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城に住まう者
イズナは【妖魔城急行】に乗り、急ぎ妖魔城へと向かった。
城には、星の数ほど存在する妖怪たちを統率する者達がいる。
彼らは【桜族】と呼ばれ、博識だとして妖怪たちに厚く慕われていた。
イズナも、そんな【桜族】に憧れる一人であった。彼女が真面目に生きようとするのも、親友であるムジカを助けようとするのも、【桜族】に憧れ、そうなりたい一心での事だった。
彼女はムジカと友達であるが、それ以前にライバルである。
だから、ムジカの取る軽率で危なっかしい行動がどうしても癪に障るのであった。
彼女が城に到着した時、そこにいた【桜族】は三人だった。
【青帝】瑠璃
【緑帝】翡翠
【赤帝】珊瑚
『三原氏』とも言われる、不仲トリオである。
「【桜族】の皆様、どうか聞いて下さい！！」
