第9話 失われしもの
「イヨ様!姉さんたちが囚われてるの、何処ですか?!」
「案内するわ!行きましょう!!お母様、軍の方に連絡をお願い致します!!」
「分かりました!イヨ、急ぎなさい!コウが本気になれば、その身一つでこの都など消し飛ばしてしまえるのだから!」
コウが消えた後、私たちも急いで姉さん達のいるところへ向かう。イヨ様の案内に従って正王宮へと続く渡り廊下を駆けていた時、
ドゴォォォォォォン・・・
遠くから何か大きくて堅いものを壊したかのような轟音が聞こえてきた。
お願いコウ、早まらないで・・・
皇鳳宮の西側から都の街壁まで、おおよそ都の北西側四分の一が近衛第一艦隊の駐屯地になっていて、そこに数千人の軍人と軍属が生活している。これは、艦隊を運用する人員だけでなく、目的地で活動する為の兵士も駐留しているからだ。
皇鳳宮を囲む壁は街壁と同じ、厚さがニ十メートルほどあって、中に通路が通っている。要所要所には衛士とその詰め所が配置されていて、その衛士たちもヒミコ様やイヨ様に絶対の忠誠を誓う屈強な近衛衛士だ。この壁には強力な防護魔術が施されていて、艦隊の砲撃にすら耐えられると案内の途中にチョウユウさんが教えてくれた。王宮全体を覆うようにも防御魔術が掛けてあるみたいだけど、万が一の時はこの壁の通路に避難するのだそうだ。
私たちは駐屯地へ向かう為、西側の壁の出入口へとやってきた。警備の近衛衛士がイヨ様に臣下の礼を取る。
「女王陛下!」
「お役目ご苦労。軍駐屯地に用がある。通してもらうぞ。」
「陛下、それは危のうございます!何やら騒ぎが起きている様子。ここはしばらくお待ちを。数名を確認に行かせておりますれば。」
「それでは間に合わん!問答をしている暇はない、通せ!!」
「し、しかし・・・」
あぁんもう!!じれったい!!衛士さんたちがイヨ様の身を案じるのは分かるけど!
「イヨ様!私たちが先行します!通る許可を!!」
「いや、妾と一緒でないとより面倒になるぞ?お前達、この者達は英雄コウ=フジイ殿の奥方達だ。見目は麗しいが、皆、英雄の伴侶として相応しい力を持っておる。じゃから通せ。事は一刻を争うのだ。」
「し、承知致しました。」
いつもなら”コウ=フジイの奥方”とか”見目麗しい”とか言われて照れながらも喜ぶところだけど、そんな事してる場合じゃない。私たちは通路へと駆け込み、駐屯地への出入口を目指す。
王宮側の出入口と駐屯地側の出入口はかなりの距離離れていて、途中には衛士の詰め所もある。これは駐屯地側で何かあった時にここで時間を稼ぐ為。
呼び止めようとする衛士さん達をイヨ様が手を挙げて制し、駐屯地側の出入口へとたどり着いた。イヨ様が見張りの衛士に状況を確認する。
「状況はどうなっておる?!」
「陛下!現在賊は勾留しておりました罪人達を連れ、こちらの練兵場へと向かっているとの事で、兵士が対応に当たっております。今暫くお待ちを!」
「その者は賊ではない!英雄コウ=フジイ殿だ!罪人の付添人がフジイ殿の奥方で、その奥方と罪人が不当な暴行を受けたと連絡があったのだ!それに怒ったフジイ殿が救出に向かわれたのだ!非は我が方にある!即刻戦闘を中止せよ!!」
「!! しょ、承知いたしました!!おい!軍に連絡を!陛下の命により戦闘を中止せよと!その者達を傷つけてはならんと厳命せよ!!」
見張りの衛士が別の衛士に詰め所へ走って連絡するように伝える。でも、そんなのを待っていられる暇は私たちにはない。
「わらわ達もその場へと向かう!門を開けよ!」
「それは危のうございます!」
「フジイ殿を止められなければ危ないどころでは済まなくなるのだ!即刻門を開けよ!!」
「し、承知致しました!!」
門を駆け抜けて外に出ると、目の前に屋外練兵場が広がる。練兵場はここよりも数メートル低く造られていて、前には練兵場へと降りる階段が、左右には練兵場を迂回して軍駐屯地へと向かう屋根付きの通路が設置されている。練兵場を取り囲む壁や通路にも、王宮を囲む壁と同じように防御魔術が施されていて、見学者や街が流れ弾による被害を受けないようになっている。
その練兵場の真ん中で、多数の兵士が三人の人間を半円形に取り囲んでいる。本当は全包囲したいのだろうけど、相手の防御魔術の範囲が広すぎて囲いが薄くなりすぎると考え、半包囲で間断なく攻撃して足止めする事を選んだのだろう。
その防御魔術の中心にいるのは言うまでもなく、コウ、姉さん、春華さんの三人だ。
でも、普段ならこのくらいの攻撃で足止めされる筈のないコウたちが足止めされている理由。それはコウが片膝をついているからだ。そのコウを両脇から姉さんと春華さんが支えている。
「だから言わない事じゃない!身体が不調なのにあの力を使うから!!」
イヨ様から放たれたコウを非難する言葉。でも、言葉と裏腹にコウを心配する気持ちとコウを止められなかった自分に対する口惜しさが伝わってくる。
「コウ!!」
私は堪らず飛び出そうとした。でも、手首を掴まれ引き留められる。
「待ちなさいミウ!今貴女があそこに行ったところで何も出来ないわ!防御魔術のせいで三人には近付けないのよ?」
私の手首を掴んだままリィエがそう告げる。確かにそうだけど・・・
「それに向こう側の通路に狙撃兵が潜んでる。ミウ殿が近付く前に撃たれますね。」
千夜さんの言葉に通路をよく見てみると、確かに人影が見え隠れしている。
「じゃあ、どうしたら?!」
「ここはわたしとイヨ様の出番ね!わたしがあそこまで行って防御魔術を上から被せてあげればコウが防御を張り続けなくていいから、その間にイヨ様にあの人たちを止めてもらえばいいよ!」
「それが一番建設的な方法ね。キャンディさん、危険だけどお願い出来る?」
「まっかせて!あと、”さん”つけはなしでお願いです、リィエさん!」
「じゃあ、私も”リィエ”でお願いね?」
「りょうか~い!いっくよぉ~!」
掛け声とともにキャンディが数メートルある階段を一気に飛び降りる!普通なら怪我をしそうな高さだけど、5倍に強化されたキャンディなら普通の人が1メートルくらいから飛び降りたのと変わらない。
それでも・・・
ターーーン!
キンッ!!
狙撃兵に気付かれキャンディが下に着くと同時に銃声。でも、弾丸はキャンディの防御魔術に弾かれる。
「あま~い!そんな程度、わたしにはきかないよ~だ!」
キャンディは強化された身体能力を生かしてコウたちの元へ駆ける。それに気付いた包囲している兵士からも銃撃が飛ぶが、それを物ともせずにコウたちのところへ到達し、防御魔術を上掛けする。
「コウ!わたしが上掛けしたからもう解いても大丈夫だよ!」
「キャンディ、すまない、助かったよ。」
「キャンディ、貴女、凄いわね!」
「わたしだってコウの役に立てるんだから♪さ、雪華姉、春華さん、コウを早く!」
「えぇ!さぁ、コウ!」
「雪華も春華もすまない。助けに行っておいて助けられていては世話ないな。」
「そんな事ない!コウには沢山助けられてるんだから、このくらいなんでもないわ!」
「そうです!コウ様はいつも我が身を省みず私達をお助け下さいました!今度は私達がコウ様をお助け致します!」
三人がコウに寄り添い、階段下までたどり着く。
「王宮に行かせるな!攻撃しろ!!」
「待て!!攻撃を止めよ!!」
コウ達が戻るのを見計らって、イヨ様が声を上げる。この距離でなら”聞こえませんでした~”なんて言い訳出来ないわよね!
「女王イヨ=ミツルギである!この者達の身柄は王宮にて預かる!即刻攻撃を中止せよ!!」
「じょ、女王陛下!全体!撃ち方やめぇ!!」
さすがイヨ様!私たちの前ではおもしろお姉さん(おば・・・と言いかけただけでいろいろ身の危険を感じる)だけど、こういうところはきちんと女王様してる!
私、リィエ、千夜さんを引き連れてイヨ様が階段を降りる。
「さて、この部隊の指揮官は誰か?」
「私めに御座います。ヒロツグ=アカギ。階級は三佐であります。」
イヨ様の問いかけに、一人の中年男性が歩み出て、臣下の礼をとる。
「ではアカギ三佐、まだ届いておらぬのは致し方無しとして、既に軍にこの者達との戦闘中止を命令した。勅命である。遵守せよ。」
「・・・お言葉ですが陛下、この者は軍舎屋を破壊し、その場に居りました兵士五人に重傷を負わせ、罪人と共に逃亡した賊にございます。陛下といえど、庇いだては・・・」
「それが誤解なのだ。お主が賊と呼ぶこちらの方はコウ=フジイ殿。名前くらいはお主も聞いた事があろう?そして、此度の事は我が勅命によるものだ。」
「陛下、勅命とはどういう事でありましょうか?」
「うむ。罪人の付添人、柊雪華はフジイ殿の奥方でな。ほれ、この通り・・・」
イヨ様が姉さんに促すと、姉さんはMISEを可視化させた。アカギ三佐の眉がピクリと上がる。
「フジイ殿と通信で連絡出来るのだ。そして、雪華殿と罪人の柊春華が兵士に暴行を受けていると連絡してきたのだ。」
イヨ様の言葉に合わせ、今度はコウがMISEを可視化させる。アカギ三佐の口元が僅かに力んだ。
「その時、フジイ殿は妾と母上と会談中であった。その連絡を受けて救出に向かわせたのだ。妾と母上もその通信を聞いておる。つまり非は我が方にある。罪人と付添人に不当な扱いはするなと厳命した筈だが?」
「それは・・・」
「従って、今回の事で生じた人的及び物的被害は全てその五人の兵士達に補償させるものとする。異論はあるか?」
「・・・・・・。」
「ないなら速やかに撤収せよ。」
「はっ。全員直ちに撤収。陛下の命である。」
本当はイヨ様やヒミコ様は通信の内容を直接聞いてはいない。でも、コウを信用しているからこういう方便も言ってくれるのだろう。さすがに女王陛下と先王陛下が証人では軍の幹部といえど言い訳は出来なかったみたい。
アカギ三佐の号令により隊列を整えた兵士たちが整然と駐屯地へと戻っていく。状況が落ち着いたと見てキャンディが防御魔術を解いたのを確認して、私はコウの元へと駆け寄る。
「コウっ!もうっ!!お願いだから無茶しないでっ!!」
「無茶しなければ間に合わなかったんだから仕方ないだろう?」
「そうかもしれないけど!でも!!」
コウの言ってる事は正しい。コウが間に合わないと言ったら他の方法では間に合わない。そして、自分の生命惜しさに春華さんを見捨てるようなコウでもない。そんなコウだから私を拾ってくれたのだし、私もそんなコウだからこそ愛してる。でも、言わずにはいられない。私、どうしたらいいんだろ・・・。
そうして葛藤していた私を、コウはそっと抱き寄せてくれる。私は上目遣いにコウを見上げた。
「すまないな、ミウ。心配ばかり掛けるパートナーで。」
「・・・私こそごめんなさい・・・。頭では分かってるのに・・・。」
「ミウの気持ちは分かってるよ。皆にも心配を掛けてすまなかった。」
私を抱いたままみんなに頭を下げるコウ。みんなも顔に笑みを浮かべて応える。
「ところでミウ、ちょっと聞きたい事があるんだけど?」
ふと思い出したかのようにリィエが私に尋ねてきた。
「何?」
「貴女、コウを見つけた時、いきなり飛び出そうとしたでしょ?あの時、未来視で何も視なかったの?」
「どういう事、リィエ?」
「私には視えたの。飛び出して、貴女が撃たれる映像が。だから貴女を止められたんだけど、貴女は視えてなかったの?」
「・・・そういえば視えてなかった。視えてもおかしくないのに・・・。」
リィエに言われて初めて気付いた。最近、未来視で未来が視えていない。エリーを助けた時も、ワイバーンの巣を護った時も、使おうとしていなくても映像が視えてたけど、黒づくめの襲撃の時以降、それを視ていない・・・。
「・・・ねぇ、ミウ。今、【シールド】使える?」
「えっ?使える・・・あれ?エーテルが上手く集められない・・・どうして・・・?」
リィエに言われてやってみたけど、【シールド】の発動どころかエーテル集めすら上手く出来ない。どうして・・・?
「・・・ごめんなさい、ミウ。私のせいだわ。」
「どういう事?」
「多分、二人に別れた時、精神的な能力が私の方に偏ってしまったのだと思うわ。」
私とリィエは本来、二人で一人。二人に分けて再精製された時、記憶は複製出来ても、能力は複製出来なかったという事なのだろう。
でも、それを私は後悔したりなんかしない。リィエは大切なもう一人の私なのだから、あの時リィエを失うくらいならこの方がよかったと思う。
「大丈夫!また頑張って訓練するから!未来視はリィエの方が適任だと思うしね♪」
努めて明るく私はそう言った。
「・・・分かったわ。その部分に関しては貴女の代わりに私が頑張るわ!」
「うん♪これからもよろしくね、リィエ♪さ、こんなところにいないで、もう行こうよ。コウも休ませてあげたいし。」
「あぁ、そうしてくれると助かる。イヨ、悪いが話の続きは後日にしてくれるか?」
「えぇ、それは勿論構いません。ですが、申し訳ないですけど雪華さんと春華さんの身柄は、もうしばらく王宮にて預かります。もうこのような事のないよう、厳重に管理監督いたしますので、どうかご安心を。」
「分かってる。二人をよろしく頼・・・!!みんな下がれ!!」
「イヨ様!!下がって!!」
突如、コウとリィエが声を上げ、コウは私たちの前に、リィエはイヨ様と千夜さんの前に出て、防御魔術を展開する!
タンターーーン!!
キキンッ!!
その直後、銃声と共に防御魔術が銃弾を弾く音がした。
狙撃?!どこから?!
「ぐっ・・・!」
ただでさえ消耗している状態で咄嗟に動いたせいか、コウが再び胸を押えて呻く。
ゾクッ!!
強い悪寒。未来視がなくても分かる。コウが危ない!!
「「「「「「コウ!!!」」」」」」
みんなが叫ぶと同時に、私は咄嗟にコウと突き飛ばす!!
ターーーン!
「あ・・・・・・」
ドサッ・・・・・・
私の頭を何か熱いモノが貫いた感覚。身体が言うことを聞かず、そのまま前のめりに倒れる私。
「ミウ!!!」
最期に見えたのは、地面と、そこに流れていく赤い液体。
そして・・・
私の意識は闇へと消えた・・・
◆◆◆
「えぇ、それは勿論構いません。ですが、申し訳ないですけど雪華さんと春華さんの身柄は、もうしばらく王宮にて預かります。もうこのような事のないよう、厳重に管理監督いたしますので、どうかご安心を。」
私の隣にいるイヨ様がそう言った直後だった。
視界がモノトーンに変わり、コウとイヨ様の二人が凶弾に倒れる姿が視えた。
「分かってる。二人をよろしく頼・・・!!みんな下がれ!!」
「イヨ様!!下がって!!」
コウと私がそれぞれ前に出て防御魔術を展開する!
タンターーーン!!
キキンッ!!
その直後、銃声と共に防御魔術が銃弾を弾く音がした。咄嗟だったけど何とか間に合った・・・。
だが、
「ぐっ・・・!」
コウが再び胸を押えて呻く。
「「「「「「コウ!!!」」」」」」
叫ぶ事しか出来なかった私。その時ミウがコウを斜め前に突き飛ばした。
その直後、
ターーーン!
「あ・・・・・・」
ミウの額を銃弾が貫いた。
前のめりに崩れ落ちるミウの身体・・・
「ミ、ミウ!!!」
コウの叫びで我に返った私達。
「キャンディ!!防御!!早く!!!」
「こんのぉぉぉおおお!!ミウちゃんをよくもぉぉぉおおお!!【エクスプロォォォジョン・クラスタァァァ】!!」
ズドドドドドドドドドドドドドドッ!!!
キャンディが防護魔術を展開しつつ無数の爆炎弾を乱射。駐屯地側の出入口に次々と着弾するものの、壁の防御魔術のせいで効果が薄い。精々目隠し代わりにしかなっていない。
突き飛ばされて片膝をついていたコウが、隣に倒れ伏したミウに手を伸ばす。
「バカヤロウ・・・”自分の身を考えてくれ”と言ったばかりだろうが・・・」
その手がミウの頭に触れると、ミウの頭が治癒の光に包まれる。そして治癒を継続したままミウを仰向けに抱き上げる。
「お前がいなくなったら・・・俺は・・・」
コウはミウを抱いたままよろめきながら立ち上がり、駐屯地側の出入口へと向かって歩き出した。
「ちょっと!コ・・・!!」
コウを止めようとした雪華さんの言葉が止まる。コウの周りにかつて感じたことのないような何かが渦巻いている。その余りの威圧感に誰も声が出せない。キャンディの防御魔術は辛うじて維持されているが、その防御壁をすり抜け、駐屯地側へと向かっていく。
「なるほど。只の賊や馬の骨とは違うという事か。」
出入口から先程部隊を率いていた指揮官、アカギが現れる。
まだ距離がある為か、アカギはコウの発する威圧感に気付いた様子はない。
「コウ=フジイだったな?私と来い。そうすればこの国を・・・」
「・・・・・・言いたい事はそれだけか・・・?」
「何?」
コウの周りの力が膨れ上がる!それでようやくアカギはコウの発する威圧感に気付いたようだ。
「な、何だこれは?!撃て!!アイツを撃て!!」
アカギの号令に従い、出入口から現れた兵士達がコウに向かって銃を発砲するが、その弾丸の悉くがコウの遥か手前で地面の穴を穿つ。まるで地面に吸い寄せられたかのように。
「何をやっている!!お前らそれでも軍の兵士か!!」
銃撃を意にも介さず歩んでいたコウが足を止めた。そして・・・
「お前等・・・全員・・・砕け散れぇぇぇえええ!!!」
その光景は、”地獄”という言葉が生易しく感じる程だった。
アカギを含むコウを攻撃していた兵士達は、次の瞬間、見えない何かで圧し潰されたかのように辺りに赤い液体を撒き散らしながら潰れた。まるで熟したトマトが踏みつけられたかのように。
だが、それだけでは済まなかった。
ズドゴオオオオオオォォォォォォォン!!!
コウの目の前にある地面、練兵場の壁、そしてその向こうに見える軍の建物。それらが見る間にひび割れ、一瞬で崩れ落ち、更には地面すら砕けて陥没し、全てを飲み込んだ。
数瞬の後、私達が見たのは、彼方まで広がる荒れ果てた大地と都の西側の街壁だった。




