67話
光は僕が持っているカードが発していた。目も開けられないくらいの強さなんてものをとっくに通り越して僕は光に跳ね飛ばされていた。
「モルン、モルン私はここにいるよ」
ウミカの声。
僕は声のする方に必死に手を伸ばした。温もり、それはウミカの手のぬくもりだった。僕は離さないように両手でしっかりとウミカの手を握り締めた。
光が収まっていると感じた。
「カードが無い、あのエニグマのカードが」
地面を転がっているうちにすごく価値があるというカードを手放してしまったことに気が付いて僕は焦った。
「カードを探さないと」
目の前は真っ白で開いても何も見ることができない。
「モルン落ち着いて、私はだんだん見えるようになってきたからモルンだってもう少ししたらそうなるはずだから落ち着いて。カードは目が元に戻ったらゆっくり探せばいい。そんなに遠くには落ちていないはずだから」
ウミカの声に僕は落ち着きを取り戻してきた。そうだ、大丈夫だ。ずっと目が見えなくなったわけじゃないんだ。
「サブレさん、サブレさんは大丈夫ですか?」
光を放ったあのカードの一番近くにいたのが僕でその次につか買ったのがサブレさんだから僕と同じくらい目をやられているに違いない。
「サブレさん?」
返事がない。
「あの人なら絶対に大丈夫だから心配しなくてもいいと思うよ」
代わりにウミカが答えてくれる。まあ確かに僕でも目以外は異常を感じないくらいだから大丈夫だとは思うけど、それにしても返事がないのは気になってしまう。
「コロネさんは大丈夫?」
「目の前が真っ白で何も見えなくて不安だったけど、みんなと一緒だってわかったらなんか落ち着いてきた」
「よかった」
「コロネでいいよ」
「え?」
「同い年だから」
「うん、わかった」
「目が見えないというのに何をイチャイチャしているんですか?」
「そんなことしてないよ」
ウミカの言葉にドキッとした。
「私段々見えるようになってきました」
「え、本当?」
「うん。光った時みんなから少し離れていたからだと思う。あの仮面の人が怖くて近くに行きたくなかったの。私のために野菜を買ってくれようとしてたのにごめんなさい」
「いや全然いいんだよ。コロネの言う通り僕も距離を取っておけばよかったと思ってるくらいなんだ」
「モルン、私も少しずつ見えるようになってきた。私もモルンより離れていたし光ってすぐに目をつぶったから」
「それじゃあサブレさんは?カードはわかる?」
「そこまではわからない。ただぼんやり見えるようになってきただけだから、そんなに焦らないでもう少しすればちゃんと見えるようになってくると思うから」
「う、うん。ごめん」
妹にそういう風に言われるとなんだか恥ずかしい。
「え、えええ!?」
「どうしたのコロネさん」
「段々見えるようになってきたんだけど、なんか私たちの周りに周りに人が集まってきていて………」
「人?」
「わたし、怖い。なんだかさっきからどんどん人が集まってきている。絶対男の人、怖い」
一体何が起こっているんだろう、怖いってなんだろう。僕の目はまだ真っ白なままで何の情報も与えてくれない。
「ウミカ、目が見えるようになったらすぐにカードを探してちょうだい。もしかしたらほかの人に取られちゃうかもしれない。すごく高いものだって言ってたからお願い。僕はまだ全然目が元に戻ってないんだ」
「両手を上げろ!!」
威圧的な男の人の声が耳元で破裂した。




