恋慕の情
朝日の差し込む部屋の中
あぁいつ帰ると待ち焦がれ
欠伸をしては伸びをする
夜の月ごと消え失せて
光るものさえ灯せずに
せっかく綺麗な色なのに
琥珀の中の記憶だけ
残酷な程手付かずで
触れれば壊れたその肩に
顔を埋めて流すには
まだ早いかと雨の時
許す心持たすまい
突きつけられた不条理に
示されたのは空っぽで
もう一回だけ願いしは
常の世だけに逆らおう
理不尽なほどなこの体
何も感じることはない
感じていたら壊れてた
あなたの記憶が恋しくて
常待ち焦がれる朝の日が
俺を見て見ぬ
嘲笑う
まぶたの裏でのあなただけ
俺のものであったなら
こんなに苦しくないはずで…
さくら咲く日の朝の灯に
こうごうと照らす
その顔に
何度抱いた恋慕だけ
そっと隠したままにして
おかえりとだけ言うだろう
「もう一度」