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ごはんとワルツを  作者: 明石家にぃた
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ワンチャン狙いの君への賄賂

新キャラ出してみたけど、アレ……?なんかデジャヴュ?

「……せっかくだから、手作りとかしてみる?」

 

 ありがたいことに学生時代から、毎年バレンタインにはそれなりにチョコなりクッキーなりをいただける身分である。


 悲しいかな、別にモテているわけではない。

 どっちかっていうと「アラ可愛いわねぇ~飴ちゃん食べる?」枠である。

 あるいは「異性って感じがしないんだよね」ポジション。


 それはそれで気楽ではあるが。


「ま、男からの手作りがキモイって人もいるだろうから、そこは臨機応変にだけどねー」

 いつももらってばかり、というのも申し訳ない、のが半分。残りの半分は「来月三倍返し、期待してるねー」からの回避である。

 先んじて同じように渡してしまえば「バレンタインでのチョコの交換」という名目が成り立つ。

 もちろんホワイトデーはホワイトデーでお返しが必要とはなるものの、少なくともこちらも同じようにあげている以上は、相手も三倍に返さなければならないという意趣返しにもなる。

 

 バレンタインにひとつももらえない悲哀もあれば、義理確定のチョコに三倍以上の気の利いたお返しを必要とされる面倒くささもある。

 それが男視点でのバレンタインだ。


 もはや大喜利である。

 困ったことに、この大喜利には回答側に支払いが発生する。

 それも、それなりに大きな出費が。


「おっ、これなら俺も作れそう、かな?」


 今日挑戦するのは、ビニール袋に材料を入れて混ぜて焼くだけの簡単サブレ。

 材料は家にあるもので出来る。

 オーブンも一応ある。

 まともに使ったことないけどさ。


 でも一人暮らしの男の家でオーブンって、普通あんまり使わなくない?レンジやトースターならともかく。

 何があるかわからないから、という母親のアドバイスでオーブンレンジにしたけども、まぁ結果的に、母親のアドバイスは理にかなっていたことになる。

 好奇心旺盛で何をしでかすかわからない息子の性格をよくわかっている。

 

「えーっと、薄力粉、砂糖、サラダ油?あと牛乳……あ、微妙に足りないけどまぁいいか」

 そして、よく揉んで混ぜる。

「……そういえば、白玉団子って耳たぶのかたさって言うけど、人によって違くないか?」


 少なくとも、俺の耳たぶは薄くてかたい。

 人によってはもちもちふわふわとしいてて、柔らかそうだ。

 柔らかそう、と、ふと思い出した人物に、思わずぶんぶんと首を振る。

 

 大丈夫、俺は別に耳の柔らかさが性癖とかそういうわけではない。

 そんなマニアックな性癖でたまるか。


 どのくらいまで揉んだらいいのかわからなくてとりあえずググったら、どういうわけかおかしな文面が出てきた。


〝二の腕とおっぱいは同じ感触〟


 「いや、知らねぇよ!」

 確かめたことねぇよそんなん。

 

 とはいいつつ、つい自分の二の腕と胸を揉み比べてしまう俺。

 馬鹿じゃあるまいか。

 これだから童貞は。

 

 ちなみに全然揉み心地違った。

 もしかしたら女性に限った話かも知れない。

 

 それはともかく。


「……とりあえずこんなもんか?」

 全体的によく混ざった?と思われる生地を、ビニール袋に入ったままころころとひとまとめにする。

 棒状にして冷凍庫へ入れる、というところで、ハタと気づく。

「これから焼くのになんで冷やすんだ?」

 ……よくわかんないし、いっか。

 

 思ったよりも柔らかく、型にべったりとくっつく生地と悪戦苦闘しながらなんとか型を抜き、オーブンに並べる。

 なんなら両手にも、べろべろに生地がこびりついてしまっている。

 しかも普通に水洗いしてもなかなか落ちない。


 あ、やっべ。オーブンの余熱忘れてた。

 ……さすがに余熱はショートカットしない方がいいよな?


 めんどくさい、という単語が頭をよぎったけども。


 で、余熱も終えてあらためて焼成。

 十分から十五分。


「おっ、わりといい感じじゃね?」

 部分的に焼き目にムラはあるものの、まぁ素人の手作りにしては上等だろう。

 焼けたクッキーが天板にくっついて、はがすのに苦労したけど。

 そしてその天板にこびりついた生地を洗い落とすというミッションが、このあとに控えているけども。

 なんなら他の洗い物もまだだけど。


「いやー、世の中のお菓子作りとかが趣味って女の子、すげぇなー

こんなめんどくさいこと毎回してんの?」

 洗ってもなかなか落ちない生地と格闘しながら、出来立てのサブレを口に運ぶ。


「って、しょっぺぇ!」


 よく言えば海の味。悪く言えば、死ぬほどしょっぺぇ。


「うわ、まじマンガみたいなミスした……」


 ……要するに、砂糖と塩を間違えた。

 これでは誰にも渡せない。


 あえて渡す相手がいるとしたら、高血圧でとっとと死んでほしいうちのクソ上司くらいだ。

 いや、こんなん、渡したところで普通の人間なら喰いはしないだろうが。

 

「……っしゃーねぇな。今年のホワイトデーは大人しく、いただいた皆々様にお返しするかー」

 まだどれだけもらえるとも決まってないのに、ひとりごちる。


 とりあえずノリで買ったラッピングバッグには、おやつ用に買い置きしてるコインチョコを入れるとしよう。

 ワンチャン、ホワイトデーのお返しを期待して。


二番煎じと笑わば笑え。

ep28に出てきたお兄ちゃんの縛りプレイサブレと、要するに同じものです。

手抜きじゃないやい。こっちも今思い出したんだい。


というわけでバレンタイン・ホワイトデーネタ、さらに引っ張ります。

ネタが思いつかないだけともいう。


次回更新は5/25です。

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