第4話 『プロローグ③』
「それで?明日の撮影はいつからなの?」
「8:00に黄蘭特別スタジオ入りだ」
「了解。えっと、なんだっけ?トーク番組だっけ?」
「そうだな。戦争を語る番組だ」
「成程。久しぶりにそういう番組だね」
「そうだな。···というか、美保と未唯は何故礼にくっついておる!?」
現在礼の両腕には美保と未唯が抱きついていた。
そんな二人をカンナは羨ましそうに睨む。
「別にいいじゃろ。カンナは礼に裸で抱きついてたしの」
「そーだよ!かんなだけずるい!」
「狡くない!恋は早い者勝ちだ。先に抱きついた方が勝ちなのだ!」
「なんだよそれ···」
「兎も角。二人が抱きついてるなら私も邪魔するぞ!」
カンナは礼の太股の上に座った。
女の子と言えど何十キロもあるものが上に乗ってくるのだ。
礼の表情が少し歪む。
「重いぃ。暑いぃ···」
「ほらカンナ!礼が困ってるのじゃ!そこを降りるのじゃ!」
「美保こそ退け。暑いと嘆いているだろ」
「うー。れいはみぃのー!」
端から見れば四人の女の子がじゃれ合ってるようにしか見えない。
仲がいいんだか悪いんだか。
「おやおや?まーたイチャイチャしてるんですかァ」
四人がじゃれあっていると、一人の女性が部屋に姿を現す。
「あれ?ミドリ帰ってたのか」
「今丁度帰ったところですァ~」
「みどりおかえりー!」
「お帰りなのじゃ」
「ただいまッス。んで、今日もまたモテモテで羨ましい限りですねェ」
「この四肢拘束状態を羨ましいなんてよく思えるな···」
「嫌だなァ。お世辞ですァ。私はそんな凶暴な三人に拘束されるだなんて御免被りますわ」
「凶暴じゃないのじゃッ!」
「凶暴じゃないぞ!」
「きょーぼーじゃないよ!」
「い、痛いッ!私は皆のこと凶暴何て思ってないからッ!私に八つ当たりしないでぇッ!」
「おぉ怖い。···っと、そういえば礼さんよ。頼まれてた人探しなんですけど未だ手がかりなしなんすよ」
「そ、そうか···。引き続き頼むよ」
「了解っす。···っと、今日も情報集めで疲れたんで私はもう寝ますわ。イチャイチャするなら静かにお願いしますねィ」
「あれ?夕飯はどうするのじゃ?」
「うーん。抜きでいいっす」
「了解じゃ」
ミドリは欠伸をしながら自信の寝室へと消えていった。
「さてと、私は夕飯でも作るとするかの」
「みぃもつくるー!」
「そうだな。じゃあ私達も子供をつくるとするか」
「···いや、何でそうなるんだよ」
「だって、柊姉妹が夕飯を作ってくれるなら私たちは子作りしかないだろ」
「ゴメン意味わからない」
「大丈夫だ。意味がわからなくても礼はただ寝てるだけでいい。私が動くから」
「いやそういう問題じゃないと思うんだうん」
「カンナー♪それ以上悪ふざけが過ぎるとどうなっても知らないのじゃ♪」
「···おっと、仕事の連絡が来たようだな。すまんな礼よ。子作りは延期になりそうだ」
「あはは···」
「じゃーかわりにみぃと子作りしよー!」
未唯はそう言って礼の方に駆け出す。
だが、美保が未唯の髪の毛を引っ張り、動きを止める。
「未唯は夕飯をつくるんじゃぞ~」
「うぅ。いたいぃ···」
◇ ◆ ◇
●Topics13 【季条ミドリ】
身長 157cm
髪型 黒髪、サイドテール
胸囲 B
誕生 5/7
趣味 尾行
魔法 なし
所属 なし
階級 なし
備考 カンナの姉。
かつて美月元紅軍大臣の情報屋。
現在は礼の専属の情報屋。
●Topics14 【礼の人探し】
礼は前からお世話になった美月元紅軍大臣とその妻の行方を調べているが、発見には至らず。
●Topics15 【黄蘭特別スタジオ】
礼達の住む黄国にある紅国のテレビ局の出張スタジオ。
●Topics16 【カンナの口調】
礼と二人っきりの時は甘え口調。
誰かいるとだである調。
●Topics17 【美保未唯の手料理】
結構美味しい。
GWももうおわりますね。