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その一四 「左遷 転じて 栄転!?」


 『――――鳴沢君へ

 冬の足音の日々迫りゆく中、如何お過ごしですか?

 私はこの通り、遠く離れた異郷の地で健気に生きています。鳴沢君は兵営生活にはもう慣れましたか? 私に生涯の決断を促したあの夜以来、私は鳴沢君の無事なることを祈るばかりです。無事でしたら……出来得ることならばお便りを下さい。手紙の一番下に記されているのが、現在の私たちの新しい住所です。

西崎も、あなたの厚意には甚く感謝しています。遠く離れたアメリカの地、見ず知らずの異郷の地で、私達はすでに新しく、そして素晴らしい生活へと一歩を踏み出しています。今の私達の生活があるのは、紛れも無く鳴沢君のお陰です。鳴沢君?……あなたはこれまでくだらない戸惑いに支配されていた私を迷夢から解き放ち、一人の女性として新しく生きる途を与えてくれたのです。どうかあなたには、それを誇りに思っていて欲しいと思います。そして鳴沢君にも、何時かはあなたの生涯の賢明なる支えになるような、素晴らしい伴侶が現われるであろうことを他人だてらに祈念して已みません。

兵役は辛いでしょうが、苦難の日々も過ぎてしまえばどうということはありません。あなたもいつかは、無事の内に栄光と安寧の日を迎え、社会に再び戻っていくことを祈り、ペンを置きます。


――――鷲見より


追伸:西崎が、あなたに贈り物をしたと教えてくれました。贈り物はもう届きましたか? 出来得れば、その贈り物の詳細を知りたく思います』



 ――――手紙の一番下には、紛れも無くアメリカ合衆国の某州の住所が記してあった。


 スーちゃんからの航空郵便を、ぼくは全ての片付けの終った寝台の中で、湧いてくる微笑を堪えながら、それこそ何度も読み返していた。それが、ぼくが近衛騎兵旅団の内務班でやった最後の作業だった。


 豪雨の中の災害救助任務から一週間後。この日はぼくが基地を出、転任する日だった。だがぼくの場合基地を出……というよりむしろ追い出されたと言った方が正しいのかもしれない。ぼくのようなトラブルメーカーをそのまま置いておけるほど、この部隊の敷居は低くは無かったのだ。


 「残念だが、仕方が無い……君には転任してもらうことになった」


 と、その日の朝方、ぼくは呼び出された中隊長室で、石橋中隊長にそう言われた。苦虫と煙草を同時に潰しながら、中隊長は椅子を一回転させ再びぼくに向き直る。


 「君は兵士としても優秀だし、事実ぼくだって何度も助けられた。だが、命令は命令だ。君には……」


 「…………」


 固唾を呑む一瞬。朝鮮に行かされるごく身近な将来を、ぼくは想像し暗然とする。


 「……東北軍管区に行ってもらう。第二師団だ」


 「…………?」


 安堵とともに、怪訝な表情を浮かべたぼくに、中隊長は微笑みかけた。


 「向こうの除隊予定者が予想外に多くてね。君にその補充兵として行ってもらうことになった。本土に残れてよかったなァ」


 「はい……」


 力無く頷くぼくに、中隊長は徐に椅子から立ち上がり、手を差し出した。


 「転任とはいっても、ごく短期間だろう。東京にもすぐに戻って来れるよ……運が良ければ、また会えるさ」


 「はい!」


 中隊長の手を握るぼくの手……握り返す中隊長の手は暖かく、これまでに感じられなかった力の加わりを、ぼくは覚えた。敬礼し、退出する間際、ドアノヴに手を掛けたぼくに掛けられた言葉――――


 「鳴沢二等兵……?」


 「…………?」


 「……ありがとう」


 思わず込上げてくるもの――――それを漏らすまいと、ぼくは早足に部屋を出る。



 ――――離隊の時間が迫っていた。


 鞄一つに身の回りのもの全てを詰め込み、ぼくはバンちゃんの寝台の傍に立ち、背を正した。だらしなく寝台に寝そべり、漫画を読み耽っていたバンちゃんは漫画越しに目をぼくに向ける。


 「……申告いたします! 陸軍二等兵 鳴沢 醇 本日11月○○日を以て東北軍管区へ転属となりました。板倉上等兵には、謹んで申告いたします……!」


 型通りの申告の後、ぼくは反応を確かめるようにバンちゃんの様子を伺った。無言のまま漫画を置くと、彼は呆れたような表情をした。


 「鳴沢よぉ、おめえ……ほんっっっとバカだなあ?」


 「はい……」


 項垂れるぼくに、更なる言葉が降り掛かる。


 「もう何処へでもいきゃあいいさ。おめえみてぇなアホは知らね。みちのくでも朝鮮でもいいからさっさとオレの前から消えな」


 呆然とするぼくに、バンちゃんはさらに「向こうへ行け」とでも言いたげに手を振った。話はそれで終った。ぼくが知るこれまでのバンちゃんのそれとは明らかに違う態度を前に、ぼくが驚きと失望とをない交ぜにして内務班から出たのは確かである。


 「ううっ……鳴沢二等兵、食え」


 と、内務班の入り口でぼくの鼻先に、パンやらお菓子やらのいっぱい詰った紙袋を突き出す郷田兵長……もとい、昇進し伍長の声も悲痛なものとなっていた。感極まった彼にそれ以上のことをされずに済んだのは僥倖であったのかもしれないが、今ではその心遣いだけでも十分だ。敬礼とともに受け取り、嗚咽を背にぼくは再び歩き出す。ぼくはもはや背後を振り返らなかった……魁偉な大男の泣き顔なんて、見ていても何の特にもならないし、想いを寄せるぼくにそんな姿を見られるのは彼自身本意では無いだろう。


 営庭を歩き、やがてぼくは正門へと通じる大通りへと足を踏み入れていた。師走の迫った基地内の風は冷たく、それが一人で歩く身には辛く厳しい。住処を追われ、日々の糧を失ったイソップ童話のキリギリスのような気分で、ぼくはすっかり葉の落ちた並木を見上げた。その貧しい枝ぶりに、ぼくは明らかに現在のぼく自身を投影させていた。


 ――――そして、再び見据えた前方。


 並木通りの終わりに佇む人影に気付いたとき、ぼくの足が止まった。


 「…………?」


 濃緑色の戦闘服ならぬカーキ色の制服が、冬場の並木道では厳粛さを催す空気を漂わせていた。ぼくの姿を認めるや、軽やかな足音が軍服に包んだ見事なプロポーションを運んできた。彼女はぼくの眼前で歩を止め、ぼくは彼女に敬礼する。


 「…………」


 沈黙――――――それが未だ傷が癒えず、右腕を吊った姿の彼女――――陶大尉が為し得る唯一の答礼だった。


 そして沈黙の内に、陶大尉はぼくに封筒を差し出した。


 「…………?」


 「貴様が行く部隊の連隊長は本官の陸士時代の恩師だ。些細な私信をしたためてある。これを届けることが、貴官が転属しての最初の任務だ」


 厳重に封をされたそれを受取り困惑するぼくに、大尉は言い放った。


 「部隊内における貴様の無思慮な振る舞いには、小倉の徳山教班長の甚く失望している……北国にでも行って頭でも冷やしてくるがいい」


 そうか……思わず項垂れるぼく。だが大尉の宣告は、それだけでは終らない。


 「本官もまた、貴様にはつくづく失望させられた……もう何も言うまい。早々にここから去れ」


 ぼくは顔を上げた。何度か口を開きかけては押し留まり、意を決したどたどしい口調で聞いた。


 「……あのう、大尉殿は?」


 「……本官もまた、遠からずここを去るだろう」


 「…………!」


 「陸士の教官だ。貴様のような左遷ではない」


 敬礼し、ぼくは大尉と別れ再び歩き出した。胸中を占める哀愁は、すでに絶望に近いものに変わっていた。だが……大尉が軍に残れたことを知っただけでも、少なからぬ救いと言うべきだろう―――――これより彼女と接することになる他の将兵にとってどうかは別として……


 「……私は、かつて一人の軍人に出会った」


 突然に背後から投掛けられた言葉が、ぼくの足を止めた。


 「…………?」


 「軍人としての才幹、直感、そして将器……彼は私と出会った当初からその全てにおいて恵まれ、私に優越していた。だが彼の人間と武人としての拙さ故、私は彼を憎み、彼の才を妬んだ……」


 「…………」


 「……私には彼が許せなかった。どうしてついこの間まで単なる民間人であり、根拠無き安寧を貪っていたような男が、何故に斯くの如き才幹を持っているのか。何故に天は幼い頃から軍人たるを望み、望みに沿うべく努力してきた私にではなく、彼のように単に義務であるから軍に籍を置いたに過ぎないような男に、斯くの如き才を与えたのか……だが私が最も許せなかったのは、当の彼自身に自らが天賦の才の持主たる自覚に乏しかったことだ」


 「…………」


 「……それゆえに私は彼に辛く当たった。だが彼に接する度、彼に苦行を課す度、彼の人格に顕れ、軍人として、一人の女として、心より彼に心服を禁じえない私がいた。その彼は終には私の生命を救い、名誉をも救った。彼に対する生涯返せぬ借りができたとき、私は決心した。何時の日か、彼が自らの意思で帝國陸軍において責任ある立場となったそのとき、私は喜んで彼と共に在り、彼を粛し、忠実なる(しもべ)として彼を支えようと……」


 独白にも似た言葉は、何時の間にかぼくから一切の歩く自由を奪っていた。


 「…………」


 「だが悲しむらくは現在に至るまで、彼は自らが用兵の天才であり、類稀なる将器の持主たる自覚に乏しいということである。それは私にとって甚だ遺憾なことであり、慙愧に堪えない……私は彼に詫び、感謝するとともに、天が彼に与えた彼自らの才幹と使命に、彼が未だ無自覚なることを心から惜しむ。それでも……私は信じている。彼が今現在のままの彼で終ることなく、必ず軍人として高みへと行くと……何故なら、彼はそうなるべき男だからだ」


 「…………」


 「……私は待つ。何時までも待つ。彼が自覚を持ち、何時の日か国防に身を捧げる者としての正道を歩み始めるその日まで待つ……鳴沢二等兵、貴官に託した文書は、そのための何物にも替え難い便りとなるだろう。文書には、私を含めこれまで彼に接し、彼の将器に触れてきた全ての人間の、彼に対する所見のすべてが篭められている。一寸の違いも無く、連隊長まで届け出るように」


 「大尉?」

 

 と、問いかけるように言うぼくの足元が何時の間にか、そして心なしか震えていた。


 「鳴沢二等兵、省みることは許さん。真っ直ぐ前を向き、急いで基地を出ろ」


 言われるままに歩き続け、正門から出る間際、ふと目に入ったカーブミラーに映っていたもの――――そこに、去りゆく誰かを凝視したまま、ずっと立ち尽くしている彼女の姿に、ぼくはしばし我を忘れる。


 「…………」


 ぼくは言われるとおりにして……そして基地の正門から一歩を踏み出した。



 

 


 トゥルルルルルルル……トゥルルルルルルルルルル……ガチャ……

 

 

 「―――管理人さんでいらっしゃいますか? 自分、203号室の水原明美の友人なんですけど、本人に替わってもらえます?―――――ああ、そうですか。講義に出ている……――――ええそうです。東北の部隊に行くとだけ伝えて頂ければ……――――ハイどうも、有難う御座いました―――――」


――――――――――――――――――――――


 トゥルルルルルルル……トゥルルルルルルルルルル……ガチャ……

  

 「―――母さん、ぼく、転勤することになったよ」


 『―――え……何処に?』


 「―――詳しくは言えないけど、東北の方……」


 『―――まあ……これから寒くなるってのに、大変ねえ』


 「―――大丈夫、すぐに東京まで戻って来れるさ……」



 ―――――東京市中央のバスターミナルで、北へと向かう長距離バスのシートに腰を沈めたときには、正午を少し過ぎていた。前日、過激派同士の内ゲバ騒動があったばかりというバスターミナルの改札窓口付近では、脱ぎ捨てられたヘルメットや散乱したガラス片、捨て置かれたゲバ棒などがまだ回収されないままに転がっており、未だ床を染める血痕が事件の余韻を生々しいまでの迫力を以て見る者に迫って来る……ぼくが社会を離れている間にも、世の中は時計のように止め処なく動き続けている?


 定刻になり、低速ギアの唸り声も重々しくゆっくりと動き出した大型バスは、程無くして都会の雑踏から閑静な高速道路へと入り、その巨体を軽やかに走らせていた。


 かの「大東亜戦争」後、ドイツのアウトバーンに範を取りすぐに始まった列島縦断高速自動車網整備事業は、停戦により広範な各戦域から復員してきた将兵及び外地よりの復員者に仕事を与える目的と同時に、戦争によって露呈した本土防衛体制の欠陥を補正する戦略的な真意もまた存在した。そして1975年の現在、事業は当初計画の八割がたを完遂し、今に至るまで継続している。


 高速バスは瞬く間に東京市圏を抜け、埼玉との県境に差し掛かろうとしていた。高速バスに限らず、この辺りを通過する車両は、何度か巨大なコンクリート製のゲートを潜ることになる。有事の際、敵侵攻軍が列島北側より東京に侵攻して来た場合にゲートを爆破し、瞬時の内に通行を遮断するという真意がそこにあった。


 また、ゲートを抜けた先から、バスは長さにして1000~3000メートル級の直線道路に差し掛かることになる。こうした直線帯は前述のコンクリート製のゲートと同じく各地の高速道路に存在し、その真意は、有事の際高速道路を臨時の滑走路として活用しようというものだ。事実、戦闘機に拠るこうした直線帯を使った滑走訓練は、毎年一、二回の割合で全国の何処かで行われていた。


 ――――そして、バスは最後のゲートを抜けた。


 徐々に離れ行く東京の風景を、後ろ髪引かれる思いで見遣りながら、ぼくはこのとき初めて嘆息する。除隊の日までここに戻ることが出来ないであろうという予感は、バスが走るに従い、ぼくの胸中では確信となっていた。



カバンに詰めてぼくは出てゆく

行ってしまうのさ

何故って 

さ迷い歩くのが宿命だからさ

ぼくはゆくよ

心配することは何も無い

光ある限り

ぼくは放浪者さ



 好きな歌の詞を思い浮かべ、ぼくは目を瞑る。


 保証された身分であっても、置かれた状況はまさに放浪者……今のぼくの立場である。今更ながら、自分が未だに二等兵であることに対する情けなさが込上げてくる。この分だと、新しい任地に来ても古参兵にあれこれと難癖を付けられ、苛められることだろう……現在の自分の境遇への憐憫は、まさしく将来への不安の裏返しだった。


 プップ―――……ププゥ―――――


 聞き覚えのあるクラクションが微かに聞こえてきたが、最初はそれが何であるかはわからなかった。クラクションを無視して仮眠を決め込んだぼくの耳に、次にはそれが明確な軍用トラックのパッシングとして入ってきたのは、ぼくが眠りに付こうとしたまさにそのとき――――


 「…………!?」


 高速バスと併走する見覚えのある軍用トラックの運転手と目が合った途端。ぼくは座席から零れ落ちんばかりの勢いで仰け反った。


 ご、郷田伍長……!?


 運転席から満面の笑みを浮べながらぼくに手を振る郷田伍長。だが真の驚愕はその次の瞬間に待っていた。バスの車体に接せんばかりに近付いた荷台の幌がせり上がり、紛う事なき第三内務班の兵士たちの姿をぼくの眼前に現したのだ。


 「…………!」


 『鳴沢ァ―――――!』


 トラメガを通じぼくに呼びかけるキンキン声――――それは聞き逃すはずも無いバンちゃんの叫び声。騒然とする乗客、そしてぼくの目の前で、彼はさらに声を張り上げた。


 『窓を開けろぉ――――!』


 言われるがまま、ぼくは窓を開ける。流水のごとく吹き込んでくる突風、そして期せずして沸き起こる乗客の苦情など、もはやどうでもよかった。トラックはさらに車体をバスに寄せ、窓から身を乗り出すぼくとバンちゃんとの距離は、あっという間に目と鼻の先まで迫ってきた。


 『鳴沢ァ、受取れぇ!』


 窓に投げ込まれた何か光るものを、ぼくは慌ててキャッチする。両手で掬うように受取り、目を凝らして見詰めたそれは、紛れも無い一等兵の階級章!


 バンちゃんは、さらに叫んだ。


 『てめえの昇進が決まったんだよォ! いまさっきなァ! この果報モンがァー!』


 「ははは……!」


 階級章を胸に抱き、ぼくは声を震わせて心無く笑い、そして叫んだ。


 「板倉六年兵どのぉ! 見送りご苦労様でありまぁ――――すっ!!」


 『バッキャロ―――! こちとら帰ったらすぐ営倉が待ってるんだ! 人事だと思って余裕かましやがって! のこのこと戻って来やがったら只じゃおかねえからなァ!』


 「板倉六年兵どの……!」


 窓から半身を乗り出した状態で、ぶち当たってくる猛烈な風には耐えられても、不意に声を詰らせる何かに、ぼくは耐える術を持ち合わせてはいなかった。止め処なく流れ出す涙は、バンちゃんたちの次の動作で頂点に達した。


 『鳴沢一等兵に!……敬礼っ!!』


 兵士一斉の敬礼に、ぼくも敬礼!―――――役目を終えたトラックは急速に速度を落とし、バスから置き去りにされていく。敬礼の姿勢を維持し、離れ行くトラックに何時までも目を凝らしながら、ぼくは流れ続ける涙を振り払おうと努めていた。その胸の奥に、新しい土地への希望と、バンちゃんを始め中隊の内務班の仲間達に報いんがための決意を宿しながら――――


 ――――だが、


 基地を出る道すがら、陶大尉よりぼくに託された「時限爆弾」は、ぼくの知らぬ間に、ぼくのカバンの中で新たな波乱への秒針を刻み続けていたのだった。そして晴れて陸軍一等兵となったぼくが、まる一昼夜を費やした長旅の末に新たな任地の隊門を潜ったその時点で、地獄行きの特急列車へと通じる改札口を通ってしまったことに、神ならぬ身では気付くはずがなかったのである。






――――――――――――――――――――――



下記の者、適性及び徳性に於いて帝國陸軍挺身兵(レンジャー)教育課程に十分堪え得るものと判断し、

推挙するものなり。連隊長に於かれては、格段のご高配を以て当人を所遇するを請うものなり。


陸軍一等兵 鳴沢 醇 (徴兵一般○○○期)


推挙人

陸軍大尉 石橋 健児  (近衛騎兵旅団 第○○中隊長)印

陸軍大尉 陶 晴子   (近衛騎兵旅団 第○○中隊長)印

陸軍伍長 舟木 孝          (近衛騎兵旅団)印

陸軍伍長 郷田 紀雄  (近衛騎兵旅団 第○○輜重隊)印

陸軍軍曹 徳山 憲太郎(陸軍第256連隊 小倉教育中隊)印



―――――ぼくの想像を絶する苦難と波乱の軍隊生活はなおも続くことになるが、それはまた、別のお話。



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