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短編

動画広告

作者: 秋丘光

二人「はい、どうも~」


ボケ「最近さ、ようやく家族ってものに憧れをもてるようになったんだよね」


ツッコミ「ん?どうゆうこと?」


ボケ「今までは道ですれ違うキラキラした学生が羨ましいって思ってたのね。でもようやく子供連れの家族とかに憧れをもてるようになったってこと」


ツッコミ「あ~、なるほどね」


ボケ「ってことで、家族、恋人を作りたいのね。君にはそれに協力して欲しい」


ツッコミ「いいけど、協力ってなにするの?」


ボケ「一緒にプロモーションを考えてほしいの」


ツッコミ「プロモーションって大袈裟な。自己紹介の練習ってことね」


ボケ「いや、プロモーションだよ。だって動画広告に使うんだから」


ツッコミ「動画広告!?え、合コンとか街コンとかじゃなくて全国の不特定多数にアピールするつもりなの?止めときな」


ボケ「今の時代個人でも動画配信サービスの広告掲載できるからいいなって。そうやって反射で反対する前に、内容を考えてきたから、とりあえず聞いてよ」


ボケ「ブンブン、ハロー」


ツッコミ「ちょっと、待って。出だしからダメでしょ、それ。パクリじゃん。それに商品紹介じゃないら。自分を売り込むってことでしょ。もうちょと真剣さ出さないと」


ボケ「なるほど、真剣さ。よし…。皆さん、こんにちは。恋人が欲しい…、結婚したい…。おめでとうございます!!今日はそんなあなたに朗報です!なんと今なら私のここ、空いてますよ」


ツッコミ「いやいや、恋人が欲しくて結婚したいの君でしょ。なんで君のパートナー候補が朗報扱いなの」


ボケ「分かった、分かった。なら…。私の名前はタロウ・ヤマダ。ひょんなことから異世界で漫才をしている。だが王道のハーレム展開はいまだにない…。ぴえん。」


ツッコミ「キャラ付けが濃いな。それになに。どこか別の世界からきた設定になってる?」


ボケ「うん。やっぱり最近のトレンドは異世界転生×無敵・無双ってところあるじゃん」


ツッコミ「確かに、そこは否定できないわ。あと言ってたハーレム要素とか」


ボケ「でしょ」


ツッコミ「百歩譲って、そのキャラ付けは良しとしよう。でも何でタロウ・ヤマダって偽名使ってるの?そこは改変しちゃダメでしょ」


ボケ「え?だってネットだよ。本名とか危ないじゃん。ネットリテラシーって言葉知ってる?」


ツッコミ「もちろん知ってる。でもその反応を君から返されるのがすごく納得いかない。というか広告では顔出しするんでしょ」 


ボケ「え?しないよ。するわけないでしょ。イラスト。アバター。」


ツッコミ「…。本気で恋人とか欲しいって思ってる?」


ボケ「思ってるよ!字幕で『syousetu@naritai.co.tv (0570-×××-○○○) 』ってちゃんと連絡先は表示するつもりだし」


ツッコミ「おい、ネットリテラシーはどこで迷子になった。それに0570って法人じゃん、怪しすぎるでしょ」


ボケ「そっか、しまった…。『syousetu☆naritai.co.tv ※☆は@に変えてください』とフリーダイヤルの0120にしろってことね」


ツッコミ「違う違う。全く全てが違う。それに@代わりに☆使うのも古い。とにかく連絡先とかの個人情報も出せないよねってこと」


ボケ「なにそれ!?じゃ動画広告なんて出せないじゃん」


ツッコミ「だから最初から止めとけって言ってるじゃん」


ボケ「くそぅ…。せっかく動画広告さえ出せればモテモテのウハウハの内容に仕上がったのに」


ツッコミ「いや5秒スキップ確実のウザい広告に仲間入りの予感しかなかったけど…」

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