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95話

 


「先生「セイレーンの声」ってなんですか?」


「いま言ったでしょ私のスキルって」


「あの、そういうことではなくてどういうスキルなんですか?」


「そんなの教えないよ。みんな秘密にするでしょ、サブレも」


「そうですけど、えーとこの状況をどうにかできそうなスキルなんですか?」


「えーもうだから言わないってば」


「ちょっと先生お願いしますよ。俺が困っているのは分かっているじゃないですか」


「それはわかってるけど、うーん………だったらなんかちょうだい」


「どういうことですかそれは?」


「だって対価をもらえないならやらないよ。できるだけ内緒にしてたいしそんな簡単な女だと思われるのも悔しいし」


「対価ですね、もちろん払いますよ、払わせてください」


「いいよいいよ、なんか私をうわー!っと楽しくさせてくれそうなやつでお願いね」


「なんですかそれ、すごく難しいこと言ってますよね?」


「そうかなぁ?でも私結構助けてあげてるんじゃない?いろいろと教えてあげたから分かったでしょ?斬首丸権蔵だったら貸してあげてもいいし、それに呪術師を探してもいいんだし」


「それはちょっと………」


「それ以上は求めすぎだよ。だって考えてみてよ、サブレはもう私の生徒ってわけじゃないんだよ。もともとほとんど話したこともないんだし卒業したら他人だよ。それなのに私は授業を自習にしてまで時間を取ってあげたんだよ。何にもなしにこれ以上してくれなんてそれは無しでしょ」


「金じゃだめですか?いま結構自由に使える金はあるので出せそうなんですけど」


「それは最悪の質問。お金で解決しようなんてそれは一番嫌いな答えだな、そんなこと言うなんて思わなかった。そんなの脂ぎった金持ちと一緒じゃん、お金で何でも解決できるみたいな」


「そういうつもりではなかったのですが」


「じゃあどういうつもりで言ったの?教えて。お金で解決できると思ってお金の話をしたんじゃないなら、どういうつもりでお金の話をしたの?」


「いや、あの、すいません………そういうつもりでした」


「ほらやっぱり!もう駄目、そういうの本当駄目だからね。しかも誤魔化そうとして嘘までついて。もう駄目絶対に許しません、もうどうにでもなっちゃえば?知らない人だから私にはもう関係ないし」


「すいません、本当にすいません。どうか許してください」


「なんかさぁ、男って謝ればいいと思ってるよね?本当は悪かったと思ってないでしょ?」


「いえ本当に悪かったと思っています」


「言葉じゃなくて行動で示してよ。もうサブレの言葉なんて信用薄いよ?」


「そう言われましてもすぐには何も思いつきそうにないです。とりあえずこの呪具を何とかしてそれからじゃダメですか?」


「今がいい、わたし待たされるの嫌いし男っていつも前の失敗なんかすっかり忘れておんなじことを繰り返す生き物なんだ」


「そういわれましても………」


「いっぱい秘密持ってるんでしょ?教えてよ」


 先生の笑顔に心が揺れる。


 それは今までにない妖艶な笑みだった。


「うーん………いえ、なにも話せそうなことは」


「えー本当?なんか話しそうな感じだったけど」


「すいませんが何もないです」


 この先生はなぜかサブレさんに対して疑いを持っていたらしい。何もないとは言ったけどあの答え方だと隠しているのはバレバレだ。いまのサブレさんがいつものサブレさんじゃない、終止おされっぱなしだ。


「うーん………じゃあ後払いでもいいよ。なんか面白いことがあったらその時に言いに来てくれれば」


「いいんですか!?」


「すごく無邪気な顔だね、そんな顔初めて見た。けどちゃんと約束は守ってよ?」


「もちろんです、ありがとうございます!」


「その代わりいくつか私の質問に答えて?」


「質問ですか?」


「うん。サブレにはずっと聞いてみたかったことがあるんだ。今日はそれを手付金代わりに置いて言ってよ。こっちも譲歩してあげるんだからそれくらいはいいでしょ?」


「わかりました」



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