いつか一緒に描こう 銀河に広がる 満点の星空と オレンジいろの大きな月を
やっと...。
やっと
あなたに逢えました
もう逢えないと思っていたから
あなたとおそろいの
手のひらくらいの
とっても可愛い 赤ちゃんうさぎ
あなただと思って
抱きしめて 泣いた
髪を切って
お別れのお手紙読んで
あなたが好きだったもの
あなたのそばにおいて
叶えられなかった願い
せめて叶えられるのなら叶えてあげようと
あなたを想って
赤ちゃんうさぎ
ぎゅっと抱きしめた
寒かったから
コートのポッケにうさぎを入れて
一緒に見た 流れ星
「ここにいるよ♪」
「ずっと見守ってるからね...」
そう言ってくれたような気がしたよ
ひとりでさみしい思いしないように
一緒にねたの
毎日毎日 星を見て泣いた
来る日も来る日も 空見て泣いた
眠れなくなって
ご飯も食べられなくなって
ボロボロになった身体
悲しい嘘より 優しい嘘のほうがいいな...
悲しい嘘
いなくなった意味も分からないまま
残されたほうはとても辛いんだよ?
どうして 友達なのに
離れなくちゃいけないの?
「どうせ遠くに引っ越しちゃったんだし
もう忘れたほうがいいんじゃない」?
魔女の声が聞こえたから?
離されようと すればするほど
心は近づくって 発見しちゃったの
あなたは心からそう思ったの?
もう離れてもいいやって
そう思ったの?
そう思ったのなら
あなたに迷惑かけるのは
心苦しいから
あなたの記憶から
消えなくちゃ
スカートめくったり
おうちに遊びに来て
こっそりお風呂で待ち伏せしたり
お菓子たべちゃったり
今までしたこと
再び繰り返したら
その時は
あなたの元を 離れようと思います
今日ね♪
道を歩いていたら
偶然 銀行に貼られてた
あなたの絵 見かけました
これでもかっていうくらい
ほんとに楽しい
なんとも言えない
懐かしい あの素敵な絵
あなたの いろんな色の絵が
ほんとに大好きだった
ふんわりしたピンクの絵
清々しい空のような 爽快な水色の絵
寂しそうな 悲しそうな 蒼色の絵
殴り書きのタッチの爆発したような 黒色の絵
どれも素直な感情そのままで
何でこんなに才能があるんだろう...って
絵をみるたびに 心から そう感じたよ
すごく すごく大好きで
心からファンでした
あなたみたいに才能がないから
うまく表現出来なくて
どんな絵を描こう
迷って迷って 下絵を描いて
一生懸命描いても チグハグな絵になっちゃって
何回描いても 結局描けなくて...
あなたの速さに全然追い付けなくて
遅すぎて あなたはしびれをきらして
ゆらゆらイスに揺られて いつも眠っちゃうんだよね
外は 冷たい雨
あなたは たくさんの会場で個展を開いているのに
両手がふさがっているから 雨が降っても 傘がさせなくて
足がないから いろんな教室にも行けなくて
電池ぎれで
発表会の時にしか教室には通えないかもしれないけれど
あなたみたいに 絵が上手じゃないけれど
一生懸命描くから
心優しく 待っててね
誰にも見えない きらきらの糸
誰にも切れない 深く太い 金の糸
あなたが寂しくないように
あなたの心が げんきになるように
できれば心
側で一緒にいたいな
近所の友達はちょっぴり いたずらっこ
少女は 「可愛い女の子の絵を描こうかなっ♪」
言っただけなのに
いつの間にか 髭のおじさんが
背中をゴシゴシ
乾布摩擦してる絵なんか描いて
赤い花なんかくわえさせちゃって
あなたの部屋に飾っちゃうの
何度も何度も 勝手に飾って
ひとりで楽しんでるやんちゃな子
あなたは少女の絵心わかってるから
「またいたずらしたな!!」と
庭で追いかけっこ
あなたの絵心 わかりたいから
あなたの天才オーラ 輝けばいいな
あなたはいつも
ふらふら勝手に遊びに行っちゃって
戻ってくるのは最初の場所
最初から同じ場所で待っているのに
疲れちゃうよ♪
少女の絵のテーマはいつも一緒
いつも月と星が並んでいる
静かに微笑むような癒しの絵
夢の中でしか逢えないけれど
いつか一緒に
描けたらいいな♪
銀河に広がる 満点の星空と
オレンジいろの大きな月を
初めての作品なので、温かい心で読んで頂けたら嬉しいです。