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里緒のカーニバル!!

作者: むーぶ

 初めまして、むーぶです。ストレス発散のため小説を書いてます。自分の書いた小説で一人でも笑ってくれる人がいたらとても嬉しいです。

 自分にそっくりな人が三人は居る…そしてその、三人に会ったものは死んでしまう…

この物語は自分にそっくりな三人に出会ってしまった少女の話しである。


 私の家に【もう一人の私】が来てからもうそろそろ一ヶ月がたつ…

学校から帰って来ると私の部屋にあるベットの上でもう一人の『私』が大口を開けて眠っていた。

毎度おなじみの光景なのでいつもの様に彼女を起こす。

「リオちゃん。またゲームやってたの? も〜…そろそろ起きなよぉ〜。」

グラグラと体をゆすられて、ベットの上の少女さうっすらと目を開けた。「里緒〜。あと5分…5分だけ寝かせて…今日のおやつ半分あげるからぁ…」

思いっきり起きぬけの声である。規則正しい里緒は9時に寝て6時に起きるという生活をしているのだが、リオはここ最近夜遅くまでレトロなゲームをやっている。

「パーティーが王子と王女だけってやっぱり微妙だよねぇ〜」

後から知ったのだが、昨日は2時までレベル上げをしていたらしい…

「おやつ半分あげるって言っても、作るのは私でしょ!早く起きなよぉ。」

「う〜…わかった。起きるよ…」

渋々とリオは顔を洗うため洗面所へと歩いていった。

「まったく、リオちゃんはぁ〜」

里緒が大きなため息をはいた。

 この二人がすれ違うとき世界中の誰もがどっちがどっちかわからなくなってしまうぐらい、この二人の顔立ちは同じだった。

 寝ぼすけな彼女は『リオ』という名前の15歳の少女である。

性格はおおざっぱでおおらか。積極的で快活だが静かにしていると、とてもカワイイ顔立ちをしている。ちなみに髪は腰までのばしている。

 もう一人の少女の名前は『愛川里緒』 15歳の高校一年生の少女である。

性格はおしとやかでおだやか。消極的で控え目だが、静かにしていなくてもとてもカワイイ顔立ちをしている。ちなみに髪は肩までのばしている。

 顔のつくりも一緒。胸のサイズはリオの方が圧倒的に上である。しかしそれを言うと里緒が怒り出すので、あまり触れない様にしよう…

簡単に言えば顔はそっくりでも里緒はカワイイ系、リオはキレイ系ということだ

 顔を洗って目が覚めたリオは腰までのびた髪を二つに縛り、苺ジャムをぬった食パンを口にくわえて部屋に戻って来た。

「また食パンに苺ジャム?そんなのばっかり食べてるとお肌荒れるよ。リオちゃん」

その質問にリオは突き出した指を左右に振りながら答える。

「ちっちっちっ。わかってないねぇ〜里緒くん…最近の苺ジャムはねぇ〜ビタミンの他にタウリン、コラーゲン、コエンザイムQ10をふんだんに含んでいて、美容の他に滋養強壮、果てはガン予防にも役が立つように品種改良されているのだよ。」

学者の様に饒舌な話しっぷりだった…

「そんな訳無いでしょ!それに私が言いたいのは【朝昼晩、ジャムとトーストと牛乳だけで一ヶ月!!】なんて食生活だと体に悪いって事なのっ!」

 リオが家に来てからというもの、里緒のツッコミの間の取り方はプロの領域へと足を踏み入れ始めている…

 リオの突き出したままの指がもう一度左右に振れる。

「ちっちっちっ。わかってないねぇ〜里緒くん…最近の食パンはねぇ〜完全栄養食品へと進化し、ミネラル、タンパク質をふんだんに含んでいて、味も食パン味にとどまらず、うどん味、カレー味、ロイヤルミルクティー味などたくさんの種類が製造されているのだよ。」

…少し前に聞いたようなセリフだった。

「あれ…デジャヴ? じゃなくてぇ!食パンは所詮食パンでしかないからっ!」

「それは全国の食パン製造会社への宣戦布告と考えてよろしいのかな?」

リオが悪い笑顔で答えた。

「………………」

「…ゴメン。リオが悪かったから、せめて会話して」

「リオのばか…」

里緒は唇をとがらせて小さく怒った…


 《私たちの出会いは一ヶ月前。人々が気付いたり気付かなかったりしながら、世界には『傷』というものが生まれているの…

『傷』とは時間・次元の切れ目の様なもので、向こう側は違う時間・違う次元と繋がっているの。 『傷』は近くにある何かを引きずり込むと閉じてしまうので、あまり危険でもないんだけど…

そういえば、世界に存在する。【その時代に存在しなかった物=オーパーツ】って『傷』によって迷い込んだ他の世界の物なのかも…

 私の隣りで鼻水とか涙とか流しながらオロオロしているリオは違う世界の住人で、私と同じ存在だったの…

ある日『傷』に吸い込まれて私の部屋に降って来たんだけど…その代わりに私のポテチ(のり塩味)が傷の中に吸い込まれちゃったんだよね。》


 以上回想終了。横をみると、さっきまで泣いていた『私』がベットの上で漫画読みながら笑っていた。

「ねぇ、リオちゃん最近『傷』多いよね?」

「まぁ、テキトーな物ほうり込めば、『傷』も閉じるからいいんじゃない〜」

リオがテキトーに答えてきた。

「テキトーって…リオちゃんはもう元の世界に帰れないかも知れないんだよぉ?」

不覚にも里緒はちょっとだけ涙ぐんでしまった。

「う〜ん…普通こういう展開の物語って、お互いの事好きになったときに限って元の世界への道が開いたりして涙をこらえつつも笑顔で元の世界に変えるんだろうけど…

ちょこちょこリオの世界と繋がってる『傷』が開いたりしてるからいつでも帰れるんだよね。」

苦笑い…

里緒の目からこぼれ落ちそうな涙は重力に逆らいながら、とてつもない速さでひっこんだ。

「えっ、何?そんなパターン?」

「それにリオはいつでも里緒の事好きだしねぇ〜」

「…ちょっと素敵な事言ってるんだろうけど、なんでそんな事言いながら私をベットに押し倒してるの?」

体勢的に馬乗りというやつだった。

「いつ帰っても良いように心残りを無くそうと…」

 これが、リオの悪い癖だ…

リオは類い稀なる女好きである。もちろん里緒にはそんな特殊な性癖はない。

押し倒されたり、キスをせがまれるのは軽い方だ。ひどい時には首筋を舐められたり、布団の中に入って来て既成事実を作ろうとする…

 本当苦労が絶えない。

「里緒ぉ〜」

「頭の上にハートマークがたくさん舞ってるよ。リオちゃん…」

「んちゅ〜〜」

 毎日が貞操の危機である。

とりあえず、リオに顔面パンチをくらわせようと里緒は右の拳を強く握りしめた。







…しかし、この時部屋の片隅で『傷』が開いた事に二人は気が付いていなかった。


実はこの作品の前に投稿した作品があったのですが、間違って削除してしまい、そのショックから次の小説を書くのに何ヶ月も掛かってしまいました。前の作品『零課出動!!』を読んで下さった方がいたら連絡下さい。

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