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国主様と猫  作者: 灰波
国主様と猫と怒竜期
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1.猫の賑やかな一日

ぼくがこくしゅさまにひろわれてからはじめて、どりゅうきがやってきた。

いままでは、さむくなる前にかぜがつよくてごろごろといやな音がなる日が、なんにちもつづくなぁっておもってた。

このじきのことを「どりゅうき」っていうんだって。

きしさんがおしえてくれたんだ。


むかしりゅうがこの国にいたんだって。

りゅうががおーってこわかったけど、おにーさんがたおしたんだって。

きっとこくしゅさまみたいにかっこよかったんだね。

でも、たおされちゃってりゅうはおこっちゃったんだ。

それで、みんなをこまらせるために、一年のこのじきにかぜをふかすんだって。

たおされておこっているのをわすれるなって。

わるいことしたから、しかたないのにね。


いままで、なんかいもどりゅうきをすごしたけど、りゅうのせいだなんておもわなかった。

ちょっとこわいよね。

でもこくしゅさまがなんとかしてくれるかなっておもったよ。


こくしゅさまはこんな天気なのに、おしごとがあるみたい。

かぜがおさまるまで外にでちゃいけないってさ。

ぼくだって、天気のわるいときに外にいきたくなんてないよ。

だから、しばらくはきしさんとこくしゅさまの家の中で遊ぶことにしたんだ。

こくしゅさまの家の中はすっごく広くて、おもしろいんだよ。

まだぜんぶはまわりきってないんだ。

外にでられなくたって、こくしゅさまがいそがしくたって、楽しいことはいっぱいあるからへいきだもん。


きょうもきしさんにべんきょうをおしえてもらったあとに、たんけんにでかけたんだ。

べんきょうはゆうがただとねむくなるから、朝にしてるんだ。

さいきんは絵本をよんでべんきょうしてるんだよ。

どりゅうきも絵本でおしえてもらったんだ。


きょうの家の中は、どりゅうきのせいなのか、みんないそがしそうだった。

みんながいそがしいなら、こくしゅさまもいそがしいのはしかたないのかも。

いつもおかしをくれるおばさんも、きょうはあたまをなでてくれただけだった。

ちょっとつまんないなぁとおもっていたら、ぼくのめせんがきゅうに高くなったんだ。

とおいところまで見えて、「すごいたかいや」っていったら、「そうかいそうかい」ってわらいごえがきこえてきた。

みおろしたら、もじゃもじゃむきむきのおじさんがいた。

ぼくはおじさんにかかえられていたみたい。

ぼくみたいなこどもがいるのってめずらしかったんだって。

だから、ついつまみあげたっていってたけど、びっくりするよね。

まぁ、たのしかったからいいけどね。


おじさんはおしごとでこの国にきたんだって。

りゅうがおこらなくなったらすぐにおしごとができるように、こくしゅさまの家にきたっていってた。

おじさんのおしごとがおわったら、雨がふらなくても水がのめるようになるんだって。

こくしゅさまがいそがしいのは、おじさんたちにおしごとをおねがいしていたからみたい。

おかしのおばさんがいそがしかったのも、おじさんたちのおせわをしているからだって。

水がのめるようになるためならしかたないよね。

ぼくものどがかわいているのに水がのめないのは、もういやだもん。

そんなおしごとができるおじさんたちをよんだこくしゅさまは、やっぱりすごいなぁっておもったよ。

ぼく、こくしゅさまに遊んでもらえなくてもがまんするよ

「どりゅうき」のあいだはおじさんが遊んでくれるっていってたしね。

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