1.猫の名前
なんとね、今日はついにこくしゅさまがぼくに名前をつけてくれたんだ。
その時はそろそろ、こくしゅさまがもちきれないくらい大きくなったかなと思って、だっこしてもらったんだ。
そしたら、かるがるとかかえられちゃったんだけど、そのままこくしゅさまが言ったんだ。
ようやくおまえの名前がきまったよって。
正直、すっかりわすれていたからびっくりしちゃった。
つけてくれるって言ってからけっこうたってたし、なくても困らなかったし。
でも、せっかく考えてくれたのに悪いなぁって思ったから、すごく待ってたって顔をしたよ。
そうしたらこくしゅさまが教えてくれたんだ。
こくしゅさまの名前はこくしゅさまのふるさとにいる灰色のおおかみからつけられたんだって。
そのおおかみは青いねこを拾って育てているんだって。
おおかみとねこは今でもいっしょになかよくくらしているんだってさ。
だから、こくしゅさまはぼくにねこの名前をくれたんだ。
ぼくたちもそのおおかみとねこみたいになかよくしようってことだって。
でも、なんか、名前は長くておぼえられなかったんだ。
こくしゅさまの名前もぼくの名前もどっちもね。
そう言えば、こくしゅさまにも名前があるんだったねって思っただけだったよ。
今まで使ってなかったんだもん。
しかたないよね。
困ったなぁって思ったんだけど、こくしゅさまはちゃんとおぼえるまではあだなを使えばいいって言ってくれたんだ。
みんなにもあだなのほうでよんでもらうようにおねがいしておくって。
こくしゅさまが紙にこくしゅさまの名前とぼくの名前を書いてくれたから、がんばっておぼえようって思ったよ。
あとできしさんとかおかしのおばさんとかの名前も書いてもらったんだ。
きしさんとかおばさんの名前は短いからおぼえやすいけど、こくしゅさまの名前はちょっとじかんかかるかも。
こくしゅさまの本当の名前はぼくと同じくらい長いんだ。
あだなのほうでいいよって言ってくれたけど、ちゃんとした名前を覚えたいよね。
名前があるのって、なんかうれしいね。
まだなれてないから、よばれてもきづかないことのほうが多いんだけどね。




