石流が発生。勢いよく土ぼこりを上げて、土砂が火山から滑り落ちていく。
私はそのままオヤカタのバギーまで吹っ飛んでいった。
「あー、死ぬかと……」
「よく無事で……。じゃないよ!?」
「今はそれどころじゃねえ! このままだと俺らアレに巻き込まれるぜ!?」
「急いでバギーを出さなくちゃな!」
私はバギーのアクセルを吹かした。
が、燃料切れだったのを忘れていた。
「走って逃げるぞ! それしかねえ!」
「なんか私たちめっちゃ走ってばっかだね」
「大体じゅんぺーのせいだろう!」
「アハハ! たのしー!」
最近運動不足気味なんだよ。だから走るんだよ。
いや、まぁ、ゲーム内で運動しても意味ないけど。




