04 法律は適応されないですよね?
毎日22時頃に投稿しています。
先ほど俺を助けてくれた彼女——カティアさんは、軽快な足取りで薄暗い廊下を進んでいく。 一方の俺はといえば、今にも膝から崩れ落ちそうな、まさに生まれたての小鹿状態だ。
意識の混濁と戦いながら必死に足を動かしていると、前を歩く彼女が不意に振り返った。
「ねぇ、君。名前なんて言うの?」
名前……、名前か……
こっちの世界に来てから、一度も名乗ったことはない。そもそも決めてすらいなかった。 かと言って、元の世界と同じ名前を名乗るのは、なんだか気まずい。 思考の海を漂い、ふと脳裏に浮かんだ響きを口にする。
「……アオリ。アオリ、です」
「ふーん、アオリね。いい名前じゃない」
いいぞ。我ながらナイスなネームセンスだ。
前の世界の名前に響きが似ていたから選んだだけだが、この世界にも馴染んでいる気がする。
「逆に、あなたの名前は?」
「私? 私はカティアよ。いい名前でしょ?」
「……はい」
自分で言っちゃうタイプか。
頼れるクールなお姉さんかと思っていたが、
意外とお茶目な一面があるのかもしれない。
彼女に対する印象が少しだけ塗り替えられたところで、
俺はさっきから喉の奥に引っかかっていた疑問を投げかけた。
「……なんで、俺を助けたんですか?」
「んー、なんでって言われてもね。だって君、こことは違う『異世界』から来た人でしょ?」
「な……っ!」
心臓が跳ねた。鼓動が早くなるのを感じる。てか、喉乾いたな…
「まーまー、そんな不審者を見るような目で見ないで。今からちゃんと説明するから」
「……ちょっと待ってください。それ、長くなります?」
「え? いや、まあ、それなりには」
「じゃあその前に。……めちゃくちゃ図々しいのは承知なんですけど、何か飲み物ありません?」
喉が焼けるように熱い。説明を聞く前に、まずはこの渇きをどうにかしないと倒れてしまう。
「喉、乾いてるの?」
「はい、死ぬほど」
「……ビールしかないけど、いい?」
なんでビールしかねぇんだよ。
ツッコミを入れる余裕すら今の俺にはなかった。
体が限界を超えてSOSを出している。
手渡された小さな樽のような容器をひったくるように受け取り、中身を喉へと流し込んだ。
「ッはぁーーーーーー! 生き返る……!」
なんと、弱冠十六歳にしてビールに至福を感じてしまった。
というか、そもそも俺は未成年なわけで、アルコールなんてダメなはずなのだが……。
まあいい。ここは異世界だ。
細かい事は一旦棚に上げさせてもらおう。
滝のようにビールを飲み干す俺の姿を見て、カティアさんが可笑しそうに口角を上げた。
「君、意外と神経図太いのね」
「……光栄です」
「別に褒めてないわよ(笑)」
俺がひと息ついたのを見計らって、カティアさんの表情に少しだけ真剣みが混じる。 彼女は先ほどの話を再開した。
結構中途な所で力尽きてしまいました。
ごめんなさい。明日は頑張ります。




