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春がほどけてゆく

作者: 菜の花
掲載日:2026/03/23


ふぅっと深く息を吐く

朝の空気はまだ真っ白のまま

僕の目の前に

小さな雲がひとつ


窓にはぽつり

露がついている

急な硝子のすべり台を

ゆっくり

ゆっくりとすべってゆく


枯れ草の上に落ちた朝露

その下でねむるのは

やわらかな緑

ふかふかの土のおふとんで

まだぐっすりの小さな芽


まだ見ぬ光の大きさに

胸いっぱいの希望を抱き

まばゆい太陽を夢に見ていた


遠くでかすかに聞こえる鳥の声

土のなかで共鳴する小さな命の粒


やがて

大空にひびが入る

青は滲んで川となり

冷たい北風を静かに

静かに連れ去ってゆく


春はまだ

姿を見せない恥ずかしがりや

大きな空や海

太陽や月の影にかくれて

ちぢこまってばかり


けれど

凍てついた指先を

ふと撫でるぬくもり


ああ、くる

もうすぐ春がやってくる


もうすぐ

春がほどけてゆく

ご覧いただきありがとうございました。


春が近づいてくる気配。


誰かに届きますように。

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