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普通超人ジミィ  作者: 墨
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第一話

第一話

【初めての変身!】



これを読んでるアンタが、いつの時代を生きてるか、俺にはわからない。


俺のいる時代はと言うと、世界人口は70億人に迫り、エネルギーやら食糧やらの問題は残しつつも、各地の戦争や紛争はひとまず治まり、悪事を企むような組織が排除されたあとを“平和維持局”が管理することで、世界規模の平和がようやく訪れた、まさに夜明けの時代だ……、なんて話を、あと十年もすれば歴史の教科書のすみに顔写真が載りそうな、どっかのお偉いさんが“世界平和宣言”とやらを報じるカメラの前で喋ってた。


もちろん個人のいざこざや、病気や交通事故なんかは無くならないし、誰もが幸せな世界とはほど遠いが、少なくとも、今日のパンを我慢して銃弾を買い、明日のパンを奪い合う時代は終わった。


“武器を握手に、兵器を会話に”とは平和維持局の呑気なスローガンだが、実際にそれを信念に物事が解決していくならそれがいい。


偉そうな言い方になるが、平和維持局の連中に言わせれば、俺自身はさっき言った悪事を企むような組織を潰して回ったことで、皆が待ち望んだ平和な世界をつくった功労者ということになるらしい。


そう。潰して回ったんだ。

世界中、隈なく。


執拗に。


だから俺は俺を、もうジェイムス・フェニックスを引退させたかった。


カインとの戦いが最後になることはわかっていたし、ジェイムスがいる限り、誰ひとりヤツの制裁を浴びるようなまねはしないはずだ。


考えてもみてくれ。


他国に攻撃しようと軍備を整えようものなら、瞬時に現れてどこまでも追ってくる。

その気になれば、素手で地球を真っ二つにし、鼻息で月を銀河の果てまで吹き飛ばせるような怪物だ。

相手にするだけバカを見る。


国や組織が争うにしても、もうやり方を変えるしかない。

銃声もキャタピラが這う音もたてず、血も流れない方法でやりあうしかない。


だが、俺にはわからなかった。


いちから方法を変えてまで、戦闘に変わる何かを探してまで争いを続けたがる人間にとって、いまこの時代は果たして“皆が待ち望んだ平和”なのだろうか。


俺はそれが知りたかった。

自分が加担し、生み出されたものが、永らえることを望まれるような、尊いものなのか、それとも誰かの思惑の内にあるだけのことなのか。


その為には、ジェイムス・フェニックスは邪魔だった。

完全無欠の絶対超人なんてものに居座られちゃ、誰も本音を喋りやしない。

だから、俺はハカセに頼んで全てを捨てることにしたんだ。


ジェイムス・フェニックスはカインとの戦いで深手を負い、療養中だということにしてもらった。

ホントなら死んでもらいたかったが、あの怪物が死んだなんて話を、世間様がすんなり受け入れてくれる筈がない。


信じさせるために、俺自身もテレビに映ってみせた。


いつものように、顔だけは炎を象った柄のヘルメットで隠していたが、トレードマークのそれを見て、世間はあるていど信じてくれた。


まだ塞がらない生々しい傷は、映画の特殊メイクでつくってもらった。

この流れで、ハカセ自画自賛の記念映画製作が決まったんだ。


そして俺は、実は故郷が遠い星だとカミングアウトし、いつか戻るという約束を全人類に残して、療養のために帰ったことになった。

昨日まで超人だったヤツが、いきなり宇宙人でも世間は驚きも疑いもしなかった。はじめから非常識すぎる存在だったから、かえって宇宙とかを持ち出されたほうが納得しやすかったんだろう。

ただ、俺がジェイムス・フェニックスを降りるには、ひとつだけ条件があった。

それは“ヒーローの後継者をつくること”だ。


いまを平和と呼びたい連中にとっても、別の戦場を見つけた連中にとっても、平和宣言以前の時代に逆戻りするのは、何のメリットもない。

だから、はじめた以上はケツを拭いてから去れというわけだ。


与えられた期限は、世界平和宣言から14ヶ月。

もし後継者を任命出来ない場合は、俺はまたジェイムス・フェニックスとして復帰する約束だった。

その14ヶ月が長いか短いかは別にして、世間の“裏があるのでは”という疑心暗鬼が解消され、ジェイムス・フェニックスの不在が人々に認知されるには十分な時間だろう。


事実、俺はこの数ヶ月に起きた様々な天災の救助活動には参加していない。


後継者の問題も、意外にすんなりと解決した。


“キミが後継者をやればいい”


ハカセに相談したら、すぐさま返ってきた答えがそれだった。

確かにそれは俺にとっても好都合なアイデアだった。


超人を辞めるにしても、その後の世の中がどう転ぶかを見守るには、ヒーローってポジションは特等席だからだ。


素直にハカセの提案に乗り、彼女の主導で計画が進められた。

俺をフェニックスの後継者という別のヒーローに生まれ変わらせてもらう計画。

ハカセはその為のアイテムを猛スピードで造り始めた。


完成には俺の身体の詳細なデータが必要だとかで、週末は何かと呼び出されてはハカセの家に顔をだした。


月日は流れ、世界平和宣言からちょうど一年目にあたる今日、水曜日にも関わらずハカセから呼び出しがあった。

昨夜ケータイに届いたメールの文面は実に簡潔。


“あしたちょっと来い”


正直、喜びと同時にホッとした。


ハカセを疑うわけじゃなかったが、世間の目を欺き、平和維持局を納得させるヒーローを仕立てあげるアイテムの開発期間が14ヶ月なんて、短すぎるのではと心配だった。


だから残りの猶予期間が少なくなるにつれ、不安を募らせていたのは間違いない。


今日の呼び出しに期待を胸に馳せ参じた俺は、テレビの前で身をよじり、ハッ! ヤッ!と威勢のいいアクションを披露するハカセを目撃してまずは凍りつき、続いて彼女の案内で地下室へ。

そしていま、夢にまで見た変身スーツが俺の目の前にある。


「そんなに着てみたいなら、試すかね?もう動かせるところまでは出来ているが」


食い入るようにスーツを見つめていた俺に、ハカセがやれやれとでも言いたげに促した。

きっと俺の姿がショーウィンドウに張りついてオモチャを眺める子供にでも見えたのだろう。


「いいのか!?」


「飛び上がるなよ。キミは以前にも床に大穴をあけただろう?」


はしゃぐ子供に言い聞かせるように、俺を宥めながら、ハカセはスーツ脇に吊るされたベルトをとって、俺の腰に巻き付けた。


「変身の起点はこのベルトだ。試着だから、テストモードで起動しよう」


ハカセがスイッチを操作するとバックルが虹色の輝きを放つ。


おお、すげえ!

昔のSF映画でUFOが飛んでくるときの効果音みたいにウンウン唸ってる。


「さあ、これでよし。お約束のセリフを叫びたまえ」


ん?なんだそれ。


きょとんとなった俺に、今度はハカセが期待の眼差しを向けている。


「何してるんだ、さあ!」


「いや、どうすんの?」


「……キミは私をからかっているのか、それともバカにしているのかね?」


どっちでもないけど、あえて言うならそれは俺のセリフだと思います。


「ヒーロースーツに変身ベルトときて、わからないはずないだろう!」


あ、ああ!

そうね、そういうことね!

でも、あらためてやるとなると、結構はずかしいもんだな。

ともあれ俺は精一杯、背筋を伸ばしてそのセリフを口にした。


「へ、変身!」


……。


…………。


………………あれ?


「やり直し」


ハカセの冷ややかな視線が突き刺さる。


「俺、ちゃんと言ったぞ」


「ダメだろう、今のどこがちゃんとしてるんだ。魂が込もってなかった。それに叫べとは言ったが、ただ大声を張れとは言ってないぞ」


魂。そうか。

ハカセの好きな“熱い魂を内に秘めたタイプ”用の変身ベルトってわけだ。


ところでハカセ、具体的に“魂”ってなに?

どのくらい込めたらいいの?


「って、それ以前になんで音声認識型なんだよ!スイッチとか手軽なのにしてくれよ!」


思わず言い返した俺に、ハカセがずいっと詰め寄ってくる。


「ん?キミは私になんと頼んだか忘れたのかね」


ええと、確か……。


「“ボクをハカセが大好きなテレビの超人みたいに、普通で格好いいヒーローにしてください!”って、言ったんだぞ」


うん、絶対言ってねえ。


「普通のヒーローにしてくれって部分いがいは完全に夢だろ」

「まあ若干お互いの記憶違いはあるにせよ、キミは知らないかもしれないが、ヒーローは普通、叫ぶんだぞ!!」


言い切りやがった。

でもハカセ、どや顔してるとこ悪いけど、アンタの普通って何なの?

俺、いままで私生活で叫ぶヒーローとは出会ったこと無いんだけど。


もっと言うとヒーローと会ったことないんだけど。


「わかったら、ほらもう一度!」


「わかった、わかりましたよ」


十分にわかった。

言っても無駄だと言うことが。

気を取り直して、俺は深呼吸した。


「変・身!」


一言ずつにアクセントを付けて叫ぶ。


一瞬、目の前の空間が渦巻いたと思いきや、急に視界が狭くなった。事態を呑み込めずにハカセを見ると、彼女は満足げに頷いた。


「よし、やればできるじゃないか。成功だ」


と、言うことは俺は今スーツの中にいるわけか。


「さあ、鏡を見たまえジミィ君」


ハカセが布の端を引くと、大きな姿見が現れる。


その鏡の中に、それは居た。


ライトを浴びた純白の身体が、やわらかく照らし出されている。


「おお!」


思わず声が出た。

自分がそれだと確かめるために、手のひらを握ったり、頭を左右に振ったりしてみる。


「ほんとに一瞬で着られるなんて凄いな!」


「なに、驚くことじゃない。変身の秘密はキミの能力にあるんだからな」


「どういうこと?」


「キミのテレポートをスーツに対して使って、キミの身体の周りに転送させているんだ。キミがスーツの中にテレポートするのを、逆さまにしているだけなんだよ」


へえ、そんなことが出来るなんてな。


「しかし、無事に着れて良かった。転送座標の計算が間違っていたら、スーツがキミの身体にめり込んでいるところだ」


それは先に言え。

ハカセの造るものを疑う訳じゃないが、もし事故っても“まあ失敗はつきものだ”なんて言葉で済まされる危険はある。


「それで、どうだね。待望のスーツを身にまとった感想は?」


訊かれて、あらためて身体の具合を確める。


「動きやすいけど、重い」


甲冑を思わせる見た目の通り、全身にのし掛かる重量感があった。

その一方、継ぎ目がわからないほどガッチリ固められた関節部分は、見た目とは裏腹に驚くほど滑らかに動く。


「予想通りだな」


満足げなハカセには悪いが、自分としてはしっくりこない。


「俺はべつに何にも変化ないんだけど」


「気がつかないのか?キミはそのスーツを“重い”と感じているんだぞ」


あ、そういうことか。

枕を投げるみたいにトラックや戦車を軽々と放れる俺が、身につけたものに重量を感じる。

それだけ、このスーツが俺の力を抑え込んでるってことだ。


「ついでに機能面のテストも済ませてしまおうか」


「でもさっき、七割って言ってたよな。完成前に動き回っても大丈夫なのか?」


思わず力が入って壊しでもしたらことだ。


「心配は無用だ。そもそも私が、きちんと機能しないものを見せると思うのかね?」


確かに。

常人とは違う方向にプライドが高いハカセが、造りかけを披露するとは思えない。


「じゃあ、あとはなにが……」


「色だ!!」


は?


「あの~、ハカセ?」


「色だよ、ジミィ君!」


「言ってることが、よくわかんないんだけど」


「わからない?色というのは、赤や青や緑の……」


なめるな。


「それは知ってる!だから、それが何なんだよ」


ピンとこない俺に苛立ったハカセが、鏡の中の俺を指差した。


「いいかねジミィ君、キミは初歩的な見落としをしている!今このスーツは何色かね!」


いやアンタ、そんなどっかの名探偵が相棒に推理を披露するときみたいに力まんでも。


「白い」


「そうとも白い。スーツの色が決まっていないのだよ!」


「べつに白でも……」


「ダメだ!!!」


全力で遮られた。


「なにを言ってるんだキミは。たとえ白でも白無垢はあり得ない。そのカラーを引き立たせる柄が必要だ。私が考えるに、赤と黒や白と青のような組み合わせがヒーローカラーとしては一般的だと思うのだ」


なんだそのヒーローカラーって。


「しかし、メタリックなフォルムを引き立たせるシルバーや、思い切ってゴールドなんかも……」


ハカセ、そろそろコッチの世界に帰って来てくれ。


それより、スーツの完成度の三割がカラーって、見た目の占めるウェイトでかすぎないか?


「それでだ、私は様々なスケッチを描いて、このスーツにいちばん相応しいカラーを探っていたんだ」


彼女がデスクをガサガサやったかと思うと、抱えるほどのスケッチの束を床に放り出した。


ほら見ろ、と言わんばかりに色とりどりの画が花を咲かせるが……。


ハカセ、なんでクレヨンで描いてんの?

それにコレ、もう人の形してねぇけど。ジャ~ンとか、シャキーンとか、擬音が書いてあるのは何なんだよ。

ぜったい途中から楽しくなって別の理由で描いてたろ!


彼女の絶望的な絵心の無さはともかく、量だけを見れば、かなり悩んでいたのは確かだ。


「私がこの3ヶ月、どれだけ苦労してきたかキミは知るまい」


項垂れて、額に手をあてるハカセの姿は、それこそ絵に書いたような苦悩のポーズだった。


ん?でも、ちょっとまて。

3ヶ月だって?


「じゃあ、先週ここに顔を出したときは、もうこの状態だったのか?」


「そうとも!キミは暢気に私のソファーでクイズショウなど観ていたが、私は悩み続けていたんだぞ」


いや、俺が気にしてるのはソコじゃない。


「3ヶ月まえから、俺はハカセがその気になれば、コイツを着ることができたわけか」


「当たり前だろう。ずっとそこにあったんだから」


バカかキミは、とでも言いたげにハカセは答えた。


「じゃあ何でもっと早く見せてくれなかったんだよ」


俺が、俺がどれだけ楽しみに待ちつづけていたか。

日に日に不安を募らせながらも、どれほどこの時を心待にしていたか。

傍目には恥ずかしくさえ見えただろう、さっきまでの振る舞いは、正直な気持ちのあらわれだったのに。


「なんだキミは。まるで私が意地悪をしたような眼で見るじゃないか」


違うんですか?


「期限だってあるんだから……」


「何度言わせるんだね。色が決まるまで、完成したとは言えないんだ」


そこだけは譲れないらしいが、ハカセはにやりと笑みを浮かべる。


「だが心配するな、今日はそのためにキミを呼んだんだからな」


「え?」


「私は気がついたのだよ。頭を悩ませる必要など無いということに」


そうそう、色なんてどうでもいいよ。


「はじめから、こうすれば良かったんだ。私としたことが、自分の豊富な知識と優れた感性にとらわれすぎて、つい近視眼的に考えてしまった」


何が豊富で、どう優れているかは甚だ疑問だが、気づいてくれてよかった。


「そう、キミが決めればいいのだ!」


ハカセは左手を腰に、右手で俺をビシッと指差す。


「決めるってなに?」


「何だね、鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をして」


見たことねえよ。


「キミの好きな色にしてやろうと言っているんだぞ?」


「じゃあ白で」


「はぁ。さっきも言っただろう、それはダメだ」


「俺もついさっき聞いた。“キミが決めればいいのだ!”って」


「む。やや誤解があるようだが、とにかく白はダメだ」


「なら黒で」


「ダメだろう!キミ、ちゃんと考えて言ってるのか?」


まったく信じられないと言いたげに、ハカセが俺の胸元を人差し指でぐりぐりとねじってくる。


「いいかね、黒は悪だ!悪のテーマカラーなのだよ!そんな常識的なことも知らないようでは笑われるぞ」


おいおい。

俺の常識ではそういうのは偏見って言うんだが、ハカセの世界じゃちがうのか?


「そんなのはハカセの決めつけだろ。黒って派手じゃないけど格好いいよ。日焼けした方が女のコにもモテるし、ハカセの髪だって真っ黒じゃないか」


「私が言っているのは、そういう意味じゃない。私だって黒い服は着るし、小物だって黒が好きだ。ただヒーローカラーとしては印象が悪いと言っているんだ」


俺は白衣姿しか見たことがないが、本人が言うのだから間違いないのだろう。


ちなみに彼女がいま白衣の下に着ているのは赤いトレーナーだ。


「だけど暗闇で目立たないとか、メリットだってある。ハカセの好きなヒーローにも黒いスーツのヤツはいるだろ?あの五人で出てくる……」


前にハカセがそんな番組を観てたような。


「バカを言うな“クロインジャー”は、キミとは大違いだ!」


ダサっ!


そうだ思い出した。

なんたらかんたら“ゴーニンジャー”だ。


赤、黒、黄、青、白の五人のタイツが、微妙な着ぐるみ怪獣と闘う特撮番組。

目がチカチカしそうな原色のタイツを着てるくせに、まさかの忍者設定に俺は“すこしは忍べよ”とツッコミを入れてハカセに説教されたのを覚えている。


「キミは知らないのか。クロインジャーこと黒崎疾風は、リーダーの赤神雷斗を凌ぐ実力を持ちながら、ただ黒崎家の出身というだけの理由で雷斗にその座を譲らねばならなかったんだぞ。それでも彼は仲間を守り雷斗を支え、自分の身を仲間が案じなくてすむように、心のうちを見せずに雷斗のよきライバルとして……」


すげえ感情移入してるけどハカセ、それフィクションだよね。

実在の人物とは関係ありませんだよね。

熱を帯びるハカセのゴーニンジャートークに、俺は水を指すことにした。


「で、結局ハカセは何が言いたいんだ?」


「最後には仲間たちの腕のなかで……って、ん?」


握りこぶしで感情の高ぶりをあらわにしていたハカセが、ようやく現実に帰還する。


「ま、まあだからその。私が言わんとしているのはだな」


乱れた黒髪を整えながら、彼女はどこかへ飛んで行ってしまった言葉を手繰り寄せる。


「そう!黒はキミのイメージじゃないということだ。クロインジャーもほかの仲間が居てこそのキャラクターであって、キミがひとりでクロインジャーになることはできないんだぞ」


べつに俺、クロインジャーになるつもりはねえんだけど。


「要するにヒーローはイメージが大事だって言いたいわけか」


「その通り。キミにはキミに相応しいカラーというものがある」


「例えば、あの映画のコスチュームみたいな炎柄とか?」


その言葉に、待ってましたとばかりにハカセの表情が明るくなる。


「わかってるじゃないか!あれこそ、ジェイムス・フェニックスの後継者が受け継ぐべきものだよキミ。いやあ、キミの口からその一言が聞けるとは感涙ものだ!」


あのさあハカセ、大人なんだからもう少し心の内を隠そうよ。

つか、態度がゲンキンすぎるし露骨に“その一言”を言わせようとしてたよな。


これっていわゆる、

“ねえ、どっちがカワイイ?”

“う~ん、コッチ”

“えぇ~、なにそれゼッタイこっちだって!”

って流れ?


かくして、実に不毛なスーツの色問題は、完全に俺を観客席に座らせたままハカセ納得の決着で幕をおろし、俺は個人的に“正直しんどい炎柄”のヒーローとして人前に立つことが確定した。


「それじゃあ、さっそくペイントに取り掛かろう」


「え、機能のテストは?」


「善は急げというだろう。機能なんて後回しでいい。どのみち私が設計したものに、間違いはないのだから」


この際、どういう基準で“善”を決めているかは考えないことにしよう。


「じゃあ一度スーツを脱ぐよ。どうやればいい?」


また音声やらポーズやら、面倒なギミックが施されてるんだろう。


「ああ、ベルトを外せ」


それだけ?


「なんだね、外しかたはバックルの裏側のだな」


「脱ぐのは簡単なんだな」


「言っただろう、まだテスト起動だからな。完成時はもっと本格的に……」


「いや!いい、簡単なほうが覚えやすいし」


慌ててベルトを外すと、瞬時にのし掛かるような重量感が消え、視界が開ける。

スーツはもとあった場所にすっぽりと納まっていた。


ハカセが元のようにガラス柱を閉じ、何やらパソコンの操作を始めると、リング状の機械がせりあがりスーツの周り囲うようにして回転し始めた。


「これでよし。あとはその装置が自動的にペイントを施してくれる」



「へえ、便利なモンだな」


少なくとも、ハカセが自らアートしたスーツを着なくてすみそうだ。


「塗料も私が開発した特別製だぞ。速乾性が無いのが欠点だが、傷や色落ちの心配はなしだ」


ハカセはまたも得意気に言った。


「さて、完成まで時間がかかる。キミ、ちょっと買い出しに行ってくれないか」


「先週、洗剤やらトイレットペーパーやら買い込んだろ?」


「まったくキミというやつは、ひとの心遣いがわからないとはな」


「出不精なハカセのかわりに、毎週のように買い出しに行ってるのが誰かわかってる?」


もちろん俺だと理解した上で、ハカセはその辺りはまるで気にする風でもなく、腰に両手を当てて鼻を鳴らす。


「ふん。ほらみろ、キミは野暮の塊だ。私が食事をご馳走しようと考えているのが、なぜわからないのか」


今の言われ方じゃ、普通はわからないよ。


「それよりハカセって料理できたっけ」


「バカにしているな?私にできないことがあるとでも言うのかね」


うん、いま俺と意志疎通ができてないよね。


「私が作る“蝸牛と牡蠣のレバーソース合え”など、ひとくちで私をお嫁さんにしたい女性ナンバーワンにするほど絶品だぞ」


どこの精力料理だよ、それ。


「実際に食べたやつの感想が聞きたいもんだな」


「あ、う」


何気ない一言に、ハカセの勢いが急に衰えた。


「食べさせる相手、居ないだろう」


「うるさいな。まずキミで試してみて、それで上手くいけば……」


口ごもる彼女に、俺は首をふる。


「ハカセ、俺を実験台にするのはやめてくれ」


「なにをケチなことを。私とキミの付き合いじゃないか。例え私が調理に失敗しても、キミなら大丈夫だと思うからこそ言うんだぞ」


大丈夫じゃないかも知れないようなモノを他人に喰わせるな。

たしかに俺は銃弾も毒も平気だが、味覚は常人と同じだ。

辛いものは辛いし、甘いものは甘い。


「せめて大丈夫になってからにしてくれ」


「意気地がないな」


よほど実験したかったのか、ハカセはため息混じりに言い捨てる。


「意気地が要るようなバクチ料理は“ご馳走”とは言わないんじゃないか?」


俺が言うとハカセは、ぷいっとそっぽを向いて何やらメモを書きはじめた。


「恨み手帳か?」


「キミはどういう眼で私を見ているのかね」


ほら、と渡された紙片には、買い出しの品々が列なっていた。


よかった。

ごく普通の内容だ。


「これなら文句なかろう」


やや冷たく横目で見られているが、俺は気づかぬふりをして頷いた。


「ああ、すぐに買ってくるよ」


「待ちたまえ、いまお金を」


言いかけているところで悪いが、俺はテレポートでその場を後にした。


まったくもう、と両手を腰に口を尖らせる彼女が目に浮かぶ。



結局その晩のスーツ完成“間近”祝いは、ダイニングの窓辺に寄せたテーブルをはさんで、俺は彼女自慢の“3分シェフ”を味わうことになった。


3分シェフは、俺がジェイムス・フェニックスとしてマスコミに露出するようになったころ、ジェイムスをパッケージやコマーシャルに起用して売り上げ倍増を目論んだ、実に勇気ある冷凍食品だ。

その手の商品としては、価格はやや高めだが、パスタもピザもフライの類いも、値段に見あった味は保証する。

特に東洋の神秘シリーズと銘打たれた商品のなかで、いま目の前にある魚料理は俺の好物だ。

今夜も白亜の皿の上から、香りたつソイツが俺の鼻孔をくすぐり、胃袋を刺激している。


フォークで切身をほぐしながら口に運ぶ俺を、頬杖をついたハカセがじっと見つめていた。


「なんだよ?」


口元を手の甲で拭いながら聞くと、彼女はクスリと笑った。


「キミは本当にそれが好きだな」


べつに手料理を振る舞っているわけでもないのに、ハカセの嬉しそうな顔が、なぜだか照れくさい。


「いや、実際うまいよコレ、確かこれもハカセが監修したんだったよな?」


気分を切り替えようと、俺は知っていながら訊ねた。


ジェイムスがらみの商品は、すべからく彼女が首を突っ込んでいるのだ。


「ああ、このパッケージだって、ジェイムスのポーズは私が決めたんだぞ」


自慢気に言いながら、ハカセは空になった包装の袋を取り出して広げた。


商品のイメージ写真の傍らに、右手を正面に突き出したジェイムスの上半身がはめ込まれ、吹き出しには“キミのお腹を3分レスキュー!”というキャッチコピーが書かれているが、まるでゼリー状の栄養補助食品の宣伝か、あるいは“空腹”と書いてないせいで、下手をすると下痢止め薬のコピーに見える。


「この東洋の神秘シリーズは私がメニューまで提案したんだ。キミが気に入ってくれて嬉しいよ」


そう言って胸を張るのが、いまの間抜けなキャッチコピーを考えた張本人であり、盗撮した写真を本人の了承を得ずにパッケージに起用した人物である。


ただ、メニュー選びと味だけは東洋人の血を引く彼女の知識と腕の見せどころだったのか、意外にも東洋の神秘シリーズは売れ筋らしい。


特にこの国に働きに来ている一部の東洋人の単身者が主な購買層だというから、実は俺が思う以上に本格的なのかも知れない。


俺のお気に入り“鯖の味噌煮”をはじめ“肉じゃが”“給食のカレー”はシリーズトップの売り上げらしい。

詳しくは知らないが、売れ行きからして従来の冷凍食品では味わえない、東洋でもご馳走とされるような料理なんだろう。


「ところで、キミこそどうなのかね」


唐突なハカセの問いかけに、俺は食べる手を止めた。


「どうって、なにが?」


「私には手料理を振る舞う相手がどうのと言っていたが、毎週のように私の家に入り浸って夕飯までせびっているキミは、いい歳をして浮いた話のひとつもないのかね、と訊いている」


どさくさ紛れに酷い言われようだ。


別に食事をせびった覚えはないし、ハカセに呼び出されて来ているのだが。


「所々、事実と違うけど、まあ毎週のように顔を出してるのは確かだな」


「ほらみろ、キミだって私と似たようなものじゃないか」


「そうだな、確かに言えてる」


考えてみれば、友人どころか知人も少ない。

ジェイムス・フェニックスを知らない人は居ないが、俺の正体を知っている人間はハカセを入れても片手に余る。


それで不自由を感じたこともないし、ジェイムス・フェニックスとしての俺は、するべきことと必要とされる舞台をもっていた。


だから、あまり俺個人のことを考えずにいられたのかもしれない。


「そんなことでは、この先が思いやられるな」


はぁ、やれやれとハカセが苦々しく首を振った。


「俺のプライベートはともかく、先のことなら目の前にやるべきことがあるだろ?」


ヒーローとしての再デビュー。

まずはそれを成功させなくては始まらない。


それは当然、ハカセも承知の上だろう。

彼女は俺の言葉に少しだけ寂しそうな表情を浮かべた。


「先のことを話すと、キミはいつだってヒーローのことばかりだな」


「ハカセよりマシだろ。先どころか、いつだってヒーローに夢中なんだから」


さらりと言い返すと、彼女は椅子に背をもたせて小さく頷いた。


「私よりマシか。確かにそうかもな」


自嘲するように笑う。


「なんだよ、らしくないな」


「うん、いや」


何でもないと言いたげな唇から、なんとも歯切れの悪い台詞が返ってきた。


ハカセが言葉を探すように視線を泳がせたあと、俺の顔をじっと見て言う。


「なあ、キミは……」


思いきるように口を開いた途端、ピピピッと甲高い電子音が鳴り響く。


あまりの間の悪さに眉を寄せながら、ハカセは白衣のポケットから腕時計を取り出した。


「時間切れだ。スーツのペイントが完了したぞ」


言いながら立ち上がり、彼女は自分の食器を片付けはじめた。


「言いかけてやめるなよ。気になるから」


「いいんだ。プライベートなことだ」


こういうとき、ハカセは絶対によくないと思っている。


「急がなくても、スーツは逃げないだろ」


しかし彼女はいつもの顔に戻って言う。


「プライベートより先にやることがある、さっきのキミの言葉だろう?」


こうなると、もう返す言葉がない。

俺たちは手早く後片付けを済ませて、地下へと降りた。


薄明かりのなか、ガラス柱の中心に、全身に猛る炎のペイントを施されたスーツが佇んでいる。


予想どおり、ハカセの好きそうな“熱血”をまさに絵に書いた仕上がりだ。


「か、完成だ!」


まっ先に、ハカセがスーツのもとに駆け寄る。

ガラス柱を開口するのも忘れて食い入るようにスーツを眺める姿は意外だったが、考えてみれば生みの親である彼女のほうが、俺なんかよりこの瞬間に味わう喜びが大きいのは当然だ。


「どうだねジミィ君!この炎のシンプルにして力強いフォルム、白地に栄える赤のコントラストとシルバーの縁取り。見たまえこの完璧なまでのカッコよさを!」


ハカセ渾身の自画自賛。


ハカセ、俺にはヒーローのデザインの善し悪しはよくわからねえ。でも、白地に赤で描かれた全体のバランスと、スーツのフォルムを見て、俺が最初に思い浮かべたのは“消防車と救急車を合わせたボーリングのピン”だぞ。


「いやぁ、これに身を包んで闘うキミの姿が早く見たいものだ。正直、うらやましいくらいだぞ」


これが本心なのは痛いほど伝わってくるが、なぜだろう、彼女が持ち上げれば持ち上げるほど、イヤミに聞こえる。


「あ~、ハカセは試しに着てみたりしなかったのか?」


「何を言ってるんだ、さっき試着してわかっただろう。これはキミのテレポートを使わないと着られない仕組みだぞ。全身が一体型に成っているからパーツごとの脱着だって無理だ」


なるほど。

作った自分が着られないぶん、余計に想いが強いんだろう。


「さあ、スーツも完成した事だし、さっそく機能テストも兼ねて出動してみるかね!」


え、いまから?


「出動って言っても、べつに平和維持局から要請があったわけでも……」


闘う相手が居ない、と言いたかったが、ハカセに遮られた。


「バカなことを言うな。このスーツを着たキミは、平和維持局のエージェントでもなければ、世間にヒーローとして知られた存在でもないんだぞ?まずはこの街の治安維持や人助けに尽力して、人々の噂にならなければな」


治安維持も人助けも素晴らしい行為だけど、噂話レベルからスタートって遠回りし過ぎじゃね?


「そんな都市伝説から始めなくても、平和維持局のお偉いさんに召喚してもらって、世界ネットで挨拶すれば済むんじゃないか?」


もともと俺はそのつもりだった。


「浅はかだなキミは。いいかね、いきなり全世界規模でデビューなんかしてみろ、初手でつまずくのは目に見えている」


どういう意味だ?


「まったく。キミはいつまで完全超人のつもりかね。キミは“弱くなってデビュー”するんだ。いきなり世界レベルの大事を持ち込まれても解決できるはずないだろう」


「あ、そうか」


今までのようにはいかないんだ。


「でも、いざとなったら本気でやれば」


「それじゃあ意味がない。あまり強さにムラがあると、誰もキミを普通超人とは思わないぞ」


なかなか面倒なもんだな。


「わかったら、手っ取り早く事件を探したまえ」


お使いでも急がせるように、ハカセが俺の肩を叩く。


「そう言われても、都合よくいくか?」


言いながらも、俺は“聴覚”を研ぎ澄ませて街の様子を窺う。

これも俺の能力のひとつだ。

普通に聴覚と呼んでいるが、俺は仮に地球の裏側でも、音が遮断された状態でも、知りたい情報を聞き分けることができる。

ハカセによると、聞き取るほうに一方通行なテレパシーとでも言うべき能力らしいが、俺は正直こんな“究極の盗聴術”は使いたくない。


「どうかね、警察官がいまだにパトロールを欠かせない街だ。昼夜を問わず事件の3つ4つは起きてるだろう」


ハカセ、それ物凄く不謹慎なセリフだと思います。


いやいやながら聞き耳を立てていると、助けを求める女性の声が飛び込んできた。


どうやら刃物を持った男に追われているらしい。


「通り魔だ!」


「なんだ小さいな」


ハカセ冗談のつもりなの?

それともアンタ最低なの?


「女のひとが襲われてんだよ、急がないと!」


ガラス柱をこじ開けてベルトに手を伸ばす俺の横で、ハカセが目の色を変える。


「なに、被害者は女性なのか!ならば相手の命は保障しなくていいぞ!」


もうイヤ、なにこの過激派。


ひとまず無視してベルトを装着した俺に、ハカセが耳栓のようなものを投げてよこす。


「これをつけて行け」


「これは?」


「小型の通信機だ。キミの声や動きをこちらで受信できる」


なるほどインカムか。

俺は右耳にそれを詰め込んですぐにテレポートした。



現場は繁華街から大通りを挟んだ旧市街の路地裏。


どの都市にも有りがちな、いわゆるあぶない地区だ。


T字路に追い詰められた女性に、男がゆっくりと近づく。

女性は踵が折れたヒールを脱ぎ捨て、震えながらも、バッグを武器のように構えて気丈にも男を睨み付けている。


物陰から二人を確認し、飛び出そうとする俺を、ハカセがインカムで制止した。


「待て!ここで変身しなくてどうする」


そうだった。

俺はベルトが虹色に輝いたのを確認し、大声で叫ぶ。


「変・身!!」


視界が渦巻き、全身がスーツに包まれるのを感じた。

いざというこの時に一発で成功できたのだから、試着時に失敗を経験したのも無駄ではなかった。


だが今はそんなことを喜んでいる時ではない。


「そこまでだ!」


唯一思いついたソレっぽいセリフと共に、俺は物陰から飛び出して、か弱き女性を刃物で脅すような卑劣な輩の前に立ちふさがる!


……はずだった。


「あ、あれ?」


男がいない。

かわりに女性が目を見開いて、なにか“信じられないもの”を見るような眼で俺を見ている。


「あ、あの。さっきの男は?」


訊ねた途端、絹を裂くような悲鳴と共に、女性のバッグがスーツの横っ面に命中した。


「なによアンタ!近づかないで!!」


「い、いや、俺は味方ですよ!あなたが追われてたから助けに……」


「アイツならアンタの大声で慌てて逃げてったわよ、今度はなによこの変態!」


怒鳴り散らし、俺をバッグでボコボコに殴り付けた挙句、女性は裸足のまま逃げ去った。


ポツンと路地に残された俺は、事態をまるで飲み込めずにいた。


「ハカセ、なにが起きたんだ?」


間抜けな質問だが、本音だ。


「キミの“変・身”の掛け声に危険を察知して、犯人は逃げたんだ。女性を狙うようなヤツだ、ひとが駆けつけては敵わないと判断したんだろう」


「俺の姿でも何でもなく、掛け声に驚いて逃げたってこと?」


なにそれ。

スーツ関係なくね?


「じゃあ変身してから助けに行くべきだったのか」


「いや無理だ。そのスーツはキミのテレポート能力をコントロールして、強制的にスーツの脱着にしか、使えなくしている。変身した姿で走っていては間に合わなかっただろう」


「なんでそんな不便なことを」


おかげで完全にスベッた登場になったじゃないか。


「普通のヒーローはスペシャルなバイクや車で移動するものだ。キミのようにポンポンとテレポートしたりはしない。これもキミの望んだ“弱体化”の結果だ」


今までのようにはいかない。

漠然とした言葉でなく、身をもって思い知らされた。


あとテレビのヒーローみたいに、悟られずに変身して颯爽と現れるのは、現実には無理だってことも。


「だが、気を落とすことはないぞ。結果的に女性をひとり助けたのだし、彼女は変身したキミの姿も目撃している。噂になることは間違いなしだ」


慰めのつもりか?

いまの成り行きで噂になったら、完全にマズイ方向で伝説作っちまうぞ。


「とにかく、一度戻りたまえ。今後のために、うまい登場のしかたを話し合おう」


「ああ、出来るだけ変態呼ばわりは無しの方向でな」


初めて変身したその夜、瞬く星ぼしがやけにボンヤリと滲んで見えた。




普通超人ジミィ


今回の決まり手

「大声」


通算成績

1勝0敗0分


備考

女性に殴られ、変態呼ばわりされた心の傷は1敗に相当するが、敵でないため除外。


ハカセの一言

「みんなも、危ないときは、まず大声で助けを呼ぶんだよ」

【次回予告】


不安と期待、夢と希望を託したデビュー戦で、見事なまでの空振りをやってのけたジミィ。


しかし、それからの地道で地味な活躍により、街ではそこそこ噂の人となる。


そして平和維持局に対し、ついに後継者として名乗り出る事になるが……。


次回、普通超人ジミィ。

第二話【早くも失格超人】


どうかよろしく!!

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