夜を歩く【200文字】
皆が寝静まった頃に、こっそり散歩に出かける。
薄く霧の出たヒヤリとした空気に、眠気はどこかに行った。
何も無い田舎は不便だが、こうして見上げる壮大な星だけは最高だ。
やっぱり凄い。
本で見た夜空も、こうやって見上げればただの印刷物でしか無いと分かってしまう。
それぞれが揺れ煌めく様にどこか憧れ、飽く事無く見続けていたが、このままでは30m程で散歩が終わってしまう。
秋の虫が鳴く中で一人笑い、再び足を動かした。
昨夜の赤味を帯びた月がきれいだったので…
でも、今いる場所では星が見えないので、昔の話。