表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
主人公VSえっちしないと出られない部屋(with幼馴染)  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/47

┗第七部屋 内訳(幼馴染視点)①


「ふふふんふーん♪」


 今日はいろいろあったなぁ、いろいろできたなぁ、という達成感を思いながら、私は鼻歌を奏でながら帰宅する。自分でもこんなに上手くいくんだな、という気持ちでいて、今はすべてが楽しい。友子ちゃんの言う通りに『素直になってみれば?』というアドバイスに従ってよかったなぁ、とそんな気持ちでいっぱいになる。




 ──今朝、ようやく私は彰人と第一のえっちというものをすることができた。




 兼ねてから友子ちゃんにはいろいろとお話をしていて、その度に今回は何がダメだったか、次はどうすればいいか、ということを相談していたわけだけれど、ようやくその甲斐ができたというかなんというか。なんとも嬉しい結果で今朝は幕を閉じることができた。


「へへ、えへへへぇ」


 今朝のことを思い出すと顔がにやける。やばい、あんまりこう頬が緩むこともないと思うのだけれど、それでもめちゃくちゃほっぺたが熱くなる感覚がする。思い出すたびに顔は熱いし、思い出すだけでめちゃくちゃ心臓がどくんどくんって鳴っているような感じ。彰人の顔を思い出すたび、そして彰人が私にハグをしてくれたことを思い出すたび、ちょっと苦しいくらいには心臓が跳ねてしまう。


「……でも、これで満足していちゃいけないよね」


 私は改めてそう考えて、兜の緒を締める気持ちでいる。……この言葉はそういう使い方でいいのかな? わかんないけど、まあそんな感じだろう。


 一応、私と彰人は今朝、えっちをした。


 私が素直になって、彼にハグするように求めると、彰人は照れながらも私の身を抱きしめるようにしてくれていて、心のすべてが火照ってしまうような、そんな感覚に浸されていった。あの感触を忘れることはしばらくはないだろう。


 けれど、あれだけ過激な行為をしたとして、まだ第一のえっちでしかない、と友子ちゃんは言った。




『──えっちはねー、順序を踏まえてやらなきゃいけないんだよー。第一のえっちはハグでしょ、それで第二のえっちは──』




 お昼休みの時間、お弁当を一緒に食べながら語っていた彼女の言葉を思い出す。


 そうだ、まだ私と彰人がやったのは第一のえっちでしかないのだ。今後は第二のえっちをしなければならないし、更に第三、第四のえっちが待ち受けていることを考えれば、こうして第一のえっちの満足感で止まることは許されないような気がする。


 うん、やっぱりこれで満足していちゃダメだ!


 彰人は鈍感さんだもんね、とーへんぼくのにぶちんさんだもんね。さっさと恋人になるために、もっともっとえっちなことをしないと。


 


 ……でも、次はどうすればいいんだろう。




 友子ちゃんから聞いた話によると、第二のえっちはすごくハードルが高いものになる、って言ってた。なんならあまりにも過激すぎて、学校では話題に出すこともできない、って言ってたくらいだから、その詳細については聞けていない。


 だから、こればかりは私の方で考えなければいけない。


 今まで通りに『えっちしないと出れない部屋』を作るのも悪くはないだろうけれど、今回は私もその詳細を知らないのだから、もし間違っていることをされても私は気づくことができないし拒めない。そう考えると、彰人の部屋を魔改造して寝ることは難しいし、どうすればいいんだろう。


「……うーん?」


 結構な時間を有意義に使ってはみたけれど、それでも思いつくことは何もない。


 やっぱりえっちって難しいんだなー。友子ちゃん以外のお友達にもいろいろお話すればよかったなぁ。それとも今から友子ちゃんのお家に行って、それから第二のえっちについて聞けばいいかも?


 うん、そうだよね。やっぱりわからないことは聞くべきだよね。


 私はそう思いながら帰路を急いでいく。


 本当はネットでえっちについて調べたいところではあるけれど、友子ちゃん曰く『調べたら携帯がウイルスにかかって大変なことになる』という話だから安易に調べるわけにもいかない。そして、家族に彰人とイチャイチャしたいという気持ちがバレるのは嫌だから、やはり友子ちゃんに聞くしかないのである。


 そうとなれば急がなくちゃ!


 私はそうしてアスファルトの道を駆けだしていった。





「え? お出かけ?」


 私が足早に帰宅をすると、珍しく夕方から帰宅しているお父さんの姿と、そしてお父さんと雑談で盛り上がっている母の姿がリビングにあった。


「そうなのよー! お父さんの会社で社員旅行があるみたいでねー? 唐突だけれど明日から旅行に行くみたいなの!」


 めっちゃ唐突な旅行だな、って私は思ったけれど、お父さんは「いやー、結構前から決まってたんだけど、今日まで伝えるのを忘れていてねぇ、申し訳ない申し訳ない」と母の言葉に付け足していく。まあ、お父さんはアホの人だからそれくらいしょうがないか、という気持ちとともに私は「いいなー!」と返した。


「いいなー、って別に朱里もついていけるのよ? 一緒についてくればいいじゃない」


「え、あ、そうなんだ」


 私の言葉に当然のように声を返してくる母の言葉。


 けれど、私の心の中にはいろいろと不安がよぎるので、それに対して「私も行く!」という言葉は返せなかった。




 だって、私が旅行に行ったら彰人は独りぼっちだもんね。


 今は彰人のご両親も海外旅行中だし、いつも学校でも彰人は一人でご飯を食べているし、そんな彰人を見ているからこそ、私だけが楽しい思いをする、というのはなんか嫌だ。彰人なら「楽しんで来いよー!」と背中を押してくれるのだろうけれど、そんな彰人を想像するとお腹にパンチしたくなるし、なにより私が朝に彰人と会えないことが寂しくていやだ。……あとは、一応皆勤賞を狙ってるから、その旅行にはついていけない、って言うのもある。


「うーん、私はだいじょうぶ!」


 だから、母の言葉にそう返した。せっかく楽しそうな旅行ではあるし、それについていけないのは残念ではあるけれど、それでも彰人を放っておいて旅行なんて行けやしない。きっと、旅行に行ったら今朝のえっちも無駄になってしまう。


「あら……、じゃあ、家に残るってこと?」


「うん! 私なら大丈夫だから任せて!」


「……本当に大丈夫かしらお父さん」


「……本当に大丈夫だろうかお母さん」


 二人は顔を合わせて不安そうな顔を浮かべるけれど、私はそれに対して胸を張って「だって藍里もいるし余裕だよ! 任せてよ!」と返してみる。


「……まあ、藍里がいるなら大丈夫かしらね」


「藍里がいるなら大丈夫だろうさ」


 私の言葉に納得したのか、二人は互いに顔を見合わせて、それからうんうんと頷いていく。ようやく話がまとまったのか、二人は「それじゃあ家のことをよろしくね」と言葉を残して、それから旅行の準備を始めていった。


 うーん、でも明日からは藍里と二人きりかぁ。明日は土曜日だし、なんか特別なこともしたい気分だなぁ。


 そんな気持ちになりながら、とりあえず明日に向けての計画を考えてみる。


 これもすべて第二のえっちのため。


 私はそう思いながら自室へと戻っていった。







あれ、友子ちゃんに話を聞きに行くのでは……?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ンアホォイ…。 いやまあ…、元気、なのは…、良いことさぁ…。 (あと作者さんに念のためのお知らせです。 なろうの執筆機能の中に「一括文頭1字下げ」が有りますよ。「(会話文)」の先頭は自動で左詰め…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ