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83てぇてぇ『【重大告知あり】凸待ちってぇ、マジ勇気いるんだってぇ』

後書きに告知あります、よければ。

「さなぎちゃん……大丈夫?」

「だりゃっ、すぅー-、だぃじょぅぶぇっす……」


ASMR配信でも聞けないような超絶ウィスパーボイスでさなぎちゃんが答えてくれた。


今日はさなぎちゃんの【凸待ち10人来てもらえたら、告知できる枠】が行われる。

凸待ち配信。配信中にメンバーに突撃してもらい、トークをするのが今回の企画。


だけど、本人は昨日からずっと震えている。


「大丈夫っすよ! さなぎさん! 自分は信じてます!」


榛名さんが励ますと、さなぎちゃんは、


「あ……はい! そうですね! がんばります!」


そう言って笑う。そして、


「じゃあ、準備してきますねー! あははー」


自分の部屋へと戻っていく。


「流石にオレでも分かるっすよ。さなぎさん、無理してますね」

「ですね。……ところで、榛名さん、なんで割烹着を?」


今日の榛名さんは割烹着を着てた。


「はっはっは! よく気付いたっすね! 割烹着と言えば、日本のお母さん! アンタには出せない母性でアピールしよう! そう思ったわけっすよ!」


そう言って、榛名さんは胸を張った。

そういうことらしい。


「……これで、少しでもさなぎさんが笑ってくれて元気になってもらえたらって思ったんすけど、うまくいかなかったみたいっすね」

「榛名さん……」


この人は本当に頑張り屋だ。

正直普通の人には、生活時間の違うVtuber達のお世話係なんて一部だけだったとしても大変だ。

ただでさえ、今上り調子のワルプルギスのしかも、今イチオシのワル学メンバーを担当しているマネージャーで激務に違いないのに、こうやってメンタルケアまで考えているんだ。

そして、悔しがっている。出来ない自分に。


榛名さんが俺の視線に気づき、話しかけてくる。


「なんスか?」

「あ、いや、かっこいいなあって」

「んなっ……!」


俺がそう言うと榛名さんは眉間に皺を寄せ顔を真っ赤にし始める。

げ!? なんか地雷踏んだ!


「アンタって人は……! あ、あ、あ、あ、アタシ、じゃなかった! オレは、今は、さなぎさんのお母さんになりたいんスよ! だだだだから! かっこいいとか言われても全然嬉しくないんスからね!」


え? ツンデレ?


いや、ちょっと待て……。


さなぎちゃんのお母さん?


あ。


「榛名さん! それ、脱いでください!」

「ほえ!? こ、こんなところで!? も、もっとロマンチックなところじゃないとや……じゃなくてぇええ! 変態かああ! アンタ!」


そう言って、俺に赤鬼の形相で近づいてくる榛名さん。

ものすっごく嫌な予感がする!


「榛名さん! やめましょう! すっごいヤバい事になりそう!」

「やややややヤバい事になるつもりなんスか!? アアアアアンタなあ!」


俺に殴りかかろうとする榛名さん。

案の定、こける。なんでなんにもないところでコケられるの!?


そして、お約束とばかりに俺を押し倒し、俺の首あたりで女の子座りする榛名さん!

いや、どうしてこうなった?!

頭の上には割烹着の白い布が見える。そして、そのテントの上には榛名さんの膨らみ。

女の子らしいせっけんの匂いにくらくらする。


「ぎゃああああ! な、なんなんスかあ! ちょっと起きろ!」

「いや、こっちの台詞ですよ! いや、今起こしちゃうと割烹着と榛名さんの間に俺が!」


無理矢理俺を起こそうとする榛名さん。

割烹着はそこまでエプロンのような遊びはないから起こされて上に持っていかれると当然どんどん榛名さんに近づいて。


ふにゅ。


「ほぎゃあああああ!」

「ええい! 失礼しますね!」


俺は無理やり榛名さんの脇に手を突っ込み、出来るだけ持ち上げる!

内側の柔らかい感触は許してほしい!


「ん、んんんんっ……!」

「ん、んんんんっ……! じゃねーんよ! 榛名さん! ライン越えちゃうから! 自分で立って!」


なんやかんやあって、俺と榛名さんは離れることに成功する。

二人して息を切らしていて、それをそーだに見られ、なんか納得した顔で去って行ったのが怖いけど、一旦無視だ。


「はあはあ、すみません……榛名さん、俺が悪かったです。その割烹着を貸してもらえませんか?」

「はあ?」

「俺が榛名さんのおかんになります!」




「さなぎちゃん……今、いいかな?」


俺は、凸待ち配信の準備をしているだろうさなぎちゃんの部屋をノックする。


『るいじさん? あ、はい……はい!? 部屋に入る! ということ、お部屋デート!? むむむーどなお香、どこに置いたっけ? あ、今日着てるのって……え、えーと、ちょ、ちょっとおまちください! 3時間くらい』


いや、配信始まってるんだワ。妄想さな漏れひどいな。


「えーと、じゃあ、出て来てもらってもいい? 配信前にちょっとごはんもってきただけだから」


そう言うと、静かになる中。

そして、開かれたドアの奥には、真っ赤な顔のさなぎちゃん。


「あ、あの、すみません……わたし、ちょっと勘違いしてて……」


うん、結構勘違い口に出しちゃってたからね。

配信ではプロだからしないだろうけど、気を付けてね。


「それで、ごはんって……」

「うん、これ……」

「これって……」


さなぎちゃんの前に差し出したのはきなこをまぶしたおはぎをひらたくしたようなもの。


「これ、わかるかな?」

「……はい、そらきたもち、ですよね?」


そう、俺が作ったのは大分の一部で作られてるそらきたもちというものだ。

さつまいもと小麦粉、きなこが主だから作れてよかった。


「でも、なんで……?」

「むかし、一回配信でこれの話してたから。おばあちゃんとおかあさんが作ってくれたこれが食べたいって……そん時に調べて知ったんだけど、急な来客が来ても『そらきた!』ってくらいすぐにつくれるから『そらきたもち』って言うらしいね。だから、願掛け。そらきた! って、きっと来てくれるよ」


そう言って差し出したそらきたもちをさなぎちゃんは口に入れて、もぐもぐとしっかり噛みしめる。そして、呑み込むと、ぼそりと言った。


「ありがとうございます……。わたし、こわいんです。昔、いじめでまちぼうけされて、ずっとずっと一人で待ってたことがあって……勿論、凸待ち0人もネタになるから大丈夫って分かってるんですけど、でも、こわくて……」

「でも、さなぎちゃんはやろうと思った。それは、どうして?」


さなぎちゃんは俺の問いかけにしっかりこちらを見て答える。


「ビビってる自分を変えたいからです……! 十川、さなぎ、は……みんなと一緒に飛びたいから、わたしがビビッていちゃダメだからです。都会から逃げて、田舎に行った自分に戻りたくないから」

「そうだね。でも、一つだけ忘れないでね。君は都会から逃げたとしても、田舎でパワーアップして帰ってきた。もう一度飛ぶために帰ってきた。君の中に、もう勇気はあると俺は思うよ」


俺がそう言うとそらきたもちを一個がぶりと食いつき、ほっぺぱんぱんにしたさなぎちゃんが一度苦しそうにして部屋に引っ込み、口のまわり水ときなこだらけで帰ってくると、皿を受け取り、


「ありがとうございます。今は、ひとりじゃないですもんね、るいじさんにもらった勇気、ファンの皆さんにもらった勇気、ともだちや仲間にもらった勇気がわたしの中にあるから……。精一杯とんできます……ふふ、がんばるね、お母さん」


割烹着を着た俺にそう言って、さなぎちゃんは部屋に戻っていった。

小さな背中が大きく見えた気がした。


そして、配信が始まる。


『みなさん、こんさな~! 今日も一緒にみんなと、とぶぞ~。ワルプルギス所属十川さなぎです! 今日は、凸待ち配信、しししかも、10人来ないと告知出来ない配信ということで……あの、がんばります! きょ、きょうは、来なかった時の為にいっぱい色々用意しているので!』

〈こんさな~〉

〈とぶぞ!〉

〈たのしみたのしみ〉


『とととというわけで、えーと、まず最初に……はわあああ! ……えーと、一人目きました……』

〈早い恐ろしく早い凸〉

〈俺でなきゃ見逃しちゃうね〉

〈よかったー!〉


さなぎちゃんは嬉しそうに凸してきたワルメンと話始める。

正直、今回の告知内容について他のワルメン達は想像がついていただろうから結構な数が来ると踏んでいて俺はまったく心配していなかった。それに。


『えへへへへ~、凸ありがとうございます~』


ここまで勇気を持って頑張ってきた彼女ならきっとうまくいくと思った。

それだけだ。


だけど、心配なことが一つ、俺には合った。


その心配は残念ながら的中してしまう……。




『えーと、残り4時間で10人達成しちゃったんですけど……わたしのソロ配信でだいじょうぶです?』


速攻で10人が立て続けに凸してきた為に、すぐに終わった。

今回は、マネージャーさんが3時間もあれば十分ですって言ってたのにかたくなにさなぎちゃんが『6時間でお願いしますぅううう! さなぎ如きゴミムシが3時間で10人もきてくれるわきゃねーしょおおお! ぼっち舐めんな!』と主張した為に、6時間の枠を立てていた。

まあ、達成したから終わってもいいっちゃいいんだけど、みんなとの約束を守りたいさなぎちゃんはそうはしないだろう。


『じゃ、じゃあ、達成というころで告知しちゃいますね、えへへ……』


この配信で彼女自身もワルプルギスのVtuberとして認められていることをより実感してくれたことだろう。きっと、アレでも彼女は高くとんでくれるはず。


『あ、あの! 年末に! ワルプルギスの夜2nd~24時間ワルメンかわるがワルナイト~が開催されます! 是非、ごりゃんくだしゃああ!』


盛大に噛んだ。さすが、さなぎちゃん。


さて、告知も行われた。


年末ワルプルギスイベント、ワルメンバー総動員の一大イベントだ。


もう少しで始まる本番に向けて、俺も全力で支えますか!




『えーと、じゃあ、歌いますね』


うん、さなぎちゃんの配信をゆっくり見ながら色々作業しようかな。


まあ、このあと、他のワルメンもやってきて配信自体は平和に終わった。

お読み下さりありがとうございました!


以下、【告知】です!


というわけで、ひよっこVtuber好きだぶんぐるの予想以上に多くの方に愛して頂けているこの作品で何か楽しい事が出来ないかなと思いまして、2022年12月31日1日かけてのに約12話程度の年末配信編を行おうと考えています!


それに伴いまして、【このてぇてぇが見たい!2022】が出来ないかなと思っています。

このペア、コンビの『てぇてぇ』が見てみたいというご意見ありましたら教えて頂けると嬉しいです。まあ、来て数件と踏んでいますが、奇跡が起きて沢山になった場合は、執筆スピードも加味して、数組に絞らせていただきます(一応、もうベースは書いており、変更する形になります)。


2023年、ちょっとリアルが忙しくなるかもしれないので、年末楽しく『Vオタ』で盛り上がれたら嬉しいなと思っていますので、よければ!

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― 新着の感想 ―
[一言] なぎさちゃんと飛ぼう! てぇてぇっす 年末忙しすぎて、感想遅くなっちまった。 年末スペシャルも楽しみです。 希望は、 うてめ様とそーだのウテウト談義 なぎさとガガの他の人んち、それ行けっん…
[一言] 地元大分県なのに知らんかった。姫島村のか……そら知らん。 そしてググって一番上に出てくるのは農林水産省なの草。
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