山賊の生き方
山深い森のけもの道をゆく山賊がおりました。山賊といっても襲う旅人など滅多におりません。なんせ、ここは山奥の獣道なのですから。山賊は腹をすかしていました。高校の時の同級生はとっくに就職して所帯までいるというのに、自分らはなに山の中をうろついておるのか疑問に思い始めていました。
「もうそろそろ山を降りるだっぺ?」山賊の頭がついに音を上げました。
「もうITバブルも終わりだべ。おりろう」子分たちも同意しました。
東京のコンクリートジャングルから出てきて彼らは晴れて自由の身になったのでした。めでたし。めでたし。