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ごはんとワルツを  作者: 明石家にぃた
27/52

黄金色の多面性

いつもの「気づいたら月末だった」現象の末路。


もーちょっと余裕もって書けるようになりたいです。

(それでも最初のころは2話先ぐらいまでネタのストックがあった)

「うぉ、もうこんな時間か」

 テレビの音をBGMに通販サイトをダラダラ眺めていたら、急にお腹が痛くなってきた。

 そう自覚したと同時に、ぐぅと鈍い音が鳴る。

 

 そういえばごはん食べてなかったな。

 朝起きてすぐ、チョコを食べた記憶はあるんだけど。


 今日はせっかく早起きしたのに……

 うっかりお腹がすくほど長い時間、電子の海で過ごしてしまったことに後悔と絶望はあるものの、まぁ空腹のおかげで早めに気づけただけヨシとしよう。

 まだギリギリ遅めの昼ごはんの時間帯だ。


「ごはんは冷凍のがまだあるからそれでいいとして……たまごかけごはんでいいか」

 お昼だし。

 

 これで夜ごはんならもうちょっと頑張るけど。

 昨日たまご新しいの買ったばかりだし。


 どんぶりに割り入れた卵に解凍したごはんをダイレクトにブチ込む。

 先に白身だけ泡立ててメレンゲにするやり方もあるけど、あれはもうちょっと余裕があるときにするべき。


 少なくともお腹痛いレベルで空腹なときにそんな悠長なことしてられっか。


 スプーンでわしわしとひっかきまわせば、白いごはんがじわじわと黄色く染まっていく。

 うーん、いい卵色。


「さて、めんつゆとしょうゆどっちにしよっかなー」

 あとポン酢も美味しい。

 ドレッシングは……まぁたまにはいいかな、って感じ。


「お、天かす」

 そういえばこないだたぬきそば食べたくなって買ったときのが、まだ残っていた。

 ついでに鮭フレークも少しだけ残っていたので使い切ってしまうことにする。

「っつーことはめんつゆかなー」

 んじゃ刻みのりも入れときますか、っと。


 シンプルなたまごかけごはんはそれはそれで美味しいけど、ちょい足しでなんかもう別もんになってるのも好き。


 え?邪道じゃないかって?


 じゃあ聞くけど、エビのお刺身食べてる人に『エビ食べるならエビフライの方が美味しいだろう。その食べ方はおかしい』って言う?

 言わないでしょう?


 どっちもうめぇ、それでいいじゃんよ。


 天かすがまだざくざくしているうちに、スプーンでかき込む。

「うーん、満足感がすごい」

 たまごとごはんと味付けのみで出来るシンプルなたまごかけごはんは、炭水化物とたんぱく質で構成されている。

 要するに、脂質が少ないのだ。

 まぁそれはそれでヘルシーではあるのだが、腹持ちがあまり良くないというデメリットがある。


 身も蓋もなくいうと、口当たりが良すぎて何杯でも食べちゃう。

 あと、あんまり油カットしすぎるのも身体にもメンタルにもよくない。 


 ま、天かすで油分入ったところで、どうせお代わりするんだけどね!

「次はどうしようかなー」

 

 そもそもめったに買わないのだが、実は焼肉のたれも美味しい。

 ちょっとこってりしたタレの塩気が、あっさりした卵と抜群に合うのだ。

 

 トッピングは刻んだネギなんてどうだろう。

 加熱してちょっとしんなりした千切りキャベツとかなら、食物繊維もとれるしかさましになっていいかも知れない。


 まぁ、焼肉のたれ切らしてるんだけどさ。


 しかしそんな想像をしていたせいで、もうなんか口がこってりを求めてしまった。

 今あるもので肉的なこってりを求めるのはなかなかに難しい。


「んー、うまくいくかわかんないけど……」


 まずはたまごを溶き、新しく解凍したご飯を入れる。

 肉感は当たり前のように買い置きのある、定番のツナ缶。

 油は切っておく。

 何故ならこれからさらに足すから。


「ごま油をたぱっと」

 うわ、めちゃめちゃいいにおいする。


 そしてコチュジャン。

 

 艶のある鮮やかな黄金色に、ビーフブラッドカラーのコチュジャンがめちゃめちゃ綺麗。

 こういうアクセがあったら正直ちょっと欲しい。


 ピジョンブラッドみたいなケチャップも美味しそうだけど、あの華やかさは私には派手すぎる。


 わしわしとスプーンで混ぜると、全体がほんのりとオレンジ色に変化していく。

 そういえば宝石の中にも、含有している鉱物の影響で光の種類で色が変わるものがあるとかなんとか。


「……で、これを平たく伸ばしてフライパンでぱりっとするまで焼いたら、石焼きビビンバ風の酒のつまみにもなる、と。

昼は淑女、夜は娼婦、的な?」


 くっそ、酒飲みたくなってきた。

 さっぱり系のお酒、絶対合う。


 まだ日はだいぶ高い。

 米も卵もある。

 

 なんならさすがに昼間っからどんぶりごはん二杯は多い。


「……行くか、酒買いに」

 ついでにちょっとつまみも買い足すか。

 その辺にぶん投げてあった財布を持って立ち上がる。


「……いや、財布の前にズボンやろわたし」

 うっかり部屋着のままで外に出そうになり、寒さで正気に戻る。


 今日は熱燗なんていいかもな、とか思いながら。

出来たら番外編みたいな感じで、以前出てきたお兄ちゃんのネタもやりたい。

まぁ本編を更新するのでやっとのうちは無理そうですが。


次回更新は12/25です。

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