表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ごはんとワルツを  作者: 明石家にぃた
37/52

予定は未定で想定外

今日の仕事(本職)中に「あ、来月のネタに使おう」と思った内容があったはずなのに、退勤したころには忘れてました。


ということを、運良くたった今思い出しましたが、ネタの内容はけっきょく思い出せてません。解せぬ。

「……アイスでも作るかー」

 要するに暇なのである。

 

 せっかくの三連休。

 特にやることもなく、日がな一日ベッドに転がっているのもそろそろ飽きた二日目。

 気づけばもうお昼もとっくに過ぎた。


 だいたいこのままだと間違いなく昼夜逆転する。

 さすがにそれはマズイ。


「卵はある~♪たぶん牛乳もある~♪」

 砂糖もさすがにある。

 バニラエッセンスはないが、まぁ別にあれはなくてもいい。

 

 実は牛乳と卵ではなく豆腐でも作れるのだが、それはまた今度。

 豆腐買いに行くのめんどいし。

「ふつーの牛乳アイスにするのもつまらんな……なんか面白いものないかな」


 ココア、紅茶、黒蜜あたりはあるが、どれもピンとこない。

 ちなみに賞味期限は切れている。

 

「まぁいいか。アレンジはまた今度で」


 迷走したあげくに手に取った粉チーズを棚に戻しながら、そういえば昔、京都で唐辛子ソフトとかいうのを食べたことあるな、と思い出す。


 店員のおばちゃんが不器用すぎてクリーチャーみたいな形になっていた、薄いピンク色のソフトクリーム。

 甘くて冷たくて、何故か後味が痛い、という、バグみたいなソフトクリームだった。

 でもなんでか妙にクセになる味だった。

 

 鍋に卵と砂糖をよく混ぜ、牛乳を入れる。

 ごく弱火で、ちょっととろっとしてくるまで熱しながらよく混ぜる。


「……そういや冷凍庫空いてないな」

 とりあえず冷凍ごはんをいくつか取り出してスペースをあける。

 冷凍ごはん、本当は電子レンジで解凍する方が美味しいのだが、もうめんどくさいのでそのまま放置。

 あ、一個は今チャーハンにでもして食べちゃお。

 

 なんとなくとろりとしてきたような気がするアイスの素を平たい金属のトレイに入れ、ラップをしてそのままスペースの空いた冷凍庫へ。

 そのまま数時間放置。


 その間にレンジで解凍したごはんでチャーハンを作る。

 具は卵とネギ。

 焦がし醤油とバターでこってり。


 食べたら眠くなってしまったので、眠気覚ましに積読してた本を読む。

 アクションもののマンガで、最近ハマってるやつ。

 

 数冊読んだところで、アイスを確認。

 よしよし、ちょっと固まってきた。

 軽く混ぜてから再び冷凍庫。


 さて、続き続き……


 ……気づいたら、寝てた。

 わりとがっつり爆睡してた。

 

 とりあえずアイスを冷蔵庫から取り出し、また混ぜる。

 さっきよりもだいぶ固まってきている。


 マズイ、このままだとまた寝てしまう。

 起きてなきゃ、と思うとついうとうとしてしまう。

 

 とは言ってももう、何をしたらいいのか。

 読書はもうダメっぽい。

 多分また寝ちゃう。

 

 何かおやつでもつまもうか。

 いやいや、これから出来立てアイスが待っているのに?


 いっそ買い物にでも出かけようか。

 確かそろそろ、化粧水が切れそうだったはず。


 ……よし、それで行こう。運動がてら、近所を少し歩こう。

 ついでに化粧水を買ってくればいいんだ。


 そして戻ってきたら、またアイスを混ぜよう。 

 多分、そのころにはいい感じにアイスが固まっているはずだ。


 着替えて、外に出る。

 一時に比べればだいぶ涼しくはなったとはいえ、まだまだ残暑は厳しい。


 目的地は、歩いて十分ぐらいのところにあるいつものドラッグストア。

 そこで化粧水を買って、帰ってくる。

 

 帰ってきたらアイスを混ぜて、少し休んで、シャワーでも浴びて、晩ごはんを食べる。

 完璧である。


 ……完璧だった、はず。


 私の計画、だけは。

「また寝てもうた……!」

 帰宅して、買ってきた化粧水片付けて、アイス混ぜて……そっからまた記憶がない。

「もー、絶対これ夜寝られないやつじゃん……」


 まぁまだ明日も休みだからセーフ、ということにしておこう。 

 今日のところはもう、さっさとシャワー浴びて、出来立てのアイス食べて、布団に入ろう。

 どうやらお昼のチャーハンの量が思いのほか多かったみたいで、実はまだあんまりお腹空いてない。


「よし、まだ救いようはある……!」


 もちろんそれが、ちゃんと計画通りに出来たらの話、であることに私が気づくのは、散歩でかいた汗を流し、ちょっとシャリシャリの手作りアイスを食べて布団に入り……覚醒状態のまま朝を迎えてしまったその時であった。


 白く静寂な朝の空気は、昨夜の牛乳アイスを食べたときのさっぱりした感じに、少しだけ似ていた。


ちなみに市販のアイスは雪見〇いふくが好きです。

ときどき夜勤明けのご褒美に買うのですが、ついまだ固いうちに食べきっちゃうのをどうにかしたいです。

まぁアレはアレで美味しいんだけど、いつか柔らかくしてから食べてみたい。


・・・・・


月イチでマイペースに細々と続けてきた当連載も、3周年となりました。

まだまだ拙い文章ではありますが、たくさん読んでいただけているようでありがたい限りです。


風呂敷の畳みどころがわからず、今のところもう少し続く予定です。

今後とも「ごはんとワルツを」をよろしくお願いします。


・・・・・


次回更新は10/25です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ