74てぇてぇ『海外ってぇ、陽キャなイメージがあるんだってぇ』
「(英語)っていうことが、あったの! うてめ様。ルイジ、すごくない?!」
「(英語)ふふ、すごいわね……(日本語)すごいわ、ルイジ……」
とろけるような瞳で嬉しそうにこっちを見てくる姉さん。
流石に恥ずかしい……!
ちょっと、気障にやり過ぎた気がする……!
けど、あの時の俺はそれが一番いい方法だと思っていた。
チラリと、メイを見ると、弁当箱を傾けてかき込んでいるけど、多分それ空じゃない?
真っ赤にした耳が見える。
「(英語)あははは! メイ、照れてるー! でもさ、嬉しかったでしょ! あそこまでやってくれる人が居るなんて!」
「…………ウン、ウレシカッタ」
日本語でメイが、そう言った。
それだけで、俺は嬉しくて仕方なくて泣きそうだった。
「(英語)メイってほんとに愛されてるよねー!」
「(英語)ヤミ、やめろ」
余りにもヤミが言い過ぎたせいか、弁当箱の向こうからじとーっとした目を向け、ちょっと低めの声で威嚇している。
「(英語)なんでぇ? 嬉しいでしょ? ルイジにここまでやってくれたら、大好きでしょ? そういうのを言葉にして行った方がいいよー!」
「(英語)そ、そ、そういう言い方やめて。ワタシに好きって言われても、ルイジは迷惑だろうし、その、ワタシなんか」
「(英語)メイ。ワタシなんかって言うのはトークでのネタだけにしとけ。もっと自信持て。俺は、お前の事好きだぞ」
「アンギャアアアアアアア!」
「(英語)あ、その、Vtuberメイとして、と、友達としてな、な?」
「はあはあ……うい……!」
メイがショートしかけている。顔を真っ赤にしてひっくり返した空の弁当箱を被っている。
「(英語)ふふふ……メイ、かわいいわね……でも、ルイジは、私のものよ」
いや、あんたのものでもないわー。
姉さんが自信満々に言っているが、俺はどうコメントすべきなんだろうか。
「(英語)いやー、ルイジイイ男だもんねー! ルイジ、ヤミもルイジのこと大好きだよー! ちゅっちゅ!」
「はいはい」
「(英語)スルーすんなあああ! ヤミを見て! ヘイ!」
ヤミが俺の腕に抱きついて、ものすっごい近づいてくる。
流石海外のコミュニケーションは積極的だなあ。そして、やっぱり海外の子はすごいなあ。
ボリューム感がすごいなあ。
そして、それよりはちょっとお淑やかな柔らかさが逆側から。
姉さん、やめて。
そして、正面では、メイがほっぺたぶくーっとさせながらこっちを見ている。
「(英語)へい、ヤミ。あまり私のルイジに近づかないでくれる?」
「(英語)えー? うてめ様のモノなの? ねえ、ルイジ?」
「(英語)い、いや、違う、けど」
「がーん」
いや、がーんじゃないんだワ。姉さん、本当に独り立ちしないと。
それに、がーんっていうけど、全然離れる気ないよね。
むしろ、ショック受けてるふりして身体をこっちに倒さないでくれるかなあ。
「(英語)ふふふ、ねえ、ルイジ。今日、ワタシ配信やるから見てて」
「(英語)え? 今日は休みのはずじゃ……」
「(英語)やりたくなったの! 今日、こんな楽しい思い出、すぐに話さないと! ああ、大丈夫よ! 二人はオフだからね! 友達と遊んだっていうのを話すだけ!」
そう言って、ヤミは立ち上がる。
「(英語)ちょっと、待って……」
メイがほっぺた膨らませたまま、立ち上がって、ヤミを見つめている。
「(英語)ワタシとコラボしよ……!」
「(英語)メイも、今日は休みじゃ……」
「(英語)ルイジは黙って」
「はい」
メイは、弁当箱を両手で持って、俺の所に持ってきて、
「ゴチソウサマでした」
そういって俺に弁当箱を渡すと、顔をあげて俺を見つめ、
「(英語)見てて、ルイジ。ワタシ達の配信」
「(英語)ふふふ、最高のオフコラボ、見せてあげるね」
そうして、二人のオフコラボが行われることになったのだった。
『ヤミの配信はとってもヤミ~! オイシイヨ! 陰陽ヤミです! (英語)みんな~! ヤミヤミヤミー! 陰陽ヤミだよ! 今日はいきなりだったのに、来てくれてありがとう! 楽しい夜をすごそうね!』
『今日もめいっぱい、たのしむぞ~! 陰陽メイ、だよ……。(英語)きょ、今日は、いきなりごめんね。楽しんでもらえたら嬉しいよ』
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