ダークパイソン
地図によればここらへんでそろそろマップが切り替わってもいいころなのだと思っていると、なにやら目の前には通行止めのような感じで、立ち入り禁止という看板があった。
隣には見守る門番のような人が立っており、私は話を聞いてみる。
「この先いけないんですか?」
「ああ……。強い魔物がいて防いでるんだ。レベル10でもあれば戦えると思うのだが……」
「レベル10、ね」
私の今現在のレベルは5。
あと5をどこかしらであげなくてはいけないようだが。
「ねぇ、私戦ってみてもいい?」
「馬鹿いえ! レベル10以上の者ではないとここは通せん!」
「やっぱり?」
やっぱレベル制限か。
仕方ない。挑むのはあきらめてレベルをおとなしく上げよう。私はクナイを握りしめ、魔物を狩り始める。
さすがに先に進めないのは私としても困るしな。レベルをいち早くためて、ボス倒す配信を明日でもしようか。
「あれは……?」
雑魚を相手していると、なにやらこちらに走って向かってくる影があった。
角を生やした牛のような魔物で、ほかの魔物と比べてレベルが高い。あれがここら辺を治めてるボスみたいなやつなのだろうか。
レベルは7か。相手するにはちょうどいいかな。
「ブモォオオオオオ!」
「突進するだけの能しかねえんなら私には勝てないぜ!」
私は突進をかわし、双剣で切りつける。
牛はくるっと周り、また私めがけて突進してきたのだった。私はジャンプで牛を飛び越えつつ、体にひねりを加えて回転し切りつける。
パワーこそそこまでないが、こういった身軽さが双剣の売りだ。
「ぶ、ブモオオオオ……」
「鈍重なお前さんの動きじゃ私にゃ勝てないよ」
私は立ち止まった牛の目ん玉に双剣をぶっ刺した。牛は痛がるそぶりを見せ、突き刺さった双剣ごと私を持ち上げ、突進を始める。
私は体をひねり牛の上に乗り、双剣を引っこ抜いた。目の前に迫ってくる木。私は牛から飛び降り、受け身をとって着地する。
牛は木に突進して、木がへし折れる。
倒れてくる木の下敷きとなり、そのまま牛は死んでしまったのだった。
あの牛の名前はダークパイソンというらしく、ダークパイソンの毛皮など、素材が落ちる。
「さて、まだまだ 10には程遠いか」
私はまだ敵を狩ろうとしていると、周りに突然敵がたくさん湧いてきた。
ダークパイソンだったり、見知らぬ魔物だったりたくさん。私は双剣を握りしめ、周りの魔物たちを見据える。
ここまで囲まれることはあるだろうか。死ぬかもしれない。だがそれも本望。
この世は弱肉強食よ。強ければ生き、弱ければ気持ちよく死ぬ。私はどちらでも構わんっ!
「ま、経験値の糧となってくれたほうが私的にはうれしいぞお前ら!」
私は一人で攻撃を仕掛けたのだった。




