妖鋼石を取りに来た
ナナサキにつき、私は以前猫又に案内された妖界に向かってみる。
私は妖界に通ずる穴にたどり着くと、パルツェは。
「え!? 何この穴! すごい! なんか空間に穴が開いてるー!」
「やっぱそういう反応するか……」
「これに入るの!? 面白そー! とう!」
と、人の話を聞かずに飛び込んでいった。
私も穴をくぐる。そして、私は妖界にたどり着いたのだが。
「わわ! すごーい! どこここ!」
「……妖怪になってないな」
ここに入るのは妖怪だけであり入ったら強制的に妖怪になるものだと思っていたが。
現に私はキツネの尻尾が九本とキツネ耳が生えているわけだし。もしかするとNPCはこの土地の影響を受けないとかそういうのがあるのだろうか……。
パルツェはものすごくはしゃいでいた。
「パルツェ、もともとの目的を……」
「珍しい客人よのぉ、じゅんぺー」
「この声……」
「久しぶりじゃな。妾じゃ」
妲己が後ろに立っていた。隣には猫又と金花猫を連れて。
「人間!? 妖怪になってないにゃ!」
「珍しいこともあるものよのぉ。きっと生まれ持った妖力が高いのじゃろう。妖力が高い人間は妖怪にならないと聞く」
「あー、だからか」
「あ、キツネ耳の女の子だ! かわいー!」
「パルツェ、妲己なら何か知ってるかもしれない」
「妖鋼石のこと!? ねえねえ、妲己さん! 妖鋼石っていうの知らない!? 私たちそれを求めてここに来たんだ!」
「よく知っておるのぅ。妖鋼石はこの妖界の特産品じゃ。ほしいのなら……採掘場に足を運ぶとよかろう。採掘場はあの橋を渡って左に向かった後トロッコのレールが見えるはずじゃ。そのレールをたどっていけばたどり着く」
「そうなの!? ありがとう! 向かってみるね!」
と、テンションがものすごく上がっているのか、パルツェは走って向かおうとしていた。私はパルツェの腕をつかみ引き留める。
何か言いたげな妲己。
「なんか言いたげだな」
「まぁ、気を付けることじゃ。妾が妖界と魔界を分断したと言ったであろう? 妖鋼石が採れる場所はその分断地点じゃ。妾があの山を分断するときに作った。だからなのか……たまに魔界の悪しき妖怪が迷い込むことがある。決してあの鉱山を抜けるな。その先は魔界じゃからな。そして……悪しき妖怪は狡猾。味方のふりしてやってくることもあるかもしれぬ。金花猫を連れていくとよい。もともとこやつもあっち側の住人じゃしすぐに悪しき妖怪はわかるじゃろ」
「おまかせくださいにゃ!」
「むぅー。金花猫だけ妲己様に使われてずるいにゃ……」
「しょうがなかろう。そなたは戦えん。やれることが違う。金花猫には金花猫の、猫又には猫又のやれることがあるものじゃ。金花猫、頼んだぞ」
「りょーかいにゃ! さ、いくよ!」
金花猫は元気よく先導し始めた。
これは何かと戦うフラグなんだろうなぁと思いながら先へ進むことにした。




