第二回イベント開催情報
くそ……昨日は満足に殴られなかった。
私は翌日に再びログインして、今度は魔物を探していると運営からメッセージが届いたのだった。内容はというと、第二回イベントの開催情報。
今度のイベントは参加者募集型であり、10月23日の日曜日に行われる。
イベントの内容はというと、レースだ。
運営が用意した世界を一周するというレース。二人一組で参加し、一人はエンジニア役、一人はクルー役というレース。
ペアで申し込んでくださいとのこと。参加賞もでるらしく、参加賞は互換装備のスチームパンクゴーグルというもの。
「エンジニア、クルー……。なるほど。そういう設定か」
バイクか飛行機か……そういうもので一周を目指せということだろうか。
少なくとも、馬である必要はないわけだ。馬でもよさそうだが。
だがしかし、二人一組か。
「ミツキとウヅキどちらかがはぶれるな」
すると、その二人からメッセージが届く。
内容はイベントの内容は見たかということと、悪いけどイベント参加は二人でしたいということを告げられた。
ま、そらそうか。二人はコンビだもんな。
となると、私はペアを探す必要があるが……。
「ゼノに声をかけてみよう」
ゼノにメッセージを飛ばす。
ゼノはログインしているようで、私がいる東の国にまだ滞在しているようなので手っ取り早く話を進めるために来てくれた。
「イベントね。内容は見たよ。面白そうだ。いいネタにもなりそうだし、参加してやろう」
「おっけ。じゃ、申し込もうか。動画出演はOK?」
「まぁ、いいだろう。それでどちらがエンジニア役にするんだ? 僕はどちらでもいいが……」
「じゃ、私はクルーで」
「了解だ」
「じゃ、それで申しこも……」
「ちょっとだけ待ってくれないか」
と、ゼノが引き留めてくる。
「単純な疑問が一つだけある。それを聞かせてくれないか」
「疑問?」
「なぜ僕なんだ? 同性であるルシフェル……朝倉 美春やサンキチさん、ヒステリアなどいるだろう。なぜ僕なんだ? 声をかけられて断られたのか?」
「いや、最初にゼノを誘ってみるかって考えたんだけど……」
「じゃあ猶更理解が不能だ。なぜ僕なのか?」
「さぁ……。最初に思い浮かんだのが君だったから……」
なぜそんなことを聞く。
私は考えるままに動いてるから最初に浮かんだ人に声をかけただけなんだが……。
「……君は」
ゼノは何か言いかけていたが、言い淀んでいた。
「いや……僕から言うことではないか」
「何が言いたいんだよ。言いたいことがあるならはっきりと……」
「なんでもない。いいだろう。申し込もうか」
と、申し込みをし始めた。
なんか煮え切らない態度だな……。一体何なんだよ。私がなんだ。
たしかに異性と組むのはあまりよろしくないかもしれないが、信頼してるんだぞお前を。友達としてしっかりと信頼している証なのになぜそれを疑うのか。
ったく、ちょっとムカッとするぜ……。
変態が……