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第15章 刺客撃退し、農水省食堂へ.

路地に入り、噴水がある小さい広場のようなところにつく。

後ろから3人、左右にあった入り口から一人ずつ、男が出てくる。


「何!あんたたちは!」ジュリアが声を上げる。

「ウェネ・スピューマ」後ろの男の一人が唱えると、こちらに紫色の玉がすごい速度で飛んでくる。


ぶつかると思った瞬間。

「ウェント・パリエース!」マドライナが唱える。目の前に透明な壁が出来る。

その時、呪文を唱えた方向から二人、後ろから二人、男がとびかかってくる。

手にはナイフを持っている。


同時にジュリアとネルネルが目にもとまらぬ速さで何かした。

全く見えない。

4人の男はそれぞれ地面にうずくまる。

どうやらそれぞれ手拳や蹴りを一発ずつ食らわせたらしい。


呪文唱えた残りの一人が逃げるのが見えたので、

「テミス!刑事訴訟法213条!」

―現行犯逮捕は認められました。

その瞬間、逃げようとした男はその場に転ぶ。どうやらうまくいったらしい。


「……とりあえず、ヨウのいう「心あたり」は後で聞くとして、どうする?こいつら」

ジュリアが尋ねる。


「俺がなんとかしよう。テミス、この4人について、刑事訴訟法207条で勾留請求。」

―罪名をおっしゃってください。


「ええっと、暴行罪の共同正犯。刑法208条、60条。」

―勾留請求は認められました。


その時、倒れている4人の姿が消える。


「彼らをどこかにやったの?」ジュリアが聞く。

「ええっと、俺が魔法で作った異次元空間、といえばわかる?

そこに閉じ込めた」

「彼らはどうなるの?」

「数日その空間に閉じ込めて、俺が特に新たに魔法を使わなければ、ここに戻ってくる。

その間、食事やトイレなど、最低限のケアはされる」


作ったときにテミスに問いあわせたら、そうなっているらしい。

元いた世界で警察署に勾留されているときと同じ扱いになるみたいだ。


「……マドライナ、これすごくない?」ジュリアがマドライナに聞く。

「すごい。異次元空間を作ることも、維持することも、そこに人を生きたまま入れておくことも。


世界で同じこと出来る人5人いるかどうか。」

マドライナが俺の方に目を見開いている。

うーん、すごいことなのか?

俺はさっき飛んできた泡をマドライナが魔法で防いだことの方がすごく見えるけど。


「ところで、ヨウが言っていた『心当たり』って何か、教えてくれる?」

「う~ん、聞いたらマズいかも知れないよ?」


「それって、さっき子どもを一瞬で手元に呼びだしたのと関係ある?」

「多分ある」

「……じゃあ私たちも無関係じゃないわ。そっちが話してくれたら私も話すけど、私たちも事情があるの」


「……ここではちょっと。秘密の守れる場所でなければ。」

ちょっと悩んだ。俺の法律魔法で作った空間なら秘密の漏れる心配はないだろう。


ただ、ジュリアとマドライナを信用していいだろうか?

この二人も、レオポルド3世のスパイだったりしないだろうか?

実は国王が俺を殺そうとしていて、この二人はそのスパイでは?

何せこの世界に来て国王に殺されかけたからな。何が信じられるかさっぱりわからん。


……でもまあ全て疑っていても仕方がないか。

スパイだったらその時はその時かな。


「もし二人が良ければ、俺が魔法で作った異空間に招待しますよ。

俺が元いた世界の料理を出してくれるレストランがあるので、そこでご飯食べながらというのはどうですか?」


「ぜひ!」ジュリアとマドライナが声をそろえた。俺は驚いた。そんな食いつくところか?

まあマドライナは魔法に興味があるんだろうが、ジュリアは?


「いやあ、異世界のごちそうなんて夢のようだわ。どんなものがあるのかしら!?」そこ?

「……まあ行きますか。テミス、農林水産省設置法2条。俺たち4人を農水省の庁舎内へ。」


―-4人の農水省庁舎内への立ち入りが許可されました。転送します。

そういうと、俺たち4人はテレポ―トした。


「美味しい!ホント美味しい!」ジュリアが涙を浮かべながら食べている。

俺たちは(俺の魔法で出した世界の)農水省の一階の食堂にいた。


農水省一階の食堂は日本の食材のアピ―ルのため、一級品の食材を使っているという話だった。

俺も異世界転生する前はちょいちょいここに来ていた。メニュ―も普通のお役所の食堂から見ると、少し変わっている。


ジュリアもマドライナも箸が使えないのでナイフとフォ―クとスプ―ンで食べている。

ジュリアはがつがつ食べていて、マドライナはちょっとずつ食べているが、どっちも一心不乱である。


ジュリアはチキンステ―キ御膳、マドライナはオムライスを食べている。

ちなみに俺はコ―ヒ―、ネルネルはオレンジジュ―スを飲んでいる。


「店員さん!このチキンステ―キ御膳、おかわり!」ジュリアが叫ぶ。よく食べるね。

「は―い。」店員さんが器を持って行ってくれる。

テミス曰く、この店員さんは俺が元いた世界の人ではなく、「テミスの使いの精霊」とのこと。


元いた世界では農水省一階のレストランは確か食券方式だった気がするが、俺が出したこの食堂は注文方式で、お金もいらない。そのあたり融通は聞くみたい。


「こんなに美味しいごはんおなか一杯食べたの久しぶり……・」ジュリアが感極まった表情で言う。

「ふだんあんまり食べないの?」俺は聞いてみる。

「いやあ、冒険と旅の生活だとさあ?太れないし節約もしないといけないしで、そんなおなか一杯食べれないのよ。ダンジョンの中なんて食糧尽きたら終わりだし?」


こんなに美味しそうに食べてくれる人見たら、農水省の人も農家の方も喜ぶんだろうなあ。

よくわかんないけど。


「これっていつでも出せるの?」

「そうだね」限界を試してみたことはないが、今のところデメリットはない。

疲れがたまったり眠くなったりするかと最初は思ったけど。


「これが出せるとなるとダンジョン探索は便利よね!食料の心配もなさそうだし、安全な寝床も確保出来るし!

宿屋とかホテルは出せるの?」


「宿屋とかは出せないと思うけど、貧しい人を保護する施設なら出せる。

ダンジョンや野宿よりは快適だと思うよ。」

「それだとダンジョン探索はかなり楽よね。う―ん、これは大きい。」


「ごめんなさいね、冒険に不向きだとかいっちゃって……」

ジュリアは申し訳なさそうにこちらを見た。


俺にそんなことを覚えているということは、大雑把に見えて細かい気配りが出来る人なんだね。

「いえいえ。なんか俺でも役に立てそうなことがありそうで、よかったよ」

「立つ立つ!ヨウがいてくれれば、かなり冒険らくになるわあ!」


「他にはどんなものを出せるんですか?」マドライナが聞く。

「あとは思いつくところで言うと、他のお役所、学校、あと国立国会図書館かなあ……」


「図書館?」マドライナが反応する。

「俺のいた国では、出版された本が全て集まっている国立国会図書館っていうのがあったんだ。

それを出すことが出来る。」


「すべての本が読めるのですか?」

「俺のいた国の、だけどね」

「すごい!いってみたい!」マドライナが立ち上がる。

国立国会図書館はホント、楽しいところだよ。



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