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98てぇてぇ『年末特別配信・ワルナイ2nd・バックステージ【熱い場所】』

今日は挑戦として、0時から大体2時間毎に更新して、24時間配信風でお届けしています!

100話目指して頑張ってます! あと、2話!

【榛名千代視点】



心臓がばくばく言ってる。


だらりとなっている鉄輪ワカナさんを見て、頭が真っ白になった。

だって、今日は楽しい年末イベントのはずで、みんな笑ってて、最後まで笑って終われるはずで。


なのに。


知らない所で倒れてて。


でも、あの人が支えていて、みんな、あの人を信じてて。

滅茶苦茶出来る浦井さんもあの人ならなんとかしてくれるって信じて、社長に直談判して時間調整までして、社長もそれを信じて、少しだけという約束で変更してくれた。


『まあ、叩かれるのは慣れてるし!』


社長はそう言って笑った。

黒川社長はオレの思う社長像とはかけ離れた気のいいお姉さんって感じで。

でも、今は、色んな調整や連絡をものすごい速さでこなしている。


『社長、今度飲みに行きましょう。奢ります』


浦井さんはそう言って笑った。

浦井さんはフロンタニクスからこっちに来た社員さんだけど、凄くフレンドリーだしいつも旦那への愚痴に見せかけたのろけばっかり言ってくる困ったお姉さんって感じで。

でも、今は、技術から何からと話しながら進行をまとめている。


オレは。


「榛名さん! 何か出来ることはありませんか? 私も手伝います」

「忍野さん……いや、でも、他事務所の人にそこまで……」

「分かってます。内情を探ろうって言うつもりはありません。雑用でもなんでもいいからやらせてください!」


忍野さん。

元フロンタニクスの社員で今は上り調子のVtuber事務所『めたばあ』のエースVtuber『丸尾るか』のマネージャー。挨拶がステキで、ウチの社員たちもめろめろだ。


「なんで……?」

「なんで? なんで、今、動かないんです? だって、大好きなVtuber達が困ってる。Vtuberが大好きな人たちががっかりするかもしれない。それを助けたいから、私はマネージャーなんです! あなただってそうでしょ」


オレは……何を考えてた?

オレは……榛名千代。

Vtuberが大好きで、その情熱でワルプルギスに入った女だ。


出来る事なんて少ない。

でも、ないわけじゃない!


「忍野さん! ちょっと浦井さんの所で相談しにいきましょう! オレだってVtuber好きなんスよ!」

「はい! 負けません!」


二人で肩を並べて浦井さんの所で向かう。

気持ちだけでもオレは。





「……で。ボクとうてめ様と、さなぎちゃんと、るぅしーどで時間を繋いでほしいと?」


浦井さんのところに行ったあと、浦井さんと忍野さんが出した結論は、めたばあの丸尾るかさんと、個人Vのるぅしーどさん、そして、ワルの二人での特別トーク配信だった。

プレミアム感のあるイベントであれば、ファンも納得していただけるのではないかという考えだった。


「お願いしまス! どうか、どうか、ウチのVtuberの為に」

「……他事務所のVtuberなんだけどね。ボクは」


それもそうだ。ゲスト出演だけでもありがたいってのに。

そう思って次の案に移行しようとした時だった。

忍野さんが丸尾さんに近づく。


「るかさん、天堂さんが楽しみにしてるって言ってました」

「行こう」


あっさりだった。


「ちょっと待って。あたしたちだってやるわよ、ねえしいど」

「は、はい! ふふふ。がんばってアピールしましょうね、るぅさん」

「は、はあ!?」


るぅしいどさんものってくれる。そして、


「さなぎ、私達が一番盛り上げるわよ」

「は、はい! が、がんばりまひゅ!


一気に空気が変わっていく。そして、浦井さんが一気にスタッフに指示を出し始める。


風が、吹き抜けるような感覚だった。


「音響チェック! 全員のマイクの準備」

「映像班! 確認するぞ!」

「スタッフ、告知の準備するわよ。SNS関連全部つかえるもの使うわよ!」

「さあ、面白くなってきたわね! 社長命令よ! 一緒に絶対成功させましょう!」

「「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」


熱気と風が嵐みたいに吹き荒れ始める。


すごい、これがVの現場……!


オレが驚いてると忍野さんが近づいてきたのでお礼を言おうとすると、笑ってオレの耳元で囁く。


「イエスマンじゃダメなんです。何がVの為に一番いいか。その為になら憎まれてもいいんです」


あの人と、同じことを……。

オレにはまだうまくやれない駆け引き。だから。


「あ、あの! うてめ様、さなぎさん、いつものドリンク用意してまス! るぅさんはこれ、しいどさんはこれがよかったスよね? 丸尾さんはこの飲みもの好きだって配信で言ってたんで用意させていただきました! よかったら!」


オレはオレの出来ることをやるだけだ。


「あの人みたい……ふふ、やるわね。榛名さん」

「まだまだまだっす。でも、がんばります!」


Vは熱い、Vtuberは熱い、けど、それを支える人間だって熱い!


オレは雑用を探して、また、走り始める。

違う事務所のあの人の背中に追いつくために。

お読み下さりありがとうございます!


100話目指してがんばってます!


評価ポイントが増減ありで100ポイント入れば、10,000の現実目標に達成。

理想目標は1,000ポイント入って、総合ポイント20,000!

言うだけタダ! 頑張ります!


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― 新着の感想 ―
[良い点] >>あっさりだった。 に草
[一言] 熱い魂が見える。 皆てぇてぇな~。
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