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主人公VSえっちしないと出られない部屋(with幼馴染)  作者:


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第八部屋 ただただ普通に出たくない部屋⑤

 後書きのご指摘ありがとうございます! 修正いたしました!


「…………」


「…………」


 ……そうして、朱里の窮地を救ったところではあるが、その後にやってきたものは沈黙でしかなかった。


 湯船の中で、背面座位──じゃなくって、いや背面座位ではあるんだけど、なんだろう。そういう表現じゃなくって、ええと、その。……とりあえず俺が朱里を背中から抱きかかえるような、そんな形で俺たちはその場をやり過ごしている。


 最初に朱里に触れたとき、たまたま、本当にたまたま二の腕のように柔らかい部分、えっと、その、つまり、つまりですね? あ、あ、あの、その……、胸部、と言いますか、そういった部分を触ってしまった部分はあるんですけれど、流石に事故以外でそれを触ることは許されないので、今はただ抱きしめるだけ抱きしめて、それ以上に触れるようなことはしていなかった。いや、それでもめちゃくちゃ身体が密着しているし、触れていないというには無理がありすぎるけれど。


「…………え、ええと」


 俺は初めてと感じてしまうほどに、朱里との間にやってきた気まずさに息を吐いた。


 何を、話せばいいのかがわからない。まずおっぱ──じゃなくって、胸部に触れてしまったことを謝罪するべきなのかもしれないし、それはそれとして風呂に入ってきたことを怒るべきかもしれない。


 でも、こうして二人っきりの空間、そして俺が彼女に対して行動をする、と先ほど決心した以上、野暮な言葉は挟みたくない。……あわよくばもっと密着をして朱里の身体の柔らかさを堪能したい──、じゃなくって! ええと、あの、そうだな。あれ、あれですよ。一応、朱里が浴槽と頭をごっつんこしてしまうシチュエーションは避けられたけれど、それはそれとして怪我をしている可能性があるかもしれないから、介抱という目的で彼女の身体を抱きしめている。


 ただ、朱里はそれに対して反応することはない。反応といえば反応はしているのかもしれないけれど、それは顔を赤くして身体をこわばらせているだけだった。


 少し彼女の体勢が楽になるように、俺の身体に寄りかかるよう抱きしめている腕を引くようにするけれど、まるで岩かと錯覚するほどに彼女の身体はカチカチでしかない。いや、柔らかいんだけどね? めっちゃぷにぷにしてて気持ちがいいんですけれど、それはそれとしてこの子、今硬直がすごいんですよね。


「……大丈夫、か?」


「──ひゃ?! ひゃ、ひゃい……」


 とりあえず心配しているのは本当なので、朱里に声をかけてみれば強張っている身体をびくんと弾ませて、それから上ずった声で返してくる。


 ……と、唐突に跳ねるのやめてね? 俺、ちょっと今アカンからよぉ、いろいろとよぉ……。


 そんな文句にもならない言葉を彼女に言いたいような気もするけれど、それを言ったところで朱里は理解してくれないだろう。きっと『俺の息子がピンチなんだ』って言ったら『彰人息子いたんだ!? 会わせてー!』なんて返してくるに違いない。そうしたら同人誌的な展開になって、俺の息子が朱里の眼前に御開帳されることになるから嫌だ。だから言葉を選んでしまう。


「……なんで、いきなりお風呂に?」


 俺は率直に疑問をぶつけてみる。


 いくらなんでも唐突すぎる状況だ。朱里はさっき、俺が風呂に入っている間に皿洗いを済ませるだなんだと話をしていたはずなのに、その暇もないくらいに短い時間でこのお風呂場に突貫してきている。


 別にね、俺に皿を洗わせたくない、って言うのならなんとなく理解できるんですよ。朱里にとって俺はガサツな人間に見えるだろうし、きっと皿洗いも雑に済ませる、とか、そういう風に見られているんじゃないかな、って。だからお風呂という口実を使って、俺を台所から遠ざけたのではないかと。そう思っていたんですよ。


 でも、それだったらなぜお風呂に?


 しかも、あれだよね。俺がいることを知っているからこそスクール水着を着て突貫してきているよね? 普通、一人で風呂に入るんだったら水着なんて着ないもんね? ……あ、でもあれか。俺が家にいる状況では警戒して水着も着るもんなのかな? ……わからない。


 で、でも。それって、あれですよね。これ、あれでしかないですよね。




 ──俺のこと、異性として見ているからこそ、家族として見ていないからこそ、裸を見せることが恥ずかしい、と感じてくれているわけですよね?




 だから、率直に聞きたくなった。それはセクシュアルハラスメントと言われるものかもしれないけれど、それでも聞きたくて仕方がなかった。


 ──俺は、もう朱里に対して躊躇わない。踏み込めるところは踏み込んでいく。例えその結果が玉砕であったとしても、それでも知りたいから──。




「──え、えっとぉ、しょのぉ……。だ、だいにのえっちをしたくてぇ……」


「……」




 朱里は舌っ足らずな声で言葉を発しながら、そうして強張っている身体を震わせていく。や、やめて、そのバイブレーションは俺に効く、俺の息子に特攻が入る──。


 ──って、えっ? なんて? なんて言いましたこの人。


「第二の、えっち?」


 俺は訝しい気持ちで朱里の言葉を繰り返していく。それに朱里はこくりと頷いた。


「き、きのうは、は、はぐして、だいいちのえっちができたからぁ、それでだいにのえっちで、そ、その、……おふろにいっしょにはいろうとおもいましてぇ」






 ──それならOFUROでOじゃね? しかも風呂っていう単語を抜き出したとしてもFUROでFじゃねぇ??


 





 俺は心の中でそう思った。でも、やはり口にはしてやらない。どうせ野暮なことでしかないから。俺にはもっと聞きたいことがあったから──。






 朱里ちゃんは性的なことがわからないため、実は胸部を触られてもただのボディタッチとしか思われません。……マジで気を付けてね朱里ちゃん……。

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